東京で暮らす女のとりとめのない日記

暮らしとカルチャー、ミクスチャー

銀座 SHISEIDO THE STORE のアイブロウデザイニングが良かった話

アフターコロナのメイク事情

去年から感染症拡大に伴ってテレワーク生活が始まり、緊急事態宣言が発令されて会食や友人だちと会う機会も減ったことで、あれほど好きだったメイクもほとんどやらなくなった。やるとすればTeams会議で自分の顔が映る時か、Zoom飲み会をする時、あるいは外出をする時。自粛が要請される前は、デパートに買い物に行ったついでにコスメフロアをチェックして、新作のリップやシーズン限定のアイシャドウを見るのが好きだった。手元に輝くラメの粒子をみてはキュンとする時間。

それなのに、コスメフロアでメイクができなくなってからもう2年が経とうとしている。化粧品を触って手元で試すことすら御法度のように思えてしまって、新作の化粧品を見つけても横目で通り過ぎる日々。コスメフロアで、ああでもないこうでもないと言いながらそれを手に入れるプロセスが心底恋しい。コスメカウンターにいつも使っているメイク品を買いに行き「早く私たちもタッチアップしたいんですけどね!」と言う美容部員さんと、この状況に愚痴を言い「次に来るときは肌に触れるようになっているといいですよね」と別れるやり取りは、もはや祈りのようになっている。

タッチアップの時間から得ていた暮らしの潤い、と行っては大げさかもしれない。それでも日々の労働でくたびれ果てた顔が、タッチアップを受けることで「まだ自分のことが好きでいられるかも」と思える顔になり、少しだけ足取りが軽くなる日々が私には必要だった。

使われないままドレッサーに放置されている化粧品たちを見ていると胸が痛む。いつかこの子たちを使う日は来るのだろうか。どの色でまぶたとくちびるを彩るか悩み、マスカラが綺麗に塗れたかどうかで一喜一憂していた日々。部屋の片隅で採光を放つ化粧品を見ながらそんなことを思う。


アイブロウデザイニングを受けに行こう

そんなある日、眉サロンに眉毛を整えに行こうかと思って PCを開いていると、隣にいた夫が「俺も一緒にやりたいな」と言ってきた。「いいじゃん、一緒にやろう!」と探すも、有名どころの眉サロンは予約が取りにくく、しかも男性が受けられるところは限られている。2人一緒に対応してくれるところも少ない。

せっかく夫が美容に興味を示しているのだから、その最初の体験は最高なものであって欲しい。一体どうしたものか…と頭を抱えていた時に、ふと思い出した名前があった。銀座のSHISEIDO THE STOREだ。早速ホームページを開くと男性でもアイブロウデザインを受けることができるとあったので、すぐさま店舗に電話をして、夫婦で眉毛を整えに行くことにした。

thestore.shiseido.co.jp

当日の流れ

お店に入ると同時に店員さんがついてくれて、施術を受ける場所までアテンドされた。エレベーターで3階へと上り、受付で予約していた名前を告げて、荷物や上着を預ける。そのあとは受付の目の前にあるソファ席に案内され、担当者が来るまで待つ。清潔感があって非日常的な空間と、資生堂らしいホスピタリティあふれる接客にホッとする。5分も経たないうちにそれぞれの担当者が現れ、そのままメイクスペースへと案内された。


画像は公式HPから。

私たちの他に2名先客がいたものの、しっかりと感覚が開けられていて感染症の対策もバッチリ。夫の担当はショートボブの年配の女性。夫を和ませるように、これから施術する内容や男性もよく来ることなど、柔和な語り口で雑談をしてくれていた。私の担当はロングヘアでモードな私服に身を包んだ女性。マスク越しでも表情が伝わるくらいはっきりとした笑顔が印象的だった。

肩にケープをかけられながら、今日来たきっかけを尋ねられたので「気分転換に眉毛を整えたくて」と伝える。なりたい眉毛のイメージはありますか、と聞かれたので説明のためにいくつかスクショを見せた。毛流れがはっきりとして、少し上向きにカーブした意志のある眉。対照的に私の眉毛は薄く、下がり眉なことも伝えた。

「元々の形でこのスクショの眉毛をやろうとすると、毛流れが足りずに不自然に見えてしまう可能性があるので、ご自身の眉の形を活かしてお顔の雰囲気も見ながら、このイメージに近づけていくのはどうでしょう」

「ぜひそれでお願いします」

的確なアドバイスに二つ返事でお願いする。

「わかりました、一緒になりたい眉を作っていきましょう」

そうはっきり言ってくれる姿が頼もしい。同時にタッチアップをしてもらっていた頃の、なりたい自分を一緒に探していくプロセスが懐かしくてジーンとしてしまった。

時々書き方のポイントなどをレクチャーされたり、好きなメイクの話などをしながら、気づけばあっというまの15分。「できました、いかがですか?」という声とともに見た眉毛は、自分史上一番納得がいく出来だった。

アイブロウデザイニングを受けて

 ひと通りメイクを終えたあと、先に待っていた夫と合流する。声をかけて振り向いた夫の印象があまりにも良すぎて動揺してしまった。眉を整えたことで、より顔の輪郭がはっきりしている。眉毛ひとつで人の印象ってここまで変わるものなのかと驚きながら「すっごく素敵!」と伝えると、夫に付き添ってくれていた担当の方が「もともと綺麗な眉の形をされているので、私は少し手を加えただけなんですよ」と微笑まれて射抜かれてしまった。

丁寧に見送られたあと、外に出て夫に「どうだった?」と感想を聞く。

「すごく良かった。美容って自分を好きになる行為なんだね」

夫曰く、施術中の席は他の席と広く感覚が空いているので、他の女性を気にせずに過ごせたことや、担当者のコミュニケーションに齟齬がなく安心して任せられたことが、満足感に影響していたらしい。

「眉毛の形とか元々の顔立ちをひたすら褒められるって、こんなに気持ちがいいんだね。次はひとりで来てみようかな」

そう言って楽しそうな夫を見ていると私まで嬉しくなってしまった。これからは美容道をともに歩んでいこうではないか。

終わりに

初めてのSHISEIDO THE STOREでのアイブロウデザイニング体験、本当に受けてよかった。最近眉の描き方がマンネリ化している人や、メイクする楽しみを忘れてしまったという人、長らく化粧をしていないのでやり方をリハビリしたいにも強く勧めたい。

土日でも予約が取りやすし、思いついた時にふらっと立ち寄れる気軽さもいい。都内のアイブロウサロンの値段と比べてもお手頃だし、タッチアップ自体を受けたい、それ自体に料金を払いたいと言うニーズにも答えてくれるサービスだと思う。

今回メイクアップサービスを受けて、日々メイクのトレンドが進化する中で、プロの手を借りて小さなアップデートを取り入れると一気に顔の印象は変わるし、それだけでメイクは楽しくなると言うことを改めて思い出した。このサービスを通じて、当たり前に感じられていたメイクの楽しさにまた触れられたのも嬉しかったな。

度重なる自粛の要請に伴って対面で接客することが困難になってしまった現状で、それでもできることを探してスタイルを変化させていった美容部員の皆さんには敬意を示しつつ、一刻も早く彼らや彼女たちがお客さんの肌に触れられる日が来ることを願ってやまない。まだまだデパートのコスメフロアでタッチアップを受ける日が来るのは先になりそうだけれど、その日が来たら手元のラメに心をときめかせつつ、なりたい自分を追求する楽しさを存分に享受しようと思う。

 

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