東京で暮らす女のとりとめのない日記

暮らしとカルチャー、ミクスチャー

美味しい暮らし #11月編

あけましておめでとうございます。11月の記事を書こう書こうと思っている間に年が明けちゃいましたが、どうぞ引き続きお付き合い頂ければ幸いです。我が家はお家でのんびり年越ししました。今年は初詣には行かず、おせちも作らないと決めたので気楽でいい。夫は年越し用に風の谷のナウシカの漫画を買っていて、年の瀬からずっと夢中で読んでいました。自分が好きだったものを相手も夢中になってのめり込んでいる姿を見ると嬉しくなりますね。私もお茶を飲みながら図書館で借りてきた本を消化し、時々頂き物の果物を食べるなどして気ままに過ごしています。Spotifyで2020年によく聴いた音楽を流していると、BLACK PINKからD'angelo、Robert GlassperにJarrod Lawsonというラインナップでした。

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特に一番よく聴いたのがD'angeloのI Found My Smile Again。相変わらずファンクやソウルが好きです。BLACK PINKは曲そのものよりRoseの声が好きで聴いています。昔のカーディガンズっぽいシャビーな声質がいい。年をとるとだんだん新しい音楽を探さなくなっていきますが、Spotifyを契約してからまた興味のあるアーティストが増えてきました。2021年も良いアーティストに出会いたいな。
11月は新しい結婚式場探しと仕事に奔走した月でした。若干燃え尽き気味になりかけた月で、そのせいか体調を崩すことも多かった気がします。もういい大人なので力の抜き方を覚えたい。確か中学生の頃は目指す大人像がYOUだったよなぁと思いつつ、我が身を振り返るとそのギャップに笑ってしまいます。適当で飄々とした大人に依然として憧れはあるものの、自分の根の部分は変えられなさそうなので上手く折り合いをつけていく方向性でハンドリングしていきたい。大人になるということは自分のイケてないところを乗り越えることと思っていましたが、むしろその自分でやっていくための技術を持つことなのかもしれません。

神楽坂 BAR燐光

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神楽坂で用事を済ませた帰り道、身体が冷えていたので少し暖まってから帰ろうと何年かぶりにBAR燐光に。身体が泥のようだったので、現実から1センチ離れられるようなものを飲みたいと思いラベンダーのジントニックをお願いしました。気分にあった1杯が必ずある安心感に肩の力が抜けていきます。
店内には初めてと思しきお嬢さんがふたりいて、少し緊張しながらオーダーしている様子に昔の自分を重ねて懐かしくなりました。Bar werkに行った時も思ったことですが、クリーンで安心して使えるバーがある街はいい街だなと思います。オーセンティックバーも好きですが、最近はこのくらいの温度感のお店が気分に合っている。
置いてあるフィンガーフードの手軽さもいい。門前仲町オーパにあるフライドポテトや銀座のサンボアビーフカツサンドといったがっつり系も良いですが、こちらはこちらでサッと使いたいシーンに寄り添うラインナップで潔い。店を出て、店頭に貸し出し可能な図書が並んでいるのを眺めながら神楽坂が身近な風景から遠くなったことを感じつつ、暖まった身体とラベンダーの余韻に満足して街を後にしたのでした。 

鎌倉 maison de lulu 

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鎌倉のHeming Artsへ大好きな作家さんの器が入荷したという報せを受けてお店へ行った日。目当ての器を買い、包んでいただいている時にお店の人と鎌倉の美味しいお店で盛り上がり、その時にここのフィナンシェが美味しいと教えてもらったのでその日に行ってきました。お店は祖餐の隣にあり、こぢんまりとしたショーケースに焼き菓子を中心としたお菓子が綺麗に並んでいます。この日はフィナンシェにシュークリーム、チーズケーキを購入して帰りました。
フィナンシェはバターがたくさん染みていて豊かな味わい。リベイクすると端がカリッとしてまた違った美味しさが楽しめます。どのお菓子も一口大の大きさで罪悪感がないのも嬉しいです。一口大の大きさの商品が多く手頃な値段設定なのは、オーナーが普段使いしやすいお店を目指してとのこと。そのせいか地元の人たちが代わる代わる訪れていて人気な様子が伺えました。私はシュークリームが好みでしたが、夫が気に入ったのはチーズケーキらしく、また鎌倉に行ったら買ってこようと思った次第です。

浅草橋 ル・グッテ

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たまたま浅草橋の方へ行く用事があり、神社の裏道を通ったところ素朴な焼き菓子やさんがあったのでプリンを購入して帰ってきました。プリン自体は素朴な甘さ、生クリームにちょっと洋酒が効いていて美味しい。何より店頭のおばちゃんたちが朗らかに働いていている姿が印象的でした。
後から調べたところ木曜と金曜だけ営業されているとのこと。地元らしき人がひっきり無しにお店に来てはお菓子を購入されていき、愛されているのだなとあたたかい気持ちになりました。 こういった地元の人たちが大切に育てているお店があるとしみじみいいなと感じます。その日は売り切れていましたが、マフィンやカヌレも美味しいらしいので機会があればまた伺いたいです。

代々木公園 FUGLEN TOKYO

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結婚式の打ち合わせの後代々木公園を散歩して帰るついでにFUGLENへ。肌寒い時期にコーヒー片手に公園を散歩するのが好きです。
代々木公園のバードサンクチュアリでふくら雀とヤマガラを眺めていたところ、隣にいた常連と思しき男性がスッと宙に人差し指を伸ばし、そこに鳥たちがかわるがわる羽を休めにきてびっくり。思いの外野鳥が多かったので、今度は双眼鏡を持ってこようと思いました。
自粛要請期間中に散歩をするようになり、その時に陽の光を浴びて輝きながら華麗に舞うカワセミや、緑道で人に警戒心を抱くこともなく穏やかに日向ぼっこをする鴨の番をみてからバードウォッチングが趣味となりつつある今日この頃。健気に生きるものを見ていると穏やかな気持ちになり、自分が歳をとったことをしみじみ実感します。来年もちいさきものたちを静かに愛でていきたいです。

京橋 ダバインディア

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珍しく午前中休日出勤だった夫と待ち合わせて久しぶりにダバインディアでランチミールス。私がテレワーク中心になってしまってから会社帰りの夫と待ち合わせることが殆どなくなってしまったので、この日は嬉しさからはしゃいでしまい笑われるなどしました。幾つになっても夫と待ち合わせをしたい。
私がミールスを好きになったきっかけの一つがここのランチだったのですが、改めて来てみると結構ランチは日本人向けに調整されているのだなと気づくところがありました。おそらく最後に来てから2年以上経っていますが相変わらず美味しい。来年もたくさん南インド料理を開拓したい限りです。


鎌倉 フォーカットゥン

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夫と鎌倉に結婚式場の下見へ行った帰りに偶然見つけたこのお店。11月に食べたものの中で一番印象に残ったお店です。この日は季節限定のブンチャーがあるということで私はそれを、夫は牛肉のフォーを頼みました。

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これがもうとっても美味しかった!付属のタレをかけるタイプのブンチャーで、辛いのと甘いのと酸っぱいのにいろんな具材の味がしてこれぞベトナム料理。あの味を食べたい欲を100パーセント満たしてくれます。トッピングされているネムザンという揚げ春巻きも皮がカリカリできちんと美味しいし、ベトナムなますの食感もいい。
夫のフォーも分けてもらったのですが、スープも麺も今まで食べたフォーの中でずば抜けたうまさで一口飲んでひっくり返りそうでした。澄み渡っていて一切濁りがないスープ。これを食べるためだけに鎌倉にくる価値があると言っても過言ではありません。店員さんに聞いたところスープは化学調味料を一切使用していない牛骨ベースの出汁を使用しているとのこと。旨味とコクと香ばしさのバランスが素晴らしく、いくら飲んでも飽きない。このお店が近所にあったらいいのにとすら思います。

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まさかこんなに誠実な美味しさを提供するベトナム料理屋さんが鎌倉にあるとはおもわず、とても嬉しくなりました。通し営業をされているので、お昼ご飯を食べ損ねた時も頼りにできるのが嬉しい。バインミーを販売する日もあるそうなので、次はそれを食べに来たい。どうかこの地域に根付いて欲しいと願わずにはいられないお店でした。

喜久福 生クリーム大福

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昔から大好きな喜久福の生クリーム大福。仙台銘菓といえば萩の月が有名ですが、こちらもおすすめ。出先の催事場で見かけたので久しぶりに買ってきました。冷凍系の餅菓子は歯が折れるくらい固い状態でちびちびと齧るのが好きです。受験生のとき、家の冷凍庫から持ち出しては自室でストーブにあたりながら齧っていた日を思い出します。新しいお菓子を開拓する楽しみもありますが、これまで愛着を持って親しんでいたお菓子には落ち着くような良さがあり、変わらない味というものに安心感を覚えるようになりました。
他に東北の銘菓で好きなのが青森の気になるりんごに岩手のごま摺り団子、山形の乃し梅と秋田の金萬、そして福島のエキソンパイままどおる。気軽に出かけられる日々がまた訪れたら東北の美しい景色と美味しい料理を食べに行きたい。それまではこうしたお取り寄せで懐かしもうと思います。

里芋と生姜のポタージュ

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尾道のLOGでいただいた里芋と生姜のポタージュが忘れられず自宅で自作したもの。寒くなってくると野菜のポタージュが鍋にあるだけでどことなくほっとします。LOGの料理はあまりにも素晴らしく、帰ってから細川亜衣さんのレシピをよく作るようになりました。その中でもパスタミスタは簡単にできて素材の妙というようなうまさがあり、体調が悪い時によく食べた料理です。

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今年行った旅行先で一番良かったと言っても過言ではない尾道。LOGの部屋から見える尾道水道はいつもきらめていて、いつまでも眺めていたいと願うほどでした。

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まだ京都旅行のブログも途中ですが、尾道旅行記もいずれ書きたい。志賀直哉の暗夜行路を携えながら歩いた尾道の風景や行く先々で出会った水先案内人のような猫、美しい瀬戸内海の夕暮れにLOGでの一片一片がきらめくような生活、東京物語の撮影場所を巡り過去の人々の想いを考えた瞬間。あの想い出に生かされているようなところがあるとさえ思う今日この頃です。

 白ごはん.com   水炊き

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夫が作ってくれた白ごはん.comの水炊き。お店で食べるみたいに美味しくてまた作って欲しいとお願いしました。2日目のくたくたになったキャベツが特に美味しくて好きです。

しめはレシピ通り雑炊でもよし、我が家ではマルタイラーメンを入れてしめにすることもあります。

11月の後半から12月にかけては夫が仕事のプロジェクトで出張になり、平日は家にいない関係で一緒にご飯を食べることができませんでした。今までひとりご飯でも平気だったのに、夫がいないと何かを作る気になれず、改めて夫が私の生活の一部になっていることを実感した次第です。誰かと一緒にいることを知ってから一人になることは、その人を知る前の自分に戻るわけではないのだということを思い、これからの人生いつまで一緒にいられるのかはわからないけれど、一緒にいる限りは夫と過ごす時間を良い時間にしようと思うなどしたのでした。毎週末になるとくたびれきった表情で「会いたかったよ〜」と帰ってくる夫が少年のようで可愛かったのは本人には内緒にしておこうと思いつつ。

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lesliens225.hatenablog.com

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