東京で暮らす女のとりとめのない日記

暮らしとカルチャー、ミクスチャー

美味しい暮らし #11月編

11月はいよいよ資格試験!ということで、空き時間はほぼ勉強ばかりしていて外食は控えめでした。そしてその甲斐あって合格しました〜!うれしい。この報奨金で美味しいものを食べに行くぞ。

とはいえ、まだ受ける試験がいくつかあるので、生活を朗らかに過ごしつつ気を抜かずにコツコツやっていきたい所存です。

 

ゆりちゃんちでタイ料理パーティー

この日は夫の叔母と義姉と姪っ子とタイ料理パーティを楽しみました。

初めてお招きいただいた叔母さん(と呼ぶには余りにも溌剌としていて麗しく「逃げ恥」のゆりちゃんに似ているので、私はこっそりゆりちゃんと呼んでいます)の家はパウル・クレーを始めとした様々な絵画や、旅先で買ったであろう調度品があちらこちらに飾られていて、とても素敵でした。

デリバリーして頂いたタイ料理もとってもおいしかった!定期的に訪れるタイ料理欲が満たされました。特にラープガイが美味しかったです。レモングラス大好き。

大学時代、タイで現地調査をしていた教授と新宿のバンタイでタイ料理を食べた時に、現地の人々はラープガイやソムタムなどの汁が余るタイプの料理に、もち米を摘んで浸して食べるというやり方を教えてもらい、それがとても美味しかったので今回ももち米付きでお願いしました。

タイ料理は甘いのしょっぱいの酸っぱいのが重層的に感じられる料理が「美味しい」の基準であるということを聞いて以来、酸いも甘いも噛み分けず、一緒くたにして味わうのも人生の味わい方のひとつだと思えるようで、とてもユニークで素敵な感性だなと思います。

タイ料理といえば、Netflixで「ストリート・グルメを求めて」という番組にジェイ・ファイという女性の料理人が出てきたのですが、そこの料理がとても美味しそうだったので、いつかタイにも足を運んでみたいです。(余談ですが、このジェイ・ファイの回は、新興アジアの都市経済を学ぶ上でも示唆に富んだ内容だったと思います。西洋人の視点でアジアのエスニシティを強調して描いている編集箇所があるところは眉唾ですが…)

ちなみに、同じ大学生活を過ごしていたタイ人の留学生に「タイで美味しいお店を探すにはどうすればいい?Google mapや日本の食べログのようなサービスを利用するの?」と訪ねた時に「ううん、美味しいお店には人が並ぶからそれで判断すればいい。タイ人は美味しいものが大好きだから」と言われたのも印象的でした。

この話を聞いて南後由和の「ひとり空間の都市論」を思い出し「食べたい料理のジャンルや店の立地、価格帯、口コミ・レビューの評価を確認することによって、『外れる』リスクを回避する『検索期待値』」ではなく「飛び込みで店に入って偶然に料理がおいしい店や雰囲気のよい店に遭遇する『遭遇期待値』」に近しいものが支持されているとすれば、それは SNSの発展度によって変化するのだろうか…と思ったりしたのでした。

ちなみに、ゆりちゃんは絵画と旅行が好きで、終始いろんな旅先での話を聞かせてくれてとても楽しかったです。スイスのパウル・クレーセンターへ行ったことや、エジプトで過ごした日のこと。この時職場の人間関係で少し悩んでいたのですが、ゆりちゃんに「女性の悪口は挨拶と一緒なの。御機嫌ようって。だから気にしないで」と言われたことにとても勇気付けられました。人生を味わい尽くしていて、かつ仕事にも前向きな年上の女性に会うと、いつも憧れと元気をもらいます。

ところでゆりちゃんちを後にする時に、結婚祝いに素敵な絵を頂いたので寝室に飾ったのですが、それがとても良くて。朝目が覚めた後、コーヒーを飲みながらゆりちゃんに頂いた絵をぼんやりと眺めているのが最近の楽しみです。

 

バインミー⭐︎サンドイッチ

この日は試験を受けに高田馬場へ。ちょうど昼過ぎに試験が終わったので、学生時代から大好きだったバインミー☆サンドイッチ(いつも間の星に一瞬「つのだ☆ひろ」を連想してしまう…)に立ち寄りました。

お金のなかった学生時代、早稲田松竹で映画を見てここでサンドイッチを買い食いしつつ帰るのが楽しみで楽しみで。早稲田松竹は、チケット1枚1300円で映画が2本見られるのが懐寂しい学生には本当にありがたくて、貧乏でも文化に触れられる場所がある大切さを身を以て知った場所でもあります。学生時代、友人たちとTOHOシネマズを「貴族の映画館」と揶揄してミニシアターへ足繁く通い、鑑賞後に喫茶店で感想を飽きるまで語り合っていた頃が懐かしいです。

いつも頼むのはベトナムハムとレバーペーストのサンドイッチ。本当はフルサイズのものが食べでがあって美味しいのですが、この日は試験を終えた疲労からか珍しく食欲がなかったのでハーフサイズにしました。

なますとパクチーうまい、肉うまいパンうまい、という感じでわしわし食べ進めつつ、UBER EATSが入れ替わり立ち替わり店の前に現れては去っていくのを眺めていました。

ところでこのブログを書いている途中、バインミーの歴史が気になったので調べてみたところ、こんな記事がありました。

www.afpbb.com

もともとバインミーは、ベトナムが1887年から1954年にかけて(日本軍が占領していた時期を除く)フランスの植民地下に置かれていた頃に生まれたと聞いていましたが「ディエンビエンフーの戦いで解体したフランス領インドシナにいた兵士らの空腹を満たすためのもの」が起源だったことは初めて知りました。

また1980年代以降は、ベトナム戦争を契機に南部を中心としてアメリカやカナダへ移民として渡るベトナム人が増えたことから、アメリカやカナダにもバインミーが広まった歴史があるとのこと。

このことについては、スロスさんのブログが興味深く、そして「バンミー」と呼ぶおばちゃん達を身近に感じて胸がギュッとなりました。

simplesloth12.hatenablog.com

さらに調べたところ、アメリカのファーストフード店である「リーズサンドイッチ」の公式サイトには”OUR FAMILY HISTORY”として、創業者が1980年にベトナムからカリフォルニアに渡り、成人教育を受け(アメリカでは1964年のEcconoic Oppotunity Actをきっかけに貧困対策として移民を中心に教育機会を拡充している)、ケータリングトラックでの販売を始めたという内容のことが書かれていました。

leesandwiches.com

ちなみにリーズサンドイッチではバインミー以外にも春巻きやチェーなども売っていて、どれもとても美味しそうでした。

一旦調べ始めるとベトナムの歴史がバインミーの歴史とも強く紐づいていることがわかり、ある人にとっては移民先で生活の糧となり、ある人にとっては占領下で始めた仕事であり、それらが受け入れられ、広まっていった経緯に思いを馳せると畏敬の念すら湧いてきます。

いつかベトナムに行ったら、バインミーを食べたい。それまで私も日本で強く生きていこうと思ったのでした。

 

 エルカリエンテ モダンメキシコ

この日は大学時代のバイト仲間で集まってご飯。

メキシコ料理、初めて食べたけど美味しくて良かったです。柑橘系の使い方が特徴的でした。

大学時代のバイトで出会った人たちと、まさかここまで長い付き合いになるとは思っていなかったので、月並みですが人生って不思議だなと改めて思うなどしました。

ご飯を食べ進めるうちに、その中の一人から「バイト時代あなたの事あまりフォローできなくてごめんね」と言われ、全く気にしていない事だったので驚いたのですが、そうした彼女の律儀さが今でもこの関係を続けられる理由の一つなのかもな、と思うなどしたのでした。

日頃余裕がないとつい自分のことしか考えられなくなってしまうけれど、今関わっている人たちも、遠く離れている人たちも、長いご縁にして行けたらという気持ちで大切に関わっていきたい。そんな優しい気持ちになれるような会で良かったです。

次は日本酒とお刺身の美味しいお店で新年会しようと約束したので、それを楽しみにお互いの頑張るべきことを頑張りたい。友達の頑張っている姿はいつも勇気付けられるものがあり、ありがたいなと思ったのでした。