東京で暮らす女のとりとめのない日記

暮らしとカルチャー、ミクスチャー

冬の福島旅#3 安達屋旅館のすばらしい朝食とプチ湯巡り

朝起きると時刻は6時。貸切内湯の「ひめさ湯り」の開放時間は6時45分まで。空いていますようにと祈りながら急いで内湯に向かう。入り口にたどり着いて、空いていることを示す札がかかっているのを確認し、ノックして誰も入っていないことを確かめる。札を入浴中に返すと、扉の鍵を閉めていそいそと着替えた。

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脱衣所にはヒーターがあってあたたかい。ドライヤーは部屋にあるものと同じ。アメニティは綿棒やコットン以外は一通り揃っている。

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洗い場は1つのみのこぢんまりとしたかわいらしい内湯。家族風呂というよりは、ひとりないし二人連れで使うのにちょうどいい広さ。シャワーヘッドはやや古いものなので、こだわりがある人は大浴場のほうがいいかもしれない。シャンプーやボディソープなどは大浴場と同じもの。

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湯船は小さいながらもしっかりとした深さがあって、首までどっぷりつかることができた。目の前が雪景色なのもいい。身を乗り出すと遠くの福島の街並みまで見えて、予想より展望がいいのもうれしいポイントだった。まだ薄暗い時間からお湯に浸かり、少しずつ白んでいく空を見ながらぼーっとする贅沢さ。

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お風呂から上がった後は無性に麦茶が飲みたくなったのでラウンジへ。キンキンに冷えた麦茶がとても美味しく感じる。

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そのまま夫を起こすために部屋に戻ると、山の向こうから朝日が昇ってきていい眺めだった。氷柱に太陽のあかりが反射してキラキラときらめく。

まだ朝食までは時間があるので、そのまま夫を起こして一緒に大気の湯へ。

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女湯から見えるミルキーブルーのお湯と赤くなっていく空のコントラストがいい。脱衣所に戻り、バスタオルをきっちりと巻いていざ朝の大気の湯へ。女性専用時間では無いので念のため夫に入り口近くの寝湯で待っていてもらったのだけれど、結局私と夫以外には誰も来なくてラッキーだった。朝の大気の湯は夜とはまた違った趣があり、とても気持ちがいい。

そろそろのぼせてきたねと出ようとしたタイミングで、女湯の方から様子を伺っているおばさん二人組と目があい、男の人いる?入っていい?とジェスチャー混じりに聞かれたので「私たち以外いませんよ、今混浴の時間帯なので入って大丈夫です」と説明する。それじゃあと入ってきた二人に会釈して先に出ていき、女湯側の寝湯で少し体を冷ますことにした。頭の際までぬるめのお湯に浸かる。小鳥のさえずりが聞こえ、思わずまどろみそうになってしまった。

そうこうしているうちにあっという間に朝食の時間になり、急いで会場へと向かう。

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朝食会場はライブラリーを併設したダイニング。写真では暗めに写っているけれど、実際は自然の明かりを取り込んだ気持ちのいい空間だった。ライブラリーにある書籍のラインナップもとてもいい。

ダイニングには大きな暖炉があって、薪がパチパチと音を立てていた。

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食後にいろんな人が入れ替わり立ち代わり暖炉前のソファでくつろいでいる姿を見て「わ、わかる…」と親近感を抱くなど。

ちなみに本来の朝食はバイキング形式らしいのだけれど、感染症対策のためにお重形式にしているとのことだった。ずぼらな性格なのでこっちで得した気分。

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木箱の中には冷奴とほうれん草のお浸し、お刺身に香の物、ローストビーフに小さな粉吹き芋、厚焼き卵に山葵漬け、そして鮭の幽庵焼き。サラダにはフレンチドレッシングかごまドレッシングが選べる。

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右手の小鍋には穴子柳川鍋が準備されていて、自分で卵を溶いて作るようになっている。お米は昨晩と同じ県産コシヒカリ、それからお味噌汁。甘味はオレンジジュースとマンゴーソースにグラノーラのヨーグルト。朝からとっても豪勢だ。

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もしお腹に余裕があれば、自家製の手作りパンをトースターで温めて食べることもできる。確かパンは丸いミルクパンとデニッシュ、クロワッサンの3種類だったはず。ジャムはなんと6種類。

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地元の農園が作ったというこのジャムがどうしても食べたくて、パンを1つだけいただいた。苺とラフランスとさくらんぼ。お皿のふちに並べたジャムがキラキラして可愛い。どれもフレッシュで美味しいジャムだった。

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他にもセルフサービスでコーヒーや紅茶をいただくこともできる。時間で入れ替え制ではあるものの、だいぶゆっくりできて嬉しかった。

食事のあとはいったん部屋に戻ってゴロゴロする。貸切露天が10時から予約できたので、時間までのんびりした。

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さて、時間になったのでこの旅で最後の湯浴みをしに貸切露天「薬師の湯」へ。フロントで部屋名を告げ、鍵を受け取っていざ出発。

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扉を開けると一面の雪景色。下駄、もしくは長靴を選んで向かう。この時下駄をチョイスしたものの、帰りの坂道を登るのにツルツル滑って脱げて笑ってしまった。思わぬハプニングも旅ならいい思い出。

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温泉の入り口には茅葺屋根の門があって、いかにも秘湯という風情。苔に積もった雪がいい。門をくぐってもう少し歩く。

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夏になるとこのあたりには水芭蕉が咲くらしい。水がきれいという証拠なんだろうな。

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そうしてついたのが薬師の湯。今回私たちが利用したのは二の湯のほう。元は一の湯が男湯、二の湯が女湯として使われていたらしい。

扉を開けると脱衣所があり、そこからは広々とした露天風呂が見えた。ちなみに冬季は凍結防止のためシャンプー類はなし。

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湯船は大人が4人は余裕で入れるくらいの大きさ。これを貸切なんて贅沢!

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見てほしい、この美しいブルーと水面に反射する太陽の光を。二人だけなので、浴槽の縁を枕がわりにして、両手足を広げてとっぷりと最後の湯浴みを満喫した。

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湯気が朝日に照らされてお湯の上をふわりと滑っていく様子が幻想的。ずっとこれを眺めていたい。

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風呂からは隣接する山の斜面が見えた。ゆきうさぎがいそうだね、と話しながら最後までのんびりと雪見露天を楽しんだ。

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部屋に戻るとだいぶ日が昇っていて、雪が反射して眩しい。チェックアウトの11時近くなったので、部屋を出てフロントへ。

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外に出ても全く身体が冷えず、身体からはまだ硫黄の香りがする。肌もびっくりするくらいツルツルになっていた。あぁ、本当にいい湯治体験だった。

余談だけど、今回女性専用時間の時に事前に「大気の湯」の構造を知れたのはとてもよかった。行ってみて気がついたけれど、身体を隠せるくらい深い場所に行くまではしばらく浅い場所を歩いて行かなくてはならず、ぶっつけで混浴の時間帯に行ったらうろたえていただろうなと。一応旅館では混浴用にバスタオルの貸し出しをしてくれているものの、身体のラインはがっつり出るし心もとないので、追加料金を払うからせめて白骨温泉のような湯あみ着があれば嬉しかったな。

そして女性専用時間が18時から21時までというのもなぜなのだろう?夕飯まではおじいちゃんの面倒を見て、そのあとおばあちゃんは温泉に入って…というニーズがあった名残なのだろうか。館内には外国人観光客を意識した張り紙などがあったし、海外の旅行客もスコープに入れているなら、尚更男女入れ替え制か朝も女性が入れる時間帯があればいいのにな。リピーターが根強そうな宿だったので急に変えるのは難しいのかもしれないけれど、色々な人に長く愛され続けてほしいのでぜひ頑張ってほしい。

それ以外は食事も頑張っているし、清潔感もあるし、ロケーションもお湯もサービスもいいし、駅からの送迎もあるので総じて考えるとかなり満足度の高い宿だった。風情ある湯治を楽しみたい人、日常の疲れを忘れて温泉に没頭したい人、温泉に入ってすべすべ以上のつべつべ肌になりたい人はきっとハマるはず。

次は家族も連れてきてあげたいなと思いながら、次の目的地を目指した。

Information

宿名:安達屋旅館
住所:福島県福島市町庭坂字高湯21
URL:http://www.adachiya.jp/access/index.html
備考:日帰り温浴あり、小学生以下の児童は利用不可(2022/2/3時点)

#4に続く

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