東京で暮らす女のとりとめのない日記

暮らしとカルチャー、ミクスチャー

美味しい暮らし #6月編

6月。やっと外出自粛要請が解除になり県外移動も可能になって、少しずつ元の生活に近づく過程を手探りしていた月という印象でした。完全に元の生活には戻れない中で、何を自分の行動様式としてマルをつけて、何をバツにするのか。
ひとまず外食をする時は、お店に並ばないことや混まない時間帯を狙っていくこと、風通しのよい店舗を念頭にお店へ足を運び、携帯用のアルコールスプレーを持参してこまめに消毒をするようにしています。何が正解かわからないけれど、自分の考えと行動に責任を持って、心が潰れないように趣味を楽しめる範囲を模索していく。
4・5月はずっと外に出れないこともあってお取り寄せや自炊に勤しんでいましたが、やっぱり外でご飯を食べたり映画を見たりすると、いい気分転換になってほっとしました。

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ダニエル カヌレとうなぎの寝床

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夫の出張土産第1弾、ダニエルのカヌレとうなぎの寝床。ダニエルのカヌレは兵庫出身の同期に聞いてからずっと食べてみたかったお菓子なので嬉しい!ちなみにうなぎの寝床はネーミングセンスに惹かれて買ってきたらしい。
カヌレはカリっとふわふわタイプで新鮮。私は親の仇ぐらい外側がガリガリに焼き込まれたカヌレが好きだけど、ダニエルの方が食べるシーンや人を選ばない印象があるかも。付き合いの浅い人へお土産で贈ると言われたら圧倒的にダニエルに軍配があがると思う。色々なフレーバーが楽しめるのも、一つ一つが小さいので罪悪感なく食べられるのも良い。あとうなぎの寝床がふざけた名前の割に結構美味しくて、ギャップがずるいな〜という印象でした。
いつか兵庫に行ったら神戸で(同期曰く横浜と変わらないのことだったけど、それは見てみないとわからないし)旧建築やお菓子屋さんを巡ってみたいので、いつかまた移動ができるようになりますように。あと兵庫出身の人たちが口々に推す、いかりスーパーという神戸版成城石井みたいなお店に凄く興味がある。別の神戸出身の同期は成城石井とは全然違うと言っていたけど、そんなプライドを県民に持たせるスーパーとは一体なんなの、面白すぎる。もう年単位で関西方面への旅行は諦めているけれど、もしまた西の方へ行く機会があったら開拓してみたい限り。ご当地スーパー大好き。

551 肉まんと焼売

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夫の出張土産第2弾、551の肉まんと焼売。2年前くらいに関空で食べたぶりだけどやっぱり美味しかった。たまに都内にも出店しているのは知っているけど、やっぱりお土産でもらえると特別感があって嬉しい。
551はその昔に文楽太夫の付き人をやっている知人に大阪土産で貰ったのがきっかけで知ったのだけど、そのせいか食べる度に彼女のことを思い出す。バンビのようなクリッとした目にショートカットが似合う線の細い人で、芸能人と見紛う麗しさ。しらふの状態だと澄ましていて取っつきにくいのに、お酒を飲むと豪快で甘えたになるのがめんどくさくも可笑しくて、年上ながら可愛い人だなと思っていた。不思議な引力が働いていた人。元気でやっているといいな。

オキーフのキャロットケーキ

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祖父の見舞いへ行った帰りに立ち寄ったカフェが素敵でした。祖父は思ったより元気そうで一安心。しかし、今できる背一杯のことをしたと思っても、時間が経つともっとできたことがあったのではないかと思ってしまう。介護だって、遠くにいてなかなか様子を見れない私より専門家に任せた方がいいのは百も承知だけれど、正しさとは別の方向で考え込む。
答えの出ない禅問答のような問いをぐるぐる回しながら落ち着くために近くにあったカフェへ。お店は海岸沿いの住宅地にあって、店内には建築や料理、哲学や文学の本などが揃えられており、気に入ったら購入することもできる。おそらく店名は画家のジョージア・オキーフから。
キャロットケーキはフカフカのにんじんケーキという風情で柔らかく、素朴で美味しかった。真っ白な店内と、目の前のケーキ、紅茶の湯気を眺めているだけで落ち着く。四散していた考え事を頭の中のおくべき場所へ置いたら、パニックにも似た焦燥感と罪悪感が和らいだ。このお店があって本当に良かった。今考えてもどうにもならないことはある。
あちこちを見る余裕が出てきたので、お店の中をぐるっと一周して気に入ったアアルトと建築学に関する本を買って帰った。お店で過ごした時間はわずかだったけれど、このお店の地域とどうかかわりたいか、どんなものを提供したいかという思想が感じられてとても居心地が良かった。小さなカフェから発信される文化はどんな実を結ぶんだろう。いつかまた行けたらと思う。


Venchi  ピスタチオのチョコレート

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美容室に向かって松屋通りを歩いていると、曲がり角にひときわポップに光るお店を見つけて足を止めた。壁一面に吊り下げられたイミテーションのジェラートが光を受けてキラキラと反射し、お店の前では大学生と思しき女の子たちが斜め45度の角度にスマホを掲げて写真を撮っている。微笑ましくて可愛いな。こういう女の子たちを見ていると素敵なものを見つける天才たち、と思う。
そんな光景を眺めていて、そういえば美容師さんはチョコレートが好きだったな、ということを思い出したのでここのチョコレートを差し入れることに。もう3年以上の付き合いになる彼女に髪を切ってもらう楽しみの一つが、美味しいお店の情報交換をすること。先日教えてもらったイタリアンが本当に美味しかったので、そのお礼を兼ねていくつかチョコレートを選びました。
途中、ピスタチオを使ったチョコレートをいくつか見つけたのでそれは自分用に。小学校2年生の時に、母が取り寄せたクリスマスケーキを食べて以来ピスタチオの熱狂的なファンなので、ピスタチオという名のつくお菓子は見つけるととりあえず買ってしまう。叶うならいつか生産国として有名なイランに足を運び、ピスタチオのクリームコロネを現地で食べてみたい。
美容師さんへチョコレートを渡し、つやつやになった髪の毛と緑色の銀紙に包まれたチョコレート菓子を携えて帰宅した後、いそいそとソファに座り買ってきたチョコレートを手のひらに乗せると、銀紙に白色蛍光灯の光が反射してキラキラと輝き、チープで可愛いジュエリーのよう。ペリ、と丁寧に包み開けて口に入れると、甘いチョコレートの中にピスタチオが香って美味しい。残りは冷蔵庫の中に保管して、6月前半の仕事が辛い時期にたくさん助けてもらいました。


鈴懸 和菓子色々

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友人に頂いた鈴懸の水羊羹と麩饅頭、それからわらび餅。この日は久しぶりにランチをする約束だったのだけど、本当に会えて嬉しかった!お互い待ち合わせ場所の遠いところから小走りで駆けより、会いたかったよ〜と抱き合って感無量でした。
夫のことは大好きだし一緒にいて飽きないけれど、やっぱり気の置けない友人たちとの時間は何にも代えがたい。今仕事で頑張っていること、最近とった資格、今後のキャリアについて、結婚後の心境の変化や相手の恋愛事情、最近気になっているコスメ、行って良かったキャンプ場。話が尽きなくて本当に楽しかった。
頂いた和菓子は一緒に頂いた丸八製茶場のほうじ茶を淹れて夫と半分こにして食べました。

チャイブレイク マサラチャイとマフィン

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車を走らせて三鷹まで来たついでに井の頭公園で夫とデート。散歩のお供にチャイとマフィンをテイクアウトして散策しました。ずっとここのチャイを飲みたいと思っていたので嬉しい。お茶の渋みとミルクのバランスが調和していて、スパイスは多く入れていないはずなのにきっちり印象に残るチャイ。配合の妙という印象で、これらを都度再現するなんて凄い。自分で作るとつい日和ってお砂糖少なめ、スパイス適当チャイにしてしまうけど、きっちり甘くしてスパイスの配合も計算した方がやっぱり美味しいんだよね…
あとマフィン!散歩途中に低血糖になるのを防ぐために買ったのだけど、これが久しぶりに自分好みの外側ほろほろ中しっとりのマフィンで嬉しかった。昔千川に「mufmuf」というめちゃくちゃ美味しい紅茶と絶品なマフィンを出すお店があったのですが、そこのマフィンとすごく似ている。あのよくありがちなボソボソマフィンじゃないんだよ!もうあんな美味しいマフィンには出会えないと思っていたので嬉しかった〜。
ところで以前インドに長期滞在していた夫曰く「現地のチャイと同じ味がする」とのことでした。ほんまかいな。
f:id:lesliens225:20200720160241j:plain公園の池には生まれたばかりのカイツブリの雛がいてとても愛らしかった。なんだかんだ1時間くらい夫と愛でていた気がする。チイチイ鳴いて一生懸命母親を追う姿よ。
なんだかんだ井の頭公園は初めてだったのだけど、予想以上に広くて歩きがいがあって楽しかったです。

 夫の誕生日祝いでお寿司

結婚して2回目の夫のお誕生日祝い。何がいいか聞いたら「うーん、寿司!」とのことだったので、前々から行ってみたいと思っていたお店を予約しました。清潔感のある店内、季節感のある一輪挿し、一枚板のまな板に、木製の冷蔵庫。清廉としたお店の佇まいに、自然とこちらの居ずまいを正されるような良いお店。

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エビの昆布締め、ほんっとうに美味しかった…家でやるのと全然違う(当たり前です)。火を通してレアの状態にする技術の素晴らしさ、そして昆布の旨み成分に海老の甘さが全然負けていない。ちょっとわけがわからなくて、お腹がいっぱいになっていなかったらもう一回食べたかった。

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一口で食べきれない大きさの気前のいい穴子。フワッフワで香ばしくて、少し甘いタレがほどけたシャリによく絡んで美味しい。

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見た目と裏腹に口に含んだ途端シュワっと泡のように消えていく卵。おそらくメレンゲ状にしているのだけど、あまりにも儚い。この卵をお布団にして眠りにつきたい。酔っ払って写真を撮るのを忘れてしまったけど、出される酒器もそれぞれ美しくて良かったです。
どのネタもつまみも素晴らしく印象に残っているのですが、その中でも共通してシャリの印象がすごく良かった。始めは一瞬固めに握られているのかなと思ったのですが、噛み進めると丁度いい塩梅でホロリとほどけていって目を見張ります。穴子の時はのっけからほどけていたのでネタによって力加減を変えているのでしょう。外連味のない、誠実に美味しさを探求していった人が作り出す美味さに痺れました。
お店のしつらえもお寿司もうつわも一部の隙がなく、職人気質なんだろうなと思い始めは親方に話しかけずにいたのですが、「美味しい!」というとこちらをちらっと見てニコッとされ、そこからは少しずつ技術のことなどを教えていただけました。押し付けがましくなく、でも欲しい情報を適切に下さって、その距離感がとても心地良かった。後からもう一人、初めて江戸前寿司を食べるという青年が来たのですが、彼がそう言うと親方は要所要所で小ネタを挟んでいて、お客さんに合わせて接客の様式を変えられている姿にグッときました。
お店を出た帰り道、ずっと夫が「美味しかった!」と言っていて大満足。このお店で夫のお誕生日をお祝いすることができて本当に良かった。いつか子供ができたらこうした贅沢もできなくなるかもしれないけれど、こうやって美味しいものを食べて幸せな気持ちで夜道を二人で歩いた想い出があればやっていける気がします。
流石に毎月は連れて行けないけど、夫が喜ぶことなら可能な限りしてあげたい。今は金銭面では夫に支えてもらっている部分が大きいので、早く同じ年収とはいかなくても片方に何かあった時に支えられるだけのお金は稼げるようになりたいな。ひとまずは来年も夫の食べたいものをご馳走できるように、仕事で成果を出していくぞ。

おまけ 夫が作ったゴーヤチャンプルー

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 最近夫が作れる料理のレパートリーが増えてきた中で、一番気に入っているのがゴーヤチャンプルー。どんな風に作っているのか確認しに台所へいったところ、ゴーヤの入ったボウルがデンジャラスな形になっていたので思わず面白さが優って写真を撮りました。危なかった。
しかし夫が料理をしている姿を見ていると、身長が高いこともあって腰が辛そうなのがどうにも心苦しい。何かいい手段がないものかと頭を悩ませている今日この頃です。