東京で暮らす女のとりとめのない日記

暮らしとカルチャー、ミクスチャー

美味しい暮らし #10月編

本来であれば今月は挙式をするはずだったものの、感染症のことを考え式も披露宴も延期にしました。候補探しが振り出しに戻り、両家の橋渡しに奔走して少し疲れた月。
これまで幸いなことに義実家の干渉を受けることなく、結婚したとはいえ以前と変わらない生活を送っていました。ところが式についての打診をしたところ、まぁ凄く口が挟まれる。「うちの嫁なら」が終始ついて周り、彼の家の付属物として認識されているのかと理解するのに時間はかかりませんでした。夫が「干渉しすぎだ」と釘を刺したものの、自由な個体としての私に何か奇妙なラベルが知らない間に貼られていたような違和感は消えず、帰りの車内ではしばらく悶々としていました。
家族だけ挙式に参加してもらう形になったのも「節約になって良かった」としか思っておらず、美容も自己満足できる程度にお金をかければいいかと思っていたのですが、〇〇家の花嫁としては残念な部類らしく「エステはやらないの」「ドレスが着れないなんて」「可哀想ね」と言われ首をかしげるばかり。可哀想かどうかなんて本人の心ひとつなのに。
結婚したからといって味方が増えるわけではないし、血を分けた家族ですら分かり合えないことをこれまでも理解していたつもりでしたが、改めて腑に落ちました。今後この人たちに耐えられなくなったとき、私は離婚という選択肢を選べるように働いていかなくてはならない。短絡的ではありますが、そんなことを思います。
結婚について考えるとき、山田うん氏の舞台で見たストラヴィンスキーの結婚をよく思い出します。血と血の契約、生贄のような花嫁、無邪気な新郎、善良であることを信じて疑わない親族たち。それから以前学生時代お世話になった指導教官に結婚の報告をした時に「昔は結婚した女はフェミニストにあらずと言われたこともあったけど、結婚しても学び続ける限り学問はあなたの味方ですから頑張って」と言われたことも。
今はこのような違和感と一つ一つ向き合い、学んでいく時期なのかもしれません。そしていざとなったら学問の道を志した先輩たちのように、何もかも投げ捨ててそれに向かう選択肢もあるのかもしれない。今はその足場を作る時期だと思って働き、学び、時折美味しいものに心癒される日々を送っています。

 

外で食べたもの 

Bar werk

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明治神宮が鎮座百年記念ということで記念のナイトアートを見に行った帰り道、以前から気になっていたBar werkへ。明るく清潔な店内にはスタンダードなウィスキーから珍しいクラフトジンまで無数のお酒が所狭しと並んでいます。おすすめはナチュラルワインとのことで、柑橘感があるものをお願いしました。

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メニューにのっていたマロンケーキが美味しそうだったので一緒に。素朴な甘さの生地で美味しい。
店内には大学生らしいお嬢さん二人組と年配の女性がそれぞれ思い思いにバーを楽しんでいて良い光景でした。バーテンダーのお兄さんは口数少なく穏やかで、一つ一つ丁寧に仕事をされており、安心してのんびりお酒を楽しむことができます。途中混んできたので他の方に席を譲ってお店を後にしようとしたところ、わざわざ寒い中外に出て見送ってくださり恐縮でした。
オーセンティックなバーとはまた趣が違いますが、気取らずカジュアルで普段使いできるような場所。少しジャンルは異なりますが、フードが多種多様でお酒が美味しく使い勝手が良いという点で、曳舟のBeeに似ているなと感じました。あそこもまた行きたいな。

モンマスティー

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疲れからか写真がボケてますね。原宿で用事を済ませてそのまま千駄ヶ谷駅に向かう途中、気になるティースタンドを見つけたので立ち寄ってみました。
ホットのモンマスティーをお願いしたのですが、香り高く渋みが一切ないミルクティーで予想以上に美味しい。こんな完璧なミルクティーに出会えるなんて、なんだか今日が特別な日のように思えます。仕事で疲れた時にこんなティースタンドが近くにあったら励まされるのになと思いつつ、またこのあたりを立ち寄ったら行こうと心に誓ったのでした。

 

お茶工房 富士園

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思い立って朝霧高原へ向かい、涼しい高原の風に癒された日。高原の一角にお茶屋さんがあったので一休みすることにしました。玉露がまろやかで美味しくて、旅の疲れが吹き飛びます。自宅用に購入した和紅茶もなかなか面白い味がして良い。朝霧高原に立ち寄った際にはぜひこちらにも足を運ばれることをおすすめします。

ランビアンスドゥース

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上野でロンドンナショナルギャラリー展を見た後に頂いたランチ。食べることが好きな友人が上野でランチをするならここ!と太鼓判を押していたことを思い出して行ってみることに。ランチメニューがいくつかある中で、私は豚肩ロースのグリエ、夫はステークアッシュを頼みました。始めに出てきたサラダのクオリティが異様に良くてびっくり。キャロットラペはクミンが香って特に美味しかったです。

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付け合わせにと出された自家製のパン。払った価格に対してサービスが良すぎて、こんなにつけて大丈夫なんですか!?といらない心配をしてしまう。

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メインの豚肩ロースのグリエはちょうどいいミディアムで火入れ加減が好みでした。しかしボリュームが凄まじく全て完食ができず、泣く泣く夫に手伝ってもらうことに。ステークアッシュはマスタードソースが爽やかで、こちらもとても美味しかった。沢山食べることに自信がある人はぜひ行ってみてほしい。きっと満足できるはず。ちなみに自家製のシャルキュトリーも美味しいらしいので、また来る機会があれば今度は夜に行ってみたいなと思うなど。

作って食べたもの・取り寄せたもの

uneclef

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友人から「買いすぎちゃったからもらって〜」と送られてきたユヌクレのレモンケーキ。これが予想していた以上に酸っぱくて美味しかった!生地にもアイシング部分にもみずみずしいレモンの酸味が感じられ、一口かじるだけで目がさめるようです。現在は通販のみされており、販売日になるとInstagramで告知をされているそう。柑橘系が好きな人にはぜひ食べてもらいたい美味しさです。まだしばらくは気軽に出歩けない状況ですが、豪徳寺にも気になるお店が増えてきたので、落ち着いたら友人に会いにがてら遊びに行きたいな。

松屋 深山栗しぼり

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毎年楽しみにしている銀座三越のマロンフェア。例年通りすやの栗きんとんを買うつもりだったのですが、なんとなく気になって今年は中松屋の栗しぼりにしてみました。これが本当に美味しくて!口に運んだ途端、馥郁とした栗の良い香りが口いっぱいに広がって、あまりの美味しさにジタバタしそうになってしまう。味はほぼ栗そのもの、しかし食感はそれをはるかに凌駕する繊細さ。富豪だったらこれを買って道ゆく人に配り、この美味しさを分かち合うのに。財力がないことが恨めしい。聞くところによると岩手では有名な銘菓で、県民であればほとんどの人が知っているそう。長い間東北に住んでいたのに、なぜ今まで出会えなかったのか…
若い頃は祖母が「これ美味しいのよ」と勧めてくれた栗きんとんの良さも、母が気に入っていたお店のモンブランも何がいいかさっぱりわからなかったのですが、年を重ねるにつれて良さがわかり、栗のお菓子がとても好きになってきたことを実感しています。そしてそれと比例するかのように、デセールやパフェは食べられなくなってきていて切ない。羊羹が至高と言うようになるのも、そう遠くはない気がします。



いくらの塩漬けと醤油漬け

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今年、かねてより挑戦したいと思っていたいくらの醤油漬けと塩漬けに挑戦しました。レシピはいずれも樋口直哉さんのものを参考に。調味料のおかげとはいえ、自分で作る醤油漬けはこんなにも美味しいんだ!という感動がありました。日本酒のアテとして大根おろしに乗せてみたり、はらこ飯を炊いてみたり、白米に乗せていくらご飯を楽しんだりと、沢山楽しむことができて大満足。仕事がしんどくて仕方がない時も、冷蔵庫にいくらの醤油漬けがあると心に余裕があってなかなか良かったです。

マッシュルームとルッコラのサラダ

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時々無性にルッコラが食べたい日があって、そんな時はよくこのルッコラとマッシュルームのサラダを作り無心で食べることにしています。レシピというレシピはなく、ただ切って盛り付けてドレッシングをかけるだけ。ドレッシングはその日の気分で変えます。
自分がいつからルッコラが好きになったのか記憶は定かではないのですが、先日実家の母が私が学生の頃夜食のサンドイッチに家庭菜園で育てたルッコラを挟んで出していたということを聞いて、それかと腑に落ちました。母も年なので、自分が影響を受けているであろう彼女のレシピを今のうちに聞いておかないとと思う今日この頃です。


過去の記録はこちらから

lesliens225.hatenablog.com

旅行記にも食べたものを載せています。今後追加していく予定です。

lesliens225.hatenablog.com