東京で暮らす女のとりとめのない日記

暮らしとカルチャー、ミクスチャー

2023-01-01から1年間の記事一覧

きれいなひたい

眠る夫を眺めながらこの記事を書いている。いつもなら私の方が夫より先に就寝するのに、たまにこうして逆転する日がある。今日はちょうどその日だった。幾年月を重ねても、眠っている夫を眺めていることが新鮮に感じる。きれいなひたい、澄んだ鼻梁、頬に影…

旅行先で感じたこと

昨日から京都を訪れていて、ホテルの部屋でこの記事を書いている。正直に言えば、ここに来るまでは仕事が忙しく、旅行に乗り気ではなかった。どのくらい乗り気ではなかったかと言うと、着替えるための洋服をまったく準備できておらず、九条のイオンの中にあ…

地域とゆるやかに繋がるうるおいの場 ヤオコー川越美術館(設計:伊東豊雄)

埼玉県といえばスーパーのヤオコーが有名だが、その私設美術館が川越にあることはご存知だろうか。設計は仙台メディアテークや座・高円寺などを手掛けた伊藤豊夫氏。館内にはヤオコーと縁が深い三栖右嗣の作品が展示されている。周辺の住宅地と背丈を合わせ…

葛藤と越境 グレゴリー・ケズナジャット『鴨川ランナー』

東京で暮らすことは、異国で過ごすことに似ていると思う。 先日、3年ぶりに地元の友人たちと再会したときに「ちょっとー、東京の女って感じだべ」とからかわれ「んなことねーべ、変わってねべした」と答えたことがあった。 この3年間はほとんど標準語で生…

今こそ、福島。福島県出身者が教える、絶対にはずさない温泉宿 5選

もうすぐゴールデンウィーク。そろそろ旅行先について考え始める人も多いのではないでしょうか。しかし、ようやく旅行が楽しめるようになってきたとはいえ「まだ海外はハードルが高い、しばらくは国内旅行を楽しみたい」と思っている方もいるはず。そんな方…

26年経ってKinKi Kidsの『硝子の少年』を聞いたら余りにも良すぎてどハマりした話

はじめに KinKi Kidsがデビューしてから、26年が経とうとしている。彼らがデビューをした当時、私の周りではKinKiブームが起こっていて、ほぼ毎日のようにクラスでは「剛くん派か、光一くん派か」で議論が分かれていた。私はというとあまりアイドルには興味…

深夜製菓部 #2 チョコレートマフィンと2種のコンフィチュール

2023年のバレンタインデー 優に「今年のバレンタインデーは何がいい?ご飯でも食べにいこうか。あるいはチョコレートを買ってこようか」と尋ねると「手作りのお菓子が食べたい」とにこやかに返されて面食らった。そもそも今年は買って楽をしようと思っていた…

安心してひとりになりたい人のための、開かれた秘密基地 ヒアシンス・ハウス(設計:立原道造)

埼玉県さいたま市にある別所沼公園。この公園には清らかな水がこんこんと湧き出ている沼があり、その畔には一軒の小屋が建っている。小屋の名前はヒアシンス・ハウス(風信子荘)。詩人であり建築家でもあった立原道造が、自分自身のために設計した小さな小…

いい音楽を聴くと、心が帰ってこなくなることを知った Robert Grasper Torio :Blue Note Tokyo 2023

年末に音楽仲間の友人から連絡があり、ロバート・グラスパー・トリオがブルーノート東京でニューイヤーライブを行うことを知った。2020年に計画されていた来日公演がCovid-19の影響で立ち消えて以来、しばらくは単独ライブはしないだろうと思っていたので、…

2023年の元旦はさわやかに

夫と紅白歌合戦を見て「バブルを生きてきた人間の、若者にポジションを譲るつもりなんか1ミリもない感じが眩しいね」「おじいちゃんがスモークのなかでヨタつく姿を全国民が見守るイベントだ」などと言っていたら2023年になっていた。酒屋で買った売れ残り…