東京で暮らす女のとりとめのない日記

暮らしとカルチャー、ミクスチャー

2022年 ゴールデンウィークの記録

4/28(木) ゴールデンウィーク前夜祭

本来なら有給だったはずが、仕事のトラブルで残業して結局退勤したのは夜の21時だった。これから夕飯を作るのもしんどいので、夫を誘って近所のコンビニへ。

コンビニに行くとガンプラが置いてあったので「ガンプラだ!」と言うと、夫ではなくレジの向こうにいた店員さんが「そうなんですよ!」と返事をしてきて驚いた。店員さんのガンダム愛を聞くイベントが突如として発生し、これも何かの縁だからということで購入する。

帰宅してコンビニのお惣菜を食べ、その後は自室で資格の勉強。疲れていたのか寝落ちしてしまい、目を覚ますと机の上に出来上がったガンプラが置いてあった。

4/29(金) ゴールデンウィーク初日

身体が疲れていたので、朝風呂に入ろうとお湯を沸かす。いくつかある小包装のクナイプから、タブレットタイプの入浴剤を選んで入れた。先日入浴剤を切らしたので夫にお使いを頼むと、小包装のクナイプをいくつか買ってきて「この中からあなたが気に入ったものを家に置こうよ」と提案してくれたのだった。生活を楽しくすること、そして相手を労わることが、この人は本当に上手だなと思う。

お風呂から上がった後はフィットボクシングを20分とリングフィットを1時間行って、プロテインを飲む。16時半から早稲田松竹で観たかった映画が上映されるので、それまで家で本を読んだ。

映画はとても良かった。一緒に観ていた夫と興奮しながら感想を語りあいつつ、雨の中を駅に向かって歩く。作品目は「ボストン市庁舎」。マリファナショップを出店したいチャイニーズと、地元住民(貧困地区で黒人が多い)の議論が特に印象的だった。

久しぶりにパンフレットも購入した

日本で同じように体力がある行政を立ち上げるにはどうしたらいいのだろうか、やはり非正規雇用として働く地方公務員をできるだけ正規職員として採用するところからではないだろうか...などと話をして帰宅。

4/30(土) ゴールデンウィーク2日目

朝起きてリングフィットを40分。シャワーを浴びて、結婚記念日を祝うために予約していたレストランへと向かう準備をする。クローゼットから紺のワンピースを取り出して、久しく出番のなかった黒のハイヒールを合わせた。夫は婚約した時に私から贈った時計を、私は夫から贈られた指輪をつける。

春の夢のような食事を終えて、ハーブティーを飲みながら「結婚して丸3年経ったけれど、どうだった?」と夫に尋ねると「いやー、楽しかったよ。なんでこんなに楽しいんだろうね」と笑っていた。周囲から結婚3年目は倦怠期があると聞いて怯えていたけれど、蓋を開けてみればなんてことはなく、豊かな日々が積み重なっていっただけに過ぎなかった。あえてレストランには結婚記念日ということを告げずにいたのも、なんとなく大仰に祝われるよりも、日々の句読点としてこの日を大切にしたいと言う思いがあったからかもしれない。

春の夢のようなご馳走

「子供ができたら記念日には手巻き寿司とケーキでお祝いになっていくのかな」と言うと夫が「それもいいね。でもこうしてまたデートもしようよ」と言う。家に帰った後は夫と毎年恒例の手紙交換をした。もらった手紙はいつも通り、六花亭の缶の中に大切に保管する。

その後はカロリーを消費するためにフィットボクシングを40分。もうさすがに着ないだろうと、ダウンコートをクリーニングに出した。

5/1(日) ゴールデンウィーク3日目

起床してリングフィットを30分。ヨーグルトを食べた後は、いくつか手持ちの靴を磨いた。カシミヤのニットといい革靴といい、私は手がかかる服飾品が性に合っているのだろう。

天気は霧雨。予定していたショートトリップは見送って、バッグのメンテナンスを依頼しに銀座三越へと向かった。すでに終売になったバッグだったので、対応してもらえるか不安だったものの、快く引き受けてもらえてホッとする。とても気に入っているので、これからも定期的にメンテナンスをして、棺桶に入るまで使っていきたい。

その後は和光でタオル地のハンカチと、母の日の贈り物、それから結婚指輪を置くためのジュエリートレーを購入。

いくつになっても刺繍とレースをあしらったハンカチにときめく

疲れてきたので万歩計を見ると1万歩も歩いていた。さすがに足が棒になったので、帰りがてら日本橋のフォートナム&メイソンでお茶をしつつ本を読んで過ごす。ヴィクトリアグレイという紅茶がとても美味しかった。

5/2(月) ゴールデンウィーク4日目

起床してリングフィットを40分。その後は長野へと向かう。目的地は阿智村の近くにあるキャンプ場。途中大好きな八ヶ岳SAに寄って、ネルドリップコーヒーとベーグルを買った。ここから見える八ヶ岳が心から好きだ。

キャンプをするのは半年ぶりで、勘が鈍っているせいか、設営に合計1時間半近くかかってしまった。キャンプのご飯はゴールデンカムイ完結を祝して鶏肉と行者にんにくのオハウと、生ラムジンギスカン。それからピザ。

オハウを作るのに、鳥もも肉と軟骨、レバーとハツをひたすらチタタㇷ゚していたら、まな板が傷だらけになってしまった。チタタㇷ゚専用の切り株が欲しい。一緒に焼いていたピザは火加減を間違えて炭になってしまったので、食べられる部分だけ箸でつついた。なんか失敗ばかりだねと言いながらも心は晴れやかだ。食後は水筒に淹れてきたチャイを飲みながら、天体観測をする。キャンプ場から見える星空は金平糖をばらまいたような美しさだった。

こうして空を見ていると智恵子抄の「東京には空がない」の一節を思い出す



5/3(火) ゴールデンウィーク5日目

朝の7時半に起床。眠気覚ましにコーヒーを淹れる。今日のコーヒー豆は蕪木で買ってきたなんちゃらモカ。ポーレックスのコーヒーミルでゴリゴリ轢いていくと、音で脳味噌が少しずつ覚醒していくのがわかった。ついでに八ヶ岳SAで買ってきた野沢菜のおやきをホットサンドメーカーで潰して焼く。こうすると外側が香ばしくなって美味しい。いい匂いにつられて寝床から這い出てきた夫と一緒に朝ごはんにした。

ひとつのおやきをふたりで半分にする

近くの湖畔を散策した後は撤収して日帰り温泉へ。ゆったりーな昼神というところで、お湯の温度がぬるめのいいお湯だった。畳で横になっていると、夫が隣に来たので一緒にダラダラする。お昼は近くのお蕎麦屋さんで食べようと思い向かったものの、100分待ちということで諦めて帰路へ。途中、どうしてもうなぎが食べたいと夫が言うので、浜名湖で下車してひつまぶしを食べた。

5/4(水) ゴールデンウィーク6日目

朝からリングフィットを1時間と、フィットボクシングを30分。朝ごはんはコーヒーとマドレーヌ。なんだか体調が優れないので友人と会う予定は見送らせてもらって、そのまま資格の勉強をすることにした。夫は当初の予定通り義実家へ。

トルコキキョウが大好き

昼食はセブンイレブンで買ってきた、たんぱく質が撮れるやみつき冷奴よだれどりと、玄米に温泉卵。模擬テストを3回やったところで点数が伸び始める。

夕方は実家に出かけていた夫が帰ってきたので、一緒に晩ご飯を食べた。今日の献立はbibigoのワンマンドゥとブロッコリーをせいろで蒸したものと、夫が作った芋煮。はちゃめちゃな献立だけど「自炊は今日を乗り切れればいい」がここ数年のモットーなので気にしない。わざわざ上げなくていいハードルを高くしないこと。そう思えるようになったのは、去年読んだ高山なおみの『自炊。何にしようか』のおかげだと思っている。

5/5(木) ゴールデンウィーク7日目

今朝も起床後に勉強。こどもの日なのでふたりで柏餅を食べる。夫がシャワーを浴びた後は、一緒に図書館へ行って本を返却した。借りていた本はバウンドの『こども地政学』。

図書館を出た後は、自転車を漕いで銀座のアンテナショップ巡りへ。夫も私もビルケンを履いているので、お揃いだねと言うと「ふたりはビルキュアだね」と言うので笑ってしまった。死ぬ時はこういうことばかり思い出したい。

1軒目は新橋に移転した奈良まほろば館。じっくり吟味して、いくつか気になったものを購入した。特に印象的だったのが、食事をする場所の構成。1階のカウンターでは柿の葉寿司などの名物を気軽に楽しめる一方で、2階のレストランでは奈良のAkorduがプロデュースしたローカルガストロノミーをじっくり味わうことができる。これは上手いなぁと唸った。

奈良のアピール力に圧倒されつつ、2軒目は銀座のおいしい山形プラザへ。ここでは毎年5月になると、山形で採れた山菜が店頭にずらりと並ぶ。まさに山菜好きのオアシス。大好きなこしあぶらと天然のたらの芽があったので、嬉々としてカゴに入れた。

3軒目は以前友人が勧めてくれた、広島TAUの3階にあるイタリアンへ。ランチはドリンクバーと自家製パン、山盛りのグリーンサラダとメイン(ピザorパスタ)が選べて合計1500円ほど。予想していたよりずっと美味しくて、私たちのお気に入りになった。

思わず「牡蠣が死んでないパスタだ!」というくらいにはおいしかった

 

5/6(金) ゴールデンウィーク8日目

朝起きた後はコーヒーを淹れて資格の勉強。合間に奈良のアンテナショップで買ってきた柿もなかを食べる。見目の可愛さはもちろん、味は柚子が効いていて爽やか。これは結構好みだ。

その後はリングフィットを30分。最近ずっと専門書を読んで頭が疲れていたので、気分転換に大好きな姜尚美のエッセイを取り出してきた。あー、やっぱり何度読んでもいい。もっともっとこの人の文章を読みたい。そんな出会いが後どれくらいあるだろう。

午後はKITTEの中にある郵便局で用事を済ませた後は、久しぶりに建物の中をぶらぶらした。THE SHOPに行くと、今年の2月に復刻されたニーチェアエックス80が展示されていた。夫がいたく気に入ったようなので、誕生日プレゼントの候補にする。

その後は人形町にあるオゼキへ。家のペンダントライトが経年とともに痛んできたので、イサム・ノグチのAKARIに変えることにした。

店内に並ぶAKARIシリーズに大興奮。8月までは土曜もオープンしているらしい

オゼキの店員さんはとても気の良い人で、現在の生産事情や海外での人気などについて教えてくださって楽しかった。自社製品に対して深い理解と自信があって、それを惜しみなく教えてくれる人が好きだ。また買うときはここに来よう。

その後は思いつきで養老渓谷へ。5月の房総半島は新緑が目に眩しいくらい。もう田植えも終わっていて、水田に映った木々が美しかった。

5/7(土) ゴールデンウィーク9日目

朝起きた後はコーヒーを淹れて、リングフィットを1時間。久しぶりにブログを更新した。本当は2021年に読んだ本のまとめ記事も投稿したいんだよなと思いつつ、まとめにするくらいなら、本と向き合って個別にレポートを書いた方が自分のためになるんじゃないか?と考え直す。

2021年に読んで面白かった、金原ひとみの『アンソーシャルディスタンス』とモナ・アワドの『ファットガールをめぐる13の物語』、岡真理の『彼女の「正しい」名前とは何かー第三世界フェミニズム』、後は最近読んで良かったリチャード・シドルの『アイヌ通史』と平山亮『介護する息子たち 男性性の死角とケアのジェンダー分析』にキム・ホンビ『女の答えはピッチにある』は、今年のうちに感想を書くようにしたい。そう思い続けて半年経ってしまったが...

午後は自転車に乗って林芙美子記念館へ。途中お腹が減ったので久しぶりにドトールミラノサンドをテイクアウトする。店内に席がなかったので、そのまま近くの緑道で立ったまま食べていると風が吹いてきて気持ちよかった。一緒にいた夫に「今日はドトール日和だね」と話しかけると「なんかこうしていると都会っ子みたいだよね」と言う。わかる。

林芙美子邸は緑が溢れる場所に静かに佇んでいた。川端康成が彼女の葬儀で「故人は、文学的生命を保つため、他に対して、時にはひどいこともした」と述べたように、林は戦中、南京攻略戦では毎日新聞の特派員として、また武漢作戦では内閣情報部のペン部隊として、軍事作戦に加担していた。晩年は『浮雲』という名作を生み出した彼女だが、当時はどのような想いで執筆していたのだろう。

執筆部屋の雪見障子からは眩しいほどの新緑が見えた

カズオ・イシグロの『浮世の画家』もそうだったけれど、自身が信じていた常識や正しさがそうではなかったとき、その過ちを生きているうちに認めることを、果たしてどれほどの人ができるのだろうか。最近加齢と共に頑固になってきた親族を思い出し、我が身を振り返った。

夜はイタリアン。食べすぎたので3駅分歩く。

5/8(日) ゴールデンウィーク10日目

大阪に住む友人と電話で話す。向こうの生活にはすっかり慣れたようで、いつか会いに行く時は観光案内をしてくれるらしい。インターネットに書けないようなパーソナルな話をして、私たち本当に歳をとったよねと笑った。彼女に「いつか息子のことを抱っこしてね」と言われたので、その約束を果たすのが目下の楽しみ。

その後は夫と横浜市金沢区へ。料亭を改装した喫茶去に行った後は、久しぶりに伊藤博文邸へ。ここ数年で旧建築に対する知識を得たせいか、以前よりも細かい意匠に気が付くことができてうれしい。その後は駅前にある酒場でクラフトビールを購入した。

そのまま帰ろうと車を走らせていたものの、道を間違えてしまったので鎌倉方面へ。以前から行きたいと思っていたカフェでお茶をした。オーナーさんはきれいにカールしたグレイヘアに鮮やかなグリーンのカーディガン、紺色のスラックスに墨染めのようなエプロンを纏っていて、凛とした雰囲気がある人だった。内装が恐ろしく好みだったので、建物の詳細などについて話を聞かせてもらう。晴れた日はテラスから富士山が見えるらしい。

新緑の時期に訪れたいカフェがまたひとつ増えた

カフェから出ると黒ラブが2頭歩いていた。1頭はやんちゃな5歳、もう1頭は12歳の老犬。やんちゃな方がかまってくれとタックルしてきたので撫でていると、しばらく様子を見ていた老犬がおずおずと近づいてきたので、そちらも惜しみなく撫でさせてもらった。夢のようなひととき。飼い主さんも気の良い人だった。このあたりのおすすめを教えてくれたので、今度はそのコースで散策しよう。

2022年ゴールデンウィークの振り返り

今までで一番人に会わず、遠出も控えめなGWだった。2年に渡ってGW中の外出を控えていたせいか、蔓延防止が解禁されてもなんとなくその習慣が抜けきっていないことに気づく。それでも心持ちが軽やかだったのは、行動が制限されていないという実感があったからなのだろう。アフター・コロナが加速している実感はあるものの、実際の動向はどうなのだろう。各シンクタンクのレポートが気になる。

兎にも角にも明日からはまた仕事だ。こういう時の気持ちを地元の言葉で言うなら「やっちゃくね〜」、これに尽きる。日付が変わるまではまだ時間があるし、ギリギリまでGW後夜祭を存分に楽しんでいこう。