東京で暮らす女のとりとめのない日記

暮らしとカルチャー、ミクスチャー

美味しい暮らし #12月編

12月になると街が祝祭ムードに溢れて「今年も終わるんだな」という気持ちになります。年が変わっても日々は淡々と続いていくのですが、区切りを設けてあることで、なんとなく気持ちが一息つけるような気がします。

モヤモヤしたこと、腹が立ったこと、悲しかったこと、悔しかったこと、やりきれなかったこと、誰かに傷つけられたこと、傷つけたこと。新しい年はどんな自分になりたいか、相手に何ができるか。一年の総ざらいとして日々の行いや心を整理し、ひとつひとつ振り返るこの時間を、毎年ありがたく思います。

2020年も今よりもずっとより良い人でありたい。理性と心のバランスを保ち、独善的にならず、怒るべきことには抗議し、自分の思いを言葉にして伝え、自分と他者の尊厳を守り、身近な人たちを和ませるユーモアと笑顔をできるだけ心掛けたい。もちろんできない時もあるし、無理はしない。これは私の趣味でしていることなので、周りには求めない。

何より2020年も健康第一で、美味しいものを美味しいと悦べるよう、健やかな生活を続けていきたいです。

サンデーベイクショップ

ずっと気になっていた焼き菓子屋さん。たまたま幡ヶ谷へ用事があったので「これはチャンスだ!」と喜び勇んで参りました。

アパートの1階にあり、小さな黒板にお店の名前が書かれています。

中に進むとイートインスペースがあり、近くには観葉植物やドライフラワーが吊り下げられていました。

エスプレッソマシンの上には色とりどりのカップと羊の置物。

お昼を食べた直後だったので断念しましたが、店内にはアイスクリームもありました。頼んだお客さんが「おいしーい!」と言っていたのが聞こえて微笑ましかったです。

なお、マイバック制が開始したそうで、マイバック利用の方は20円引きになる仕組みだそう。(2019年12月時点)

今回持ち帰ったのは「上がジャリっとしたレモンのケーキ」に「ビクトリアケーキ」と「バニラチーズケーキ」の3つ。どれも王道な美味しさで、同時になんとなく母が幼い頃に作ってくれたお菓子たちを思い出すなどしました。

 焼き目がきれいなチーズケーキは濃いめのコーヒーと一緒に。しっとりどっしりしたタイプのベイクドチーズケーキで、時折バニラがふっと香ります。かなり食べでがあるので、2日に分けてちまちまと頂きました。

ビクトリアケーキはアッサムティーと一緒に。

フランボワーズのフレッシュな香りが先に来て、次にバターが口の中で溶ける瞬間、素朴なお菓子からリッチなお菓子へと表情を変えるのが愉快です。

上がジャリっとしたレモンのケーキは写真を撮り忘れてしまったのですが、その名の通りお砂糖部分がジャリジャリしていて楽しい食感なのは勿論、スポンジ部分がやけにジューシーでびっくりしてしまいました。どうやって作っているのだろう。甘みよりフレッシュな酸っぱさが強く感じられ、とても美味しかったです。

お店の中には他にもたくさんのお菓子が所狭しと並んでいて、焼きあがったばかりのお菓子の匂いも相まって、その場にいるだけで幸せな気持ちになれる空間でした。

エシレ パティスリー・オ・ブール

友人の買い物に付き合った時に自分用に買ってみたレーズンバターサンド。手のひらに乗るくらいの小さな箱が可愛らしい。

ちんまりした可愛らしい見た目なのに、バターのパンチが強くてびっくりしました。ラムレーズンが刻んであり、レーズンが苦手な人でも割と取っつきやすいかもしれないと思いましたがどうでしょう。

ところで、味とはまったく関係ないのですが、昔からエシレってマーケティングが上手だなと思うことが多く、興味本位で調べたところ、日本では片岡物産が輸入・展開していると知って腑に落ちるところがありました。

ちなみに、2009年に丸ノ内ブリックスクエアにオープンした初の専門店はル・スティルとコラボしていたらしく、ヒットしたのも頷けます。ヴィロンのバケットも美味しいだけでなく、ブランドイメージがはっきりしているものな。

見た目の可愛さや、食べ物に興味のない人でも名前くらいは聞いたことがあるであろう認知度など、絶妙なブランドイメージを確立しているエシレ。自分の仕事がこうもはっきりと成果として残ったら、当時のマーケティング担当者は誇らしいのではないだろうか、と思います。

ちなみに私はバターならボルディエの方が好きかもしれません。食いしん坊へ本気のお土産を選ぶなら、こちらもオススメです。

 

鈴懸 いちご大福

今年もこの時期がやってきましたね!鈴懸のいちご大福。

友人に手土産としていただいて以来、強く魅了されている和菓子の一つです。

以前、博多出身の同僚に「鈴懸のいちご大福が好きなんだよね」と話したところ、びっくりするくらい喜ばれて。その時は大袈裟だなと思ったのですが、私も郷土のお菓子を好きだと言われたら同じような反応をするかもしれないな、と思いました。ふるさとのお菓子って、その土地を離れて初めて自分の中に意味を持つものがあるような気がします。

なお「博多通りもんも好きだよ」と伝えたところ、同僚が「博多通りもんは夏は凍らせてもうまいし冬はバターで焼いてもうまい」「セブンのジェネリック通りもんは許せん」などと、通りもん過激派っぽい話をしてくれて楽しかったです。

「いつか博多に行く時は言って!案内する!」と言ってもらえたのが嬉しくて、今年こそ行くぞ、行くぞと思っているところ。それまで私も彼女もあまり仕事が忙しくなり過ぎないと良いな、と思っています。

 

kabi nikai

ずっと食べてみたかったkabi nikaiのデセール。

つやつやのヨーグルトのソルベ、ばらの味のするお砂糖、ピュアなりんごの甘酸っぱさが癖になるタタン、小さくて可愛らしいパイとアクセントになるチャイクリーム!

一皿に美しさと美味しさがギュギュッと詰まっていてときめきます。

自分の好きなように食べる自由さがありながら、どの構成も外さない美味しさ。一口一口が色々な世界の扉へ通じるような面白い発見がたくさんあって、制限されない食べ方の醍醐味のようなものを感じました。何を行っているんだという感じですが、少しミールスに通じるものがあると思います。

ところで目黒駅からkabiへ向かう通りには、神社やアンティークショップ、はたまた小道具屋さんなどもあり、歩いているだけで楽しかったです。少し足を伸ばせば庭園美術館も目黒シネマもあるし、POMPETTEのような良いビストロもあってコンパクトで良い街だなと思います。季節に応じてまた伺いたいです。

旬菜 おぐら屋

頑張っていた資格試験に合格したので、お祝いと称してちょっと贅沢したいなと思い、気になっていたこちらへ。

カキフライと柴漬けのタルタル。衣がおかきのような食感でサクサクしていて香ばしい。

気前の良い量のあん肝。冷凍じゃないあん肝って地元でしか食べられないと思っていたから嬉しかった。

海老しんじょと生麩。この日のコースの中で一番好きな料理でした。あんかけの出汁、ほわほわの海老しんじょの食感、どれもとても良かったです。

さつまいもの土鍋炊き込みご飯。食べきれない分は持ち帰りにしてくださって助かりました。翌日でも十分粒が立っていて美味しかったです。

全体的にお酒の肴として楽しめる料理が多く、日本酒と合わせて楽しくいただきました。店内も肩肘張らず楽しめる空間で、のんびりできて良かったです。

エーグルドゥース

今年のクリスマスケーキはエーグルドゥースのケーキにしました。クリスマスケーキは食べきれないホールケーキが朽ちていく姿に胸を痛めて以来、毎年好きな種類のものを1人1ピース形式にしています。

今年は私が仕事だったので夫が選んでくれたのですが、買ってきてくれたフランボワーズのケーキもピスタチオのケーキもどちらも大好物で嬉しかったです。もちろん半分ずつにして食べました。

来年も笑顔でクリスマスが過ごせますように。

 

番外編

美容室で出された雑誌が分かられている感があって笑ってしまいました。

付き合いの長い美容師さんが東京にできたんだなと気づき、少し感慨深かったです。