東京で暮らす女のとりとめのない日記

暮らしとカルチャー、ミクスチャー

美味しい暮らし #2月編と今後の更新のお知らせ

忘れられない2月になりそうだ。何をしていてもウクライナのことが頭をよぎって胸がざわつく中で、久しぶりに行った喫茶店のテーブルに飾られていたガーベラがかわいかったとか、そういうことにばかり助けられ、そんな自分を不甲斐なく思う。

 

・2022年2月のバレンタイン

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今年のバレンタインは初めて夫に手作りの焼き菓子をふるまった。夫にリクエストを聞いたところ、焼いたいちごのタルトがいいとの事だったので、タルト型を使わない方法でベイクドタルトを作った。私は完璧主義なきらいがあるので、そんな自分を自覚させられるお菓子作りというものが苦手だ。けれど、このくらいラフなお菓子だったら無理なくできることがわかったのはうれしかった。

思えば初恋の男の子にあげたのも、六花亭にあるフリーズドライの苺が入ったホワイトチョコだった。彼はそこそこモテたので、他の人と被らなくて飽きない味のチョコレートをあげたかったのだ。今思えば当時から私は相手の男の子より、味の方に興味があったのかもしれない。結局わたしの初恋は叶わなかったけれど、こうしてバレンタインデーに好きな人のためにいちごのお菓子を焼いていると不思議な感覚になる。夫もとても喜んでいたので、これからは毎年同じものを作ってもいいかもしれない。

 

・鮭と春菊、香菜のプロフ風

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あちこちのレストランを食べ歩いた結果、春菊は他の葉野菜と合わせることでその真価を発揮するということに気がついた。理由はわからないけれど、他の葉野菜と合わせるとその香ばしさがいっそう際立つのだ。外食をするとき、こうして目の前の料理から自炊のヒントをもらえることがいちばん好きかもしれない。

写真は早速自宅に帰って、ありもので作ったプロフ風の混ぜご飯。バスマティライスに刻んだ春菊とパクチーを同量、塩鮭をほぐしたものを少量のバターと一緒に混ぜ炒め、仕上げにナンプラーを回しかけてとびっこを散らしたもの。レシピもない名もなきご飯なのだけれど、これがとっても美味しかった!レシピ通り忠実に作るのも好きだけど、ひらめきでパパッと作った料理が美味しいと自分に対して誇らしい気持ちになる。

 

・ Cafe 634のモーニングプレート

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洗足池公園までサイクリングし、バードウォッチングをしてからずっと行きたかったCafe 634へ。以前お店が東銀座にあった時にファンになったものの、その後移転されてから距離が遠くなってしまったことで、長らく訪れることができなかった。お店は東銀座にあった頃よりラフなスタイルになっていて、使われているプレートなども変わっていたけれど、居心地の良さはその時のまま。モーニングの時間帯だったので、キッシュプレートとコーヒーをブラックでお願いした。夫はチキンときゅうりのサンドイッチ。一口もらったけれど、ディルのアクセントが効いていてボリューム満点の美味しいサンドイッチだった。久しぶりに調子に乗って重めの朝ごはんを食べたせいで胃痛が始まってしまったけれど悔いはない。

洗足池も大変良い公園で、のんびりと過ごすことができた。犬連れの家族が多いので、鳥を眺めたり犬を愛でたりと忙しい。歩いていると地名の表記が「洗足」と「千束」に分かれているので気になって調べると、元は千束と呼ばれていたらしく、その由来は稲の税金が免除されていたことによるとのことだった。諸説あるが、その後この地を訪れた日蓮が池で足を洗ったことから洗足に呼称が変わったと考えられているのが一般的らしい。

洗足池の周辺は坂道で、昭和中期に建てられたと思しき一軒家が多く目立つ。なんとなく街の雰囲気が田園調布に似ているなと思って調べたところ、どちらも東急不動産が同時期に開発に関わった地区であることを知った。

・アーンドラダイニング 銀座f:id:lesliens225:20220131224325j:plain

ミールス始めはアーンドラで。久しぶりにお店に行くと、ミニプレートなるものがメニューにあったので、ありがたくそれを注文した。ミールスは好きだけれど、どうしても残してしまうのがつらかったのでうれしい。特に在宅勤務になってからは活動量が減り、結果的に食べられる量が減ってしまった。このままでは悔しいのでなんとか食べられる量を増やしたい。周りを見ても、いつまでも健康な老人はみんな健啖家なので見習いたい限り。

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この日のメニューに含まれていたサーモンのスパイス焼きがとても美味しかった。クミンなどのスパイスでムニエル状に鮭を焼いたもの。おかずとしてもおつまみとしても良さそうだったので、家でも真似してみたい。途中、店の人たちがまかないを食べていたのだけれど、するすると鮮やかなてさばきで手食をしていたのが印象的だった。

・今後の記事の更新について

去年からずっと考えていたけれど、長らく続けてきたこの「美味しい暮らし」シリーズも、これで最後にしようと思う。元々は定期的に何かを書いてアウトプットする訓練として始めたけれど、今は書きたいことの方が増えてまとまらないくらいなので、ここで一区切りにすることにした。続けることで書く責任みたいなことも考えるようになり、書きたいテーマも少しずつ変わってきた。今後はこの記事のように、心から好きだと思ったお店を残していきたい。

美味しい暮らしシリーズは「暮らしと食」をテーマにしていたけれど、自粛期間を経て「美味しいとは何か」を考えれば考えるほど、まとめて感想を書くよりも焦点を絞りたくなってきた。これからはどこに行ったかよりも、なぜその味やお店に惹かれるのかを言語化して、それを誰かと分かち合えるような記事を書いていけたらいい。

同時に自分に対する批判の目は忘れず持っていたい。例えば今食事すらままならない人がいる中で「美味しいものは正義」と言い切ってしまう浅はかさ。今こうして過去の記事を振り返って見ても自分に対して恥ずかしいやつだと思うことがたくさんあるけれど、そう思えるようになった自分は少し好きだ。そういう意味でも、更新はやめても過去の記事は残し続けていこうと思う。

今私にできることは、生活をしながら時々彼らを思い出し、世界がよくなると思うことを考えながら行動することだけだ。この胸に生まれた感情を生活の中で我がものとして触り続け、忘却から抗おうとすること。それを私は安全圏でしているという辛酸を舐めながら、考え続けようとすることが自分ができる最良の行動だと感じる。

あなたにとってこの2月はどんな月でしたか?