東京で暮らす女のとりとめのない日記

暮らしとカルチャー、ミクスチャー

ここは中国茶の世界にやさしく誘う場所 上野「閒茶」

都会暮らしも板についてきたけれど、やっぱりこの喧騒には慣れないもの。時にはどこか静かな場所へと出かけて、こころに凪を取り戻したいと思う。そんなとき、こころの給水ポイントとして、静かに扉をノックする場所がある。 お店の名前は閒茶。「閒」は静か…

映画「ゆるキャン△」は疲れたアラサーの心にしみる、おかゆ映画だった

つい先日、映画「ゆるキャン△」を見てきた。アニメ版のゆるキャン△を見たのは大学生のころ。当時は院進か就職かを悩んでナーバスになっていた時期で、テレビから流れる高校生の日常風景に、しみじみと癒されていたことを覚えている。ちょうどキャンプを始め…

旅情あふれる街、湯河原で大人の夏休みを満喫した初夏の記録 伊藤屋 宿泊記《後編》

前回の話はこちらから lesliens225.hatenablog.com 宿をチェックアウトしたあとは、となりにある小梅堂へ。お茶菓子のきび餅がとても美味しかったので、自宅用に買っていくことにした。写真を撮っていると、伊藤屋から出てきた宿泊客が、次から次へと小梅堂…

旅情あふれる街、湯河原で大人の夏休みを満喫した初夏の記録 伊藤屋 宿泊記《中編》

前回の話はこちらから lesliens225.hatenablog.com 到着してからあっという間に時間が過ぎ、気づけば夕食の時間だった。この日は夕食のあとに万惣公園へ蛍を見に行く予定だったので、早めの時間帯で食事をお願いしていたのだが、なんと仲居さんが担当されて…

旅情あふれる街、湯河原で大人の夏休みを満喫した初夏の記録 伊藤屋 宿泊記《前編》

6月の始めに、神奈川にある湯河原町へと足を運んだ。結婚当初に「お互いの誕生日は旅行へ行こうよ」と約束していたものの、気がつけば感染症が流行り、結婚4年目にして初めての記念日旅行になった。夫のリクエストは湯河原。以前、箱根を訪れた帰りに立ち寄…

映えない身体を受けいれる難しさ モナ・アワド『ファットガールをめぐる13の物語』

2020年にInstagramの仕様が変更され、フィードには様々なpostがサジェストされるようになった。ファッション関係のアカウントを立て続けにフォローすると、画面にはほっそりとした女たちが”also you like this...”と言わんばかりにズラーっとサジェストされ…

3年2ヶ月ぶりのハングオーバー

今朝は久しぶりに二日酔いの状態で目が覚めた。冷蔵庫の扉を開けて、ウィルキンソンの無糖ソーダを選ぶ。蓋を開けるとプシュ、という音が鼓膜に響く。その音がやけに心地よくて「まーだ酔ってんな」とひとりごちる。そのままソーダを流し込むと、胃が炭酸に…

紅茶とクレーム・ブリュレを味わい、新緑にまみれる幸せ 鎌倉「Cafe In The Woods」

一年の中で五月がいちばん好きだ。つやつやとした若葉が芽を出し、緑陰の間を抜けてゆく風は、涼やかな薫りをまとっている。遠くの山を眺めると、まだ稜線にはうっすらと雪が残っていて、緑の裾野との対比が鮮やかだ。水張りを終えた田んぼにはそれらの景色…

目的もなく銀座で過ごす週末 ACホテル・バイ・マリオット東京銀座 宿泊記

4月の始めごろ、HafHという宿泊施設のサブスクサービスに登録して、ACホテル・バイ・マリオットに宿泊してきた。仕事が忙しくて憂さ晴らしをしたかったのと、銀座のど真ん中に意味もなく泊まったら、普段とは違う街の一面が見れそうだなと思って。 当日は夫…

ステイホーム中にハマったボディソープ5選

コロナをきっかけにメイクをする機会が減ってからしばらく経つ。マスクをしていると化粧がグズグズになってつらいし、 Zoom映えするメイクは外に出る時トゥーマッチに見える。気になる新製品があってもタッチアップができない状況が続いたこともあって、気づ…

与謝野晶子も訪れた登録有形文化財のカフェでくつろぎのひとときを 横浜「カフェ金澤園」

先週末、横浜市金沢区にある「カフェ金澤園」に行ってきた。以前、NHKの「ふるカフェ系 ハルさんの休日」という番組を見てからずっと行きたいと思っていたのだ。 当日は曇り。午前11時ごろに到着すると、すでに3組ほど先に来ている人たちがいた。テレビで見…

コロナ禍における「正しさ」を再考する 金原ひとみ『アンソーシャル ディスタンス』

「正しさ」という言葉を聞くとき、いつも平均台が頭に思い浮かぶ。 皆、うまくバランスをとりながら渡っているのに、自分だけは黴臭い体育マットの上に何度も落ちてしまう。渡るためには暗黙の「正しさ」に従う必要があって、自分が不適合であることは、誰に…

2022年 ゴールデンウィークの記録

4/28(木) ゴールデンウィーク前夜祭 本来なら有給だったはずが、仕事のトラブルで残業して結局退勤したのは夜の21時だった。これから夕飯を作るのもしんどいので、夫を誘って近所のコンビニへ。 コンビニに行くとガンプラが置いてあったので「ガンプラだ!…

魔法のように素敵な花束と出会えるお店 銀座 こじま花店

春は出会いと別れの季節。わたしが上京してからずっとお世話になっていた美容師さんも、とうとう店舗から独立して店を構えることになった。一生に一度の独立だし、ここはひとつ景気良くお祝いしてあげたい。とはいえお菓子はいつも差し入れしているし、香り…

静岡へ春を探しに出かけた旅の記録

東京に出てきて良かったことの一つに、道端にぽつんと咲いている桜を愛でられることがある。電灯に照らされる桜というのは風情があっていい。まとまって群生し闇夜にぼうっと浮かんでいる桜もいいけれど、ぽつねんと咲くそれは誰か気づいてくれるのを待って…

魅力的な悪役は仮面を被っているーー ゴールデンカムイ 、鶴見篤四郎の仮面を読み解く

はじめに ゴールデンカムイも残すところあと1話となった。今は気持ちが落ち着いてきて「ああ、終わるんだな。それを見届けられるんだな」という感慨の方が大きい...... そう思っていたのに、第313話を読んだらそんな凪いでいた気持ちもひっくり返ってしまっ…

冬の北海道を巡る旅#6 ザ・バードウォッチングカフェでシマエナガと出会う。旅の終わりは味噌ラーメンで

いよいよ旅も大詰め。今日はシマエナガの写真を撮るため、朝早くホテルを出てセコマでおにぎりを買い、車の中で食べながら撮影地へと向かった。車を走らせて向かった先は千歳市にあるザ・バードウォッチングカフェ。 以前水道橋にあるバードウォッチング専門…

冬の北海道を巡る旅#5 札幌グランドホテルにステイ、夕食はGRISで

車を走らせること数十分。今日の宿泊先は札幌グランドホテル。1934年に北海道に初めて誕生した洋式ホテルだ。故秩父宮殿下がこの地を訪れた際に、札幌五輪の開催を見越して「札幌に本格的な様式ホテルをひとつ建てたら」と提案したことで、開業にまで至った…

冬の北海道を巡る旅#4  サッポロピリカコタンから開拓の村、そしてサッポロビール博物館へ

帯広から山を越えて高速で約3時間半、向かう先はサッポロピリカコタン(札幌市アイヌ文化交流センター)だ。セコマで買ったおにぎりを食べ、車を走らせていく。札幌市内に差し掛かると積雪量が目に見えて増えていくのがわかった。札幌出身の友人によれば、札…

冬の北海道を巡る旅#3 旅の拠点はHOTEL NUPKA。平和園でジンギスカンを食べ、帯広の夜を過ごす

やっと帯広に着いたのは夕方6時半を過ぎた頃。今回宿泊する場所はHOTEL NUPKA(ヌプカ)のHanareと言う施設。前身のホテルみのやが2012年に廃業されたことをきっかけに、地元の出身者らが建物を引き取ってフルリノベーションを施し、新しい宿泊施設として立…

冬の北海道を巡る旅#2 羅臼にて流氷ツアー、オオワシ・オジロワシに出会う

2日目の天気は晴れ。今日は事前に予約していた流氷ツアーへと向かう。ペンションでチェックアウトを済ませて出ようとすると、おかみさんに「よかったら牧場から届いた搾りたての牛乳があるから飲んでいってください」と呼び止められた。 せっかくなので、ペ…

冬の北海道を巡る旅#1 2年ぶりのフライト、セコマで昼食、そして網走監獄へ

ずっと冬の北海道に行ってみたかった。夏には行ったことがあるものの、冬の北海道には行ったことがない。冬の北海道に行きたい理由はいくつかあって、そのうちのひとつが流氷を見たいからだった。 感染症が流行ってから旅行に行けるタイミングが限られてしま…

深夜製菓部 自主練記録#1 シフォンケーキを作ってみる

仕事が終わったあと無性にお菓子作りがしたくなったので、家にある材料でシフォンケーキを作ることにした。レシピはなかしましほさんの「とてもくわしいシフォンケーキのレシピ」を参考に。 材料は以下の通り。 卵…4個薄力粉…70グラム砂糖…40グラム太白ごま…

頬ずりしたくなるような点心をシックな空間で味わう 二重橋前「ヤウメイ」

久しぶりに友人たちと食事をすることになり、お店選びを買って出たものの、長らく食事会をしていなかったおかげですっかり勘が鈍ってしまった。食事に対する好みや経験、外食に求める優先順位が異なるメンバーに、これというお店がなかなか見つからない。困…

大学生に戻って京都で暮らす(イマジナリー日記)

夫が今年の4月に1ヶ月間出張に行くことが決まったので、それなら私もその期間だけ京都に住んで、仕事はリモートでしようと思っていた。(しかし、夫の出張がなくなったので、その計画は白紙になった。)以前京都に行ってから、ここで暮らしてみたいという…

私と岩波ホールと神保町

岩波ホールが閉館する報せを受けて、未だに気持ちの置きどころがわからずにいる。 上京して右も左もわからなかった頃、一番初めに居ついた土地が神保町だった。当時のバイト先が御茶ノ水にあったのだ。しばらくしてから、隣町の神保町が馴染みの場所になるの…

女ふたり 日帰り鎌倉旅

1月の晴れた日のこと。2年ぶりに友人と会えることになり、なるべく密にならないところで食事をしない?という流れから、じゃあ鎌倉で朝食を食べよう!という話になった。 当日は鎌倉駅で待ち合わせ。彼女に対する記憶が2年前のままだったので、その面影で…

2021年 読んだ漫画振りかえり

もう2022年になってだいぶ経つけれど、年末年始じゃないと去年のことを振り返れないなんてルールはないもんね。ということで今年も2021年に読んだ漫画を振り返っていきます。ネタバレを含む感想もあるので、回避したい人にはおすすめしません。ところどころ…

美味しい暮らし #2月編と今後の更新のお知らせ

忘れられない2月になりそうだ。何をしていてもウクライナのことが頭をよぎって胸がざわつく中で、久しぶりに行った喫茶店のテーブルに飾られていたガーベラがかわいかったとか、そういうことにばかり助けられ、そんな自分を不甲斐なく思う。 ・2022年2月のバ…

日々に寄り添う誠実なおいしさ 「会津のべこの乳」に対する愛を伝えたい

はじめに 福島といえば酪農カフェオレが有名だが、実は福島の人なら誰でも知っているもうひとつの乳製品がある。それが今回紹介する「会津のべこの乳」だ。 その美味しさに開眼したのはまだ子どもだった頃。毎年年始になると、会津の親戚が贈ってきてくれる…