美味しい暮らし #7月編

 気がつけば8月も終わり。今月は本当に死ぬほど忙しくて、7月編の振り返りすらできていなかったことに「本当にヤバかったな〜」と実感しています。

冷静になって振り返ってみれば、仕事の業務量のみならず、仕事内容の質や難易度がグッと上がったことにより、それに比例してストレスも高まったように思います。8月上旬に身体から不調のサインが現れてきた時に「残業はほとんどしていないのにどうして…」と思っていたのですが、そもそもストレスは多面的なものなのに、残業時間だけを自分が感じるストレスの指標にしていたのが間違いだったなと。

とはいえ、ストレスに対する認知や自分の限界に気づくのって本当に難しい。限界に気がついた時には既に自分自身でケアできる範囲を超えてしまっていることもあるので、「定期的に休む」ということを取り入れたり、周囲に対しての責任感や休むことへの恐怖心に囚われずに「休める時に休む」こともできるようになっていきたいと感じる今日この頃です。

なんとか最近は不調も落ち着いて元気になってきたので、9月も美味しいものを食べて生き延びたい、生き延びるぞ。というわけで遅ればせながら7月編の振り返りです。

ニホンバシ ブルワリー トウキョウステーション

ずっと気になっていた升ビールのお店。肝心の升ビールは写真映えするし体験として面白いけど、私はグラスで飲むほうが好きだな。ただ升からビールを飲んでみることで、自分が思った以上にグラスの口当たりや手触りに反応していることがわかったのは面白かった。

ビールに合う軽いおつまみからガッツリめのメニューも一通り揃っているし、クラフトビールの種類も豊富で良かったです。1次会に使っている人たちや、デートでサクッと使っている人もいて、使い勝手が良いお店なんだろうなという印象でした。

今あるかわからないけれど、この時に飲んだ台湾のクラフトビールがとても美味しかったのに名前を失念してしまったのが心残り。ここのテナントはいつもお店が変わっているけど、生き残って欲しいな。

釜たけうどん

仕事もう無理頑張れないメンタルの時に、無性にモチモチしたものが食べたくなって駆け込んだ東京駅の八重洲北口にある釜たけうどん。アクセスの良さもあって、個人的に東京では神保町の丸香と神田の香川一福、おにやんまとこくわがたの次に足繁く通っているうどん屋さんだと思う。

この時は確か釜たけうどんにしたと思うのですが、半熟卵の天ぷらもちくわもコシの強いうどんも何もかも美味しくて一気に疲労が吹っ飛びました。もはやうどん大好き倶楽部でも立ち上げようかな。秋冬は変り種の洋風おでんとどて煮で一杯やるのも好きだし、釜たけは東京駅構内の良心だと思う。

レモンが気前よくついているのも本当にわかっていて愛が深まるばかり。あと店内が清潔感のある感じもとても良い、良いところをあげるとキリがない。

疲れているときに駆け込み寺としてのうどん屋さんがいくつかあると、気持ちが楽だな〜と思うなどしたのでした。もちもちは心のお布団。

古月

新宿御苑近くにある古月でランチ。確か友人は麻婆豆腐で私は冬瓜と長芋、鶏肉の梅肉炒めだった気がする。

火入れが絶妙。味も端正で、中華って(地方にもよるが)比較的大味なイメージだったのだけど、ここの炒め物を食べて自分の理解の浅さを反省しました。別途注文したトウモロコシのスープも滋味深くて美味しかった。

興奮冷めやらず「中華って奥が深い…ハマりそうだな…」と思って色々調べたらヌーベルシノワを食べ歩く人のブログを見つけてしまい、これは沼に呼ばれているのかもしれないなと思ったり(果たしてそうなのか?)。

人混みが苦手なので新宿はいつも気合を入れないといけないのだけど、このためにまた行きたいくらい良かったです。

パレスホテル東京/ラウンジバー プリヴェ

言わずもがな、パレスホテル東京アフタヌーンティー。ここを訪れるまで知らなかったのですが、東京會舘のマロンシャンテリーがここで頂けるのですね。可愛い見た目と美味しさ…尊い…ケーキのお姫様…。

 

アフタヌーンティーは全体的に甘いの多めな構成なのと、紅茶の種類が豊富でした。フードもぼやけた味ではなく、ちゃんと美味しくて良かったです。ちなみにこの他にスコーンもついてきました。あとこの日はちょっと冷房がきつかったので、羽織があると良いのかも。

そういえば昔男性で都内のアフタヌーンティー巡りをしていて、カトラリーや茶葉の詳細まで精緻に書いていた方のブログがあって、それがとても好きだったんだよな。

今検索しても引っかからず、話しかけたことも縁もゆかりもありませんが、なんとなく気になってしまうなどしたのでした。

崎陽軒のシュウマイ

私の好物がシュウマイと餃子なのですが、それを知った夫が、お店を通りかかったり催事場で売っているのを見かけると定期的に崎陽軒のシュウマイを買ってくれるようになりました。やったね。

というわけでお手本に従って蒸してみたもの。

結婚すると家にシュウマイが自然発生するようになるんだな〜とふざけたら夫が笑ってくれたので良かったです。

ちなみに今まで食べたシュウマイの中でベスト・シュウマイ・エバーは551のシュウマイなんですけどわかってくれる人はいるのだろうか…。

アクアマーレ

 横須賀美術館で「せなけいこ展」を鑑賞した後、併設しているイタリアンレストランのアクアマーレでランチ。

小さい野の花がそれぞれのテーブルに置かれていて可愛らしさに心が和む。

頼んだのはしらすと水菜とオリーブの冷製パスタと、ヒラマサのカルパッチョ。いずれも塩気が好みの感じで良かった。

それと、しらすが訳がわからないくらい美味しくてこれは一体…と思っていたら、契約している漁師さんから仕入れているものらしく。しらすが1尾ずつふっくらしていて感動してしまった。

横須賀に住んでいた友人曰く、「夜のコースの方がおすすめだよ!」と言っていたので、いつか機会を伺ってまた訪れたいです。

 安曇野

キャンプで長野へ行った帰り道、何か美味しいものを食べて帰ろうよ!ということで安曇野へお蕎麦を食べに。

美しい南アルプスを眺めながら美味しいお蕎麦を啜る幸せ。二八なのにちゃんと蕎麦の香りがして、蕎麦つゆにつけるのが勿体無いと感じてしまうほどだった。歯ごたえと喉越しも良くて夢中になって食べました。

器も可愛いかった…。可愛い蕎麦猪口集めたいな。

パティスリービヤンネートル

以前予約チャレンジに失敗したので、リベンジビヤンネートル。

ソルベ部分がとっても美味しかった。果実そのものを食べているようなピュアな味。

途中クランブルが入っていてザクザクした食感が楽しめたり、角切りの果実やゼリー、赤ワインのジュレなどがあって飽きず、味の構成が素敵だった。

この日はテコナベーグルワークスでサンドイッチ用にベーグルを買って帰ったのだけど、思いがけず夫が気に入ったようだったのでまた近々代々木上原にはお散歩に行きたいところ。

ル・ルソール

駒場東大前にある大好きなブーランジュリー!本当にどのパンも美味しくて素晴らしいのだけど、一番おすすめしたいのがハード系のパン。

ミルクフランスは手のひらに収まるサイズでコロンとしていて可愛いのに、一口食べるとリッチなミルクの味と香ばしいパンの香りに痺れてしまう…。ピスタチオ、ガーリックフランスも共におすすめ。

後サンドイッチ系のパンも好きで、特にパテドカンパーニュをサンドしたものがお気に入り。午後はめぼしいものが無くなっていることもあるので、早めに行くのが良いです。

福島の桃

外食ではないけれど、実家の母から送られてきた桃がとっても美味しかったので。今年は梅雨の時期が長かったのもあって出来はイマイチとのことでしたが、それでも十分美味しかったです。

桃が部屋にあると、馥郁とした香りが部屋いっぱいに広がって幸せな気持ちになりますよね。冷蔵庫に入れると味は落ちてしまいますが、長期保存用に3分の1はアルミホイルに包んで冷蔵庫へ。

残りはそのまま食べたり、コンポートにしたり、桃モッツァレラにしたりと思い思いに食べて楽しみました。

後から知ったのですが、どうやら義実家へも送ったようで、母なりに私がうまくやれているのか心配してくれているのだろうか、と思うなど。

 

色々あるけど美味しいものを食べて9月も頑張るぞ。

 

 

ズッキーニを美味しく食べるためのレシピ

突然ですが、ズッキーニが好きです。

つやっとした見た目は可愛らしく、どんな調理法にも適していて、それでいて良心的なお値段。食感は楽しく、味の主張は控えめで、そんな縁の下の力持ち的な健気な立ち位置も含めて好きだなと思います。この時期スーパーで見かけると、何となくカゴに入れてしまう野菜のひとつです。

ズッキーニを皮むき器で縦長にスライスしたものをサラダにしても美味しいし、ベーコンや豚小間のようなちょっと油の多い肉や、香りの強い野菜やハーブと一緒に炒めても良い。焼いたものにそのまま塩をパラリとかけても美味しく、揚げは言わずもがな。

そんなズッキーニの旬の季節が今年もやってきて、また味わえることを嬉しく思います。旬の野菜を食べるたびに「今年もよく生き延びた」とふっとひとりごちる瞬間があって、旬の野菜にはそうした心の余白を生み出すような味があるように感じます。「食べることは生きること」とはよく言ったもので、時を重ねるにつれその言葉が身に沁みるようになりました。

そう言うわけで、7月くらいからズッキーニのレシピの正解を探してはトライアンドエラーを繰り返してきたのですが、やっと踊りだしたくなるくらい美味しいが詰まったズッキーニのレシピが見つかったので、備忘録として残しておこうと思います。

www.sirogohan.com

よくお世話になっている白ごはん.comのズッキーニのレシピ。どれも片っ端から作り、そしてどれも美味しかったのですが、個人的なイチオシはズッキーニのパン粉焼き。

このレシピで作ったズッキーニを食べた瞬間「今ままで君のことを何一つ理解しないまま調理していてごめんね…」と言う気持ちになりました。そのくらい美味しい。

まず驚いたのが、ズッキーニの淡白な味に、パン粉の香ばしさとオリーブオイルの風味が加わると、一気にリッチな味わいになること。

また、皮を剥かないことで果肉部分が蒸されるせいか、一口噛むとジュワッと瑞々しい味が口に広がり、甘さや青さといったズッキーニの存在感も強く感じられるのです。まるでズッキーニのステーキを食べているかのよう。

何より作るのが簡単だし、ワインのアテにもピッタリ。準備をしたら魚用のグリルに放り込んでおけばいいので、作っている間にもう1品副菜を作る余裕も生まれます。

お皿の上にぽつねんと置いたズッキーニを、ナイフとフォークで食べるだけで何となく非日常感があり、大変愉快で満足感のあるレシピです。

今が旬のズッキーニ、ぜひ旬の過ぎ去る前に試してみてください。もしもっと美味しい食べ方があったら、こっそり教えて欲しいです。

 

*余談

このブログを書くにあたって気づいたのですが、レシピのURLが”zukkiyaki”になっていて可愛さにクスッとしました。ズッキ焼き、この夏たくさんお世話になろうと思います。

https://www.sirogohan.com/recipe/zukkiyaki/

 

 

 

 

結婚式は誰のもの

5月から悩みに悩んだ式場選びも、やっと先日ひと段落しました。

思えばふたりで良いと思った式場をピックアップしたところ、なんと30件にも登ってしまい、途方に暮れていた時期を思い返すと「よく決まったな〜」と思います。

決めていく上で私が一番大切にしたかったのは、夫と喧嘩をしないこと。せっかく結婚式を挙げるなら準備段階も気持ちよく行いたいし、普段仕事で疲れている夫に結婚式の準備までストレスとして感じて欲しくないという思いがありました。

結果的に式場が決まるまでお互いに険悪な雰囲気になることもなく、むしろふたりで乗り越えられたという安心感が得られたのでホッとしました。ふたりで決めた式場も、全体的にスタッフさんの人柄が誠実だなと感じられたので、これからの準備段階も喧嘩することなく楽しんでいけたら上々です。

とは言え「ここでポイントを外していたらちょっと危なかったかも…」と思った点はいくつかあったので、備忘録として残しておこうと思います。

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30件以上の式場候補に途方に暮れる

当たり前ですが、まだ結婚式に対して具体的にどうしたいかというイメージが持てていない段階で、あれもこれもと決めたらえらいことになりました。

「旧建築が好きだからとりあえずあの建物とこの建物と…」「ガーデンウェディングにも憧れがあって…」なんて選んでいたら気がつけば式場候補が30件に。1ヶ月に10件回ったとしても3ヶ月はかかります。

自然と「そんなに式場選びに時間はかけたくないし、お休みをそれだけで潰したくないよね」という話になったものの「じゃあここからどうやって絞ろうね?」と話をしても、実際に見学をしていない段階で結婚式で大切にしたいことの順位付けや、お互いのイメージのすり合わせをすることは難しく、話し合いも堂々巡りに。

極め付けに、試しに1社だけ見学の連絡をしてみたところ、ガッツリ営業電話に捕まってしまい、心身ともにダメージを負ってしまうという出来事がありました。

義姉からの助け舟

前述の通り「もうこれは本当に決まらないかも…」と途方に暮れていたところ、ちょうど良いタイミングでお義姉さんから助け舟が届きました。

候補が絞れず悩んでいるとお伝えしたところ「ゼクシィカウンターはどうかな?」と。お義姉さんも結婚式場選びで活用されたそうなのですが、「無料で相談できるし見学時に割引特典もつくし、新郎新婦の代理でよしなに式場と連絡を取ってくれるから良いよ!」とのことで、まさに渡りに船。

早速週末にカウンターを予約して夫婦で出かけることにしました。

初めてのゼクシィカウンター

お義姉さんからのお墨付きはいただいたものの、正直どうなんだろうと期待半分緊張半分だったのですが、結果として私たちはゼクシィカウンターを使って大正解でした。

特に良いと思ったポイントは以下の点です。

・知りたい情報がほぼここで手に入る

・中立な立場の専門家の意見が聞ける

・式場見学のスケジュール調整をしてくれる

・第三者を介してお互いの意見が言いやすくなる

まず、知りたい情報がカウンターで殆ど手に入ること。例えば実際の費用はどのくらいなのか、挙式後の式場に対する満足度はどのくらいなのか、そういった情報をすぐ聞けて、なおかつ実際のアンケートから得た情報ということもあり、情報に対する信頼度が高いのは大きかったです。また、各式場のパンフレットなども取り扱っているので、取り寄せ手続きなど行わずに、その場でサクサク見れるのも良かったです。

次に中立な立場の専門家の意見が聞けること。ゼクシィカウンターのスタッフさん自身、式場の見学に行くことがあるそうで、見学に行った感想を踏まえてそれぞれの式場の利点と気になった点を率直に話してくださり、目から鱗でした。また、お互いが重要視したい点を一旦洗い出した後に、ゲスト目線や新郎新婦目線で大切にした方が良いところと、そうでないところをバッサリ切っていただいたのも良かったです。

そして式場見学のスケジューリングを行なってくれる事。当日決まらない場合は後日メールでのやり取りもでき、私は電話のやり取りが苦手なので非常に助かりました。また、間にゼクシィさんが入ってくれることで安心感もありました。

最後に第三者を介してお互いの意見が言いやすくなること。夫も私も相手のことを尊重したい気持ちを優先するあまり、どうしても否定的な意見が言いにくくなってしまい、それが堂々巡りにも繋がっていました。ただ、それも第三者に介在してもらうことで「自分はこれを優先したい」「ここにはこだわりたい」ということが言いやすく、結果として夫婦で共有するイメージや、式の方向性に対する価値観のすり合わせができたので良かったです。また、お話を聞いていて「夫は結婚式に対してこういった思い入れがあるんだな」ということが知れたのも良かったことでした。

式場見学で感じたこと

無事ゼクシィカウンターで候補が4件(!)にまで絞られ、早速翌週から見学に行くことに。私たちは3件目で決まりました。

式場見学で感じたことは

・営業さんとの相性は大事

・基本的に画像はイメージという心構えで

・大き目バッグと写真は大切

の二つです。

まず、営業さんとの相性は大事だなということ。多くは良い営業さんに当たったのですが、1件だけこちらの意図が汲まれずに押しの強い営業だなと感じる式場があり「貴重な休日に私は一体何を…」と無の境地になってしまいました。

こうした出来事が続くと、やり場のないモヤモヤが溜まって喧嘩の引き金にもなってしまうのかも知れないですし、営業され慣れていない人にはかなりストレスになるように思います。また、せっかく式場が良くても一気にイメージがマイナスになってしまったので、その旨もゼクシィカウンターにお伝えすると良かったのかも知れないな、というのは反省点でした。ただ、結果的に比較対象ができたことと、それが最良の選択に活かせたことは、苦い経験があってこそなので結果オーライだったなと今になって思います。

そして基本的に画像はイメージという心構えでいること。当たり前ですが、パンフレットや画像は良いカメラマンや、式場によってはフォトショも入れているので期待値を上げて行かない方が無難です。

また、私たちはバリアフリーの式場を選ぶ軸の一つにしていたのですが、バリアフリーをうたっていても一部対象外のスペースがあったり、動線として不安のある感じだったりと、実際に見学をしてみないと気がつかない事も。良くも悪くも画像はイメージで、実際に足を運ぶ事が何より大切だと感じました。

最後に、見学後はパンフレットや見積書などを渡されるのでA4サイズのものが入るバッグを持っていくことをお勧めします。また、基本的に式場は撮影可能なところがほとんどなので、記録用にたくさん写真を取ると後から「あれ?あそこってどうだったっけ」という会話の時に、とても役立ちます。

成約と夫と決めた結婚式で大切にしたいこと

色々あったものの無事に成約に至り、最終的に選んだポイントとしては

・アクセスの良さ

・落ち着いた雰囲気

・ゲストに気を使わせない動線

・誠実で信頼感のあるスタッフ

・こだわり抜かれたお料理

の5つに集約されました。

式場見学を重ねるにつれて、ふたりの間で明確になっていった問いが「誰のために、何のために結婚式をやるんだろう」という事。夫婦の数だけ答えがあると思いますが、私たち夫婦は「ここまでご縁を結んでくださった人たちに、感謝の気持ちを伝えるため」という答えにたどり着きました。

結婚式は、私たちが今日まで健やかに生きてきたこと、その人生の中で関わり続けてくれた人たちに感謝の気持ちを伝える場にしたい。

例えば年配者や車椅子の人でもゆったり動ける動線にしたいし、子供を一緒につれてくる友人には飽きた幼児が気兼ねなく遊び回れるスペースを設けたい。 テーブルの花はそこに座る全ての人の視界を遮るものにはせず、どの席でも会話が弾むような演出をしたい。お料理も引き出物もゲストに満足されるようなものを選び抜きたい。余興は最低限に、新郎新婦が全ての人と言葉を交わせるようにしたい。何よりそうした希望を、私たちの大切な晴れの日を安心してお任せすることができるスタッフの方々にお願いしたい。

ふたりの中で、結婚式は私たちのために行うもの以上に、ゲストのために行うものという認識が生まれ、その中でポイントを押さえた式場を決めることができたので、とても安心できました。

これ以上ないくらいの私たちらしいコンセプトで、そうした認識をお互いの中に育むことができたことを含めて、式場選びを頑張って良かったなと思います。

最後に

最後に、ここまで険悪な雰囲気になることなく決められたのは、夫が積極的に式場選びをしてくれたのも大きかったと思います。

式場のリストアップではエクセルに各式場のHPのリンク付きでリストを作ってくれたり、式場見学では営業さんに言いにくいことを率先して聞いてくれたり、営業さんの説明をメモしたり写真を積極的に収めてくれたり。

ひとりでこれをやっていたら、慣れないストレスに加えて爆発していたのではないかなと思う事も多々あり、喧嘩をせずに決められたのは彼の存在があってこそという事や、感謝の気持ちは忘れずに持っていたいと思いました。

とはいえこれからが本番なので、準備も抜かりなくコツコツとふたりで楽しんで行けたらと思います。無理なく、楽しくをモットーに、のんびり頑張るぞ〜!

 

 

 

 

 

 

 

美味しい暮らし #6月編

振り返ってみると6月は自炊して家でご飯にすることがほとんどだったかも。

最近夫の自炊スキルがメキメキと上達してきて本当に頼もしい。家計もそうだけど、家事が2馬力だとこんなに楽なんだな〜と実感した月かもしれないな。

かめじま商店

この日は女子2人で、ずっと気になっていたお店に。シナモン醤油で食べる低温調理の鳥レバーがとても美味しかった!

写真は撮っていないけど、ムール貝をビールで蒸したものも美味しかったな〜。

お店の雰囲気も良かったし、近くを通ったらまた行きたい。

 

オーボンビュータンの焼き菓子とデリ

等々力渓谷まで夫とデートに行った帰り道に買ったもの。

マドレーヌやフィナンシェなど、焼き菓子を好きなだけ買い込んだあと、夫セレクトでパテドカンパーニュとパテアンクルートも追加。

写真がないのはそれだけ美味しかったということです。(横着)

仕事が始まってからというものの、冷蔵庫などに「うわ〜〜!美味しい!」と思える食べ物がストックされている生活にハマっていて、確かこの写真を撮った日も慣れない仕事でヘトヘトになっていた時だったと思う。

美味しいが手の届く範囲にあると、仕事の頭から一気に脳みそが切り替わっていいよね…と実感している今日この頃です。

たねやの水羊羹

美味しいもの情報で頼りにしている友人がおすすめしていたたねやさんの水羊羹。

涼という風情でとてもいい…滑らかで口どけが良いのも良い…水羊羹を生みだしてくれた人ありがとうと五体投地できる美味しさ…。

蒸し暑い時期に食べる水菓子って、なんだか特別な感じがするのも良い。透明でキラキラしたゼリーやつるんとした見た目の水羊羹は目にも涼やかだし、冷たいものをスプーンで掬って口に含む一連の動作を繰り返すうちに、暑さでさざ波だった心が少しずつ凪いできて、食べ終わる頃にはさっぱりと暑気払いができているのも良いなとしみじみ思う。

そう言えばたねやさんの水菓子だと、お義母さまから頂いた清水白桃ゼリーも美味しかった。実は初めて義実家へご挨拶に伺った時に、手土産で持参したのもたねやさんだったのだけど、お義母さまが大好きらしく、めちゃくちゃ喜ばれて一気に安心した思い出があって。「美味しい」って人の縁も紡いでくれるんだな、などと思ったりしたのでした。

 サルマティッカビリヤニ

この日は夫の友人から美味しいお店を見つけたと誘われ、我々夫婦の好物であるインドカレー屋さんへ。

メニューにマトンビリヤニがあったので、わき目もふらず頼んだのだけど、ここのビリヤニがとっても美味しくて。

ゴロゴロ入ったホールスパイスの良い香りと、気前の良い大きさの羊肉がうまい!

一緒についてくるライタというヨーグルトのソースがこれまたうまい、うますぎる…

いっときあちこちのビリヤニを食べ歩くのがマイブームだった時期があり、都内のビリヤニを作っているお店にはそれなりに行ったつもりではあったけれど、ちょっとここにたどり着かずしてビリヤニを知った気になっていたのがね…本当にもう…。ビリヤニは各お店によって違うといえど、ここまで違うのかという、新しいビリヤニの扉を開いてもらったような夜でした。

神保町にできた三燈舎さんも気になるし、またあちこち行ってみたいな。

東京豆花工房

毎年氷豆花の時期に合わせて行ってしまう豆花屋さん。冬に食べる温かい豆花も、冷たい豆花も好きだけど、夏場に食べる氷豆花はやっぱり格別で美味しい。

昔は並ばずふらっと入れるイメージだったけど、台湾スイーツが流行って認知度が上がったのか、まさかの行列で嬉しいやら切ないやらでした。

店内の台湾的装飾や、こじんまりした感じは相変わらずでした。

夏のうちにもう1回は行きたい。

友人の結婚式

6月最後の美味しいものは、友人の結婚式で食べたコース料理。

時間があればこの時のことは別個でブログに書きたいのだけど、いや〜人が仕合わせになるのって本当に良いものですねと思えた式だった…。 

 上京してから今日まで最も付き合いの長い友人と言っても過言ではない友人の晴れ姿は、本当に本当に美しかったです。

最後のお見送りの時に、ウエストの焼き菓子を手渡されて、思わず「これ大好き!」と言ったら「あなたが好きそうだなって思ったんだよね」と言われて、ただただ愛だった。これからは末長く楽しく夫さんと生きていってほしいな。

ということで、今月も総じて美味しくて楽しい時間を過ごせて良かった良かった。

ぼちぼち挙式に向けて貯金したり節約したりしなきゃだけど、美味しいものへの支出は必要経費なので、適度に自分を甘やかしつつ、来月も死なない程度に健やかに生きていけますように。

美味しい暮らし #5月編

2019年5月に食べたもの

入籍前に食べたもり蕎麦

令和元年5月1日に近所の区役所へ婚姻届を提出に行ったものの、提出には3時間待ちとのことで一旦引き返してお昼にすることに。

夫が「お蕎麦が食べたいね」と言うので気合いを入れてお店を探し、二人でわざわざ電車に乗って向かったのですが、目当てのお店は臨時休業中とのこと。暑さも手伝って気力をなくして途方に暮れて歩いていたら、たまたま良さそうなお店が目に入ったので「ここにしよう」と言ってお店へ。

さっぱりしたくてもり蕎麦をお願いしました。

おそらく二八、薬味はかいわれ大根と茗荷。歯ごたえと香りがよく、喉越しも良いです。

個人的に蕎麦猪口と湯飲みの器がツボ。

満足して出ようとしたら、優しそうな店主さんが「これ、サービスのわらび餅です」と出してくださったもの。

手作りのわらび餅はひんやりとした滑らかな口当たりで、気持ちまで爽やかになりました。黒蜜ときな粉の組み合わせってなんでこうも美味しいのでしょうか。いつか近くに立ち寄ったらまた伺いたいです。

それはさておき、美味しいもののためなら電車移動も厭わなくなった夫に、夫婦は似てくると言う言葉を重ねるなどしたのでした。

SUSHI TOKYO TEN

入籍後に家に帰って一休みし、夕食は夫の希望でお寿司にすることに。ふらっと行ってすぐ入れそうだったのと、以前友人からオススメされて気になっていたのでニュウマンの中のお寿司屋さんへ。噂には聞いていたけれど、お手頃な価格で江戸前のおまかせが楽しめる、満足度の高いお店でした。

あまりにも食べることに集中していたので写真を撮るのを忘れてしまい、撮ったのはこの1枚だけという…。

個人的につまみが多いのもよかった、また行けたらいいな。

コンラッドTOKYO  アフタヌーンティー

この日は義姉夫婦とコンラッドアフタヌーンティーへ。義姉夫婦には結婚前から可愛がってもらっていたのと、義理のご実家へ色々と働きかけてくださっていたので、お礼の会を開くことに。

今年はあまり苺を食べれなかったので、苺欲が満たされました。甘いのしょっぱいのの構成がちょうど半々くらいなので飽きなくてよかったです。

しかし幼い頃はお姉ちゃんが欲しいなと思っていたけれど、20年越しにその願いが叶うとは。お義姉様に初めてお会いした時に「あなたが来るのが嬉しくてお花を活けたの!」と見せてくださった生け花のこと、今でも思い出しては胸がいっぱいになります。

義姉夫婦のつかず離れず仲睦まじくの様子はいつ見ても素敵だし、私たちもそうした夫婦になれたらいいな。

紀の善 抹茶ババロア

神楽坂に用事があったので、ついでに抹茶ババロアを。ここのババロアが本当に好き。甘いあんこと苦いのと、生クリームを自分で調整しながらチビチビ食べる幸せったら。

神楽坂は良い甘味処やカフェがあって、昔からまっすぐ歩けた試しがありません。

そういえば、上京して初めて東京で好きだと思えた街も神楽坂だったなと思ったりしたのでした。

 

麩善 笹巻きあんぷ

和歌山旅行中、高野山参拝後に本店で購入した麩饅頭。

麩饅頭や笹団子をあればあるだけ買ってしまう人間なので、参拝前からお店をチェックしていました。花より団子、解脱より食欲。

で、ここの麩饅頭が今まで食べた中でいっちばん美味しかったです!ベスト・麩饅頭・エバー!

もっちりとした生地に舌触りの滑らかなこしあんの素晴らしさ。何より笹の瑞々しい香りが他の麩饅頭を凌駕しています。上品な一口サイズなのもまた良いです。

この体験を皮切りに、うまいもんどころ和歌山の底力に圧倒され続けるのですが、この時はまだそれを知りませんでした…

総本家めはりや本店 めはり寿司お試しセット

せっかく和歌山に来たのでと思い、熊野三山を参拝ついでに本店でお試しセットを。

これがどれもしっかり美味しくて。特に手前の長芋わさびがさっぱりしていてよかったです。

肝心のめはり寿司は高菜の良い香りと塩気の効いたお米が美味しく、那智滝参拝で疲れていたこともあって夢中で平らげてしまいました。

奥の串揚げも厚揚げの煮物もとても美味しくて、ハズレがない。これが近くにある和歌山県民が本当に羨ましいです。

香梅堂 鈴焼

この旅で一番印象的だったのが香梅堂の鈴焼。

和歌山在住の友人にお勧めされて「いわゆる鈴カステラみたいなもの?」と聞いたところ、「そんじょそこらの鈴カステラと一緒にしないで欲しい。鈴焼は鈴焼と言うお菓子だから」と言われて以来気になっていた鈴焼。

近くを通りかかったので購入することに。

お店の佇まい。お菓子は二階で作っているそう。

で、これが鈴焼。小腹が空いたので、熊野本宮大社の近くで食べました。

食べた感想なのですが、もうなんと表現したら良いかわからないくらい美味しいお菓子です。確かに見た目は鈴カステラにあって鈴カステラに非ず。

しっとりとした決めの細かい生地に、鶏卵の滋味深さ、バターの良い香り!そして和三盆の甘さ。素朴な味の奥に、緻密さ、丁寧さ、拘りを感じます。

持ち帰った分は、家で煎茶・紅茶・コーヒーと合わせたのですが、飲み物を選ばないのも素晴らしい。老若男女に好まれる味わいで、手土産には最適だと思いました。

3ft  たわわ・春だよりなど

和歌山を出る前に購入したのが3ftさんのパン。無類のパン好きの友人が「絶対にここのたわわだけは買って帰って」と言うので言われるがままお店に向かうことに。

店内はこんな感じ。

パンの博覧会という風情です。店内は1組ずつ店内に入ることができる仕組みで、天窓から入る光と情報量の少ない空間に、否が応でもパンに集中せざるを得なくなります。まさにパン選びの修行…(?)。

私はたわわと春だより、洋ナシとブラックペッパーと生ハムを練りこんだパン、リュスティック系を1つの系4点を購入しました。

食べた感想なのですが、前者の2つは食感がかなりもっちりしていて、良い意味で一口食べた途端に裏切られます。何より香りがびっくりするくらい良い!口に入れた瞬間香りと味の構成がしっかり感じ取れました。個人的にはご飯みたいなパンだなと思うので、一度パン好きの方の感想を聞いて見たいです。一通り食べ尽くして、日本のパンを作るならこれだ!という気概を感じました。

また、後者は洋の食卓にハマる印象。特にリュスティック系は奇を衒うことなく、しっかりと作られていて、ご飯みたいなパンとは全く違う印象に。

全体的に体験が良く、かなり面白いパン屋さんでした。

THE MATCHA TOKYO 表参道

以前hanakoで見てから気になっていたティースタンドへ。抹茶を頼むと裏千家流で店員さんがお茶を点ててくれます。

店内はミニマルな感じ。

体験型ティースタンドという感じで楽しかったです。味もおいしかった。

冬場になったら温かい抹茶もいただいてみたい。

Cafe Les Jeux Grnie ごまトースト

表参道でサングラスを探した帰りに久しぶりにここでごまトーストを。

いつ来ても落ち着くお店の一つ。

名物(?)のオレグラッセを写真に撮ってインスタにあげる子に時代を感じてしまったり。いつまでもあり続けて欲しいお店の一つです。

Grand Central Oyster Bar & Restaurant

元バイト先の友人とご飯。

初任給が出た後だったので、ちょっと豪勢にいきました。

食べでのある生牡蠣。個人的にビネガーとの組み合わせが好みでした。店員さんがワインに詳しくて、ありがたかったです。

羽二重団子 本店

近くを通りかかったので。

改装されていて、以前のように中庭が見れなくなっていたのが残念だったけど、移り変わるものはやむなし。モダンな店内も良かったです。

抹茶とお団子。余談ですが、抹茶を飲むたびに、表千家を習っていた友人が「裏千家はシャカシャカやるので華があってずるい!」と言っていたことを思い出して笑ってしまいます。

お団子はいつも通りおいしかったです。

夫のお誕生日ディナー

5月最後の美味しいものは、夫の誕生日祝いで食べた和食の創作料理。

器もお料理も素敵で、ただただ幸せでした。

季節の前菜。個人的にデラウエアと梅、じゅん菜の組み合わせが爽やかで良かったです。

デザートの白味噌のマカロンも美味しかった。

友人からオススメされてここに決めたのですが、お店の方々はみなさんサービス精神が旺盛だし、何よりニコニコしている夫を見たら、ここを選んで良かったなと思いました。

学生時代、大したお祝いができなかったので、きちんとハレができて私も嬉しかった。

来年も夫と美味しく楽しい時間が過ごせるように頑張りたいです。

あと、今回はお店選びにかなり手間取ってしまったので、この辺の価格帯の和食をもっと開拓していきたいという思いがあります。和食は沼…。

というわけで今月も大変よく食べました。

来月も美味しいものを食べて頑張るぞ。

初夏を共に生きるための香り [Diptyque Geranium Odorata]

このところ冬場から春にかけて愛用していた香水が少々重たく感じるようになってきたので、最近は初夏から盛夏にかけて纏えるような香水探しに勤しんでいました。購入してから約2週間、使えば使うほど「やはり今の私に必要なのはこの香りだった」と思い、纏うたびに新鮮な悦びを感じています。

人によって香水を選ぶ理由は異なり、「社会に適応するスイッチを入れるため」「洗練された印象を持たせるため」「気持ちを落ち着けるため」「モテるため」「気分を高揚させたいため」などと多岐に渡っています。また、単純にファッションとして楽しむという人も。

私は香水を選ぶ理由に貴賎は無いと思っていますが、多くの人が選ぶ際にこれほどまでに「こころ」を意識するのは、香水ならではの面白さ・奥深さだと感じずにはいられないのもまた事実です。

かく言う私も、選ぶ基準は自分が纏っていてcomfortと感じる香りか、その季節に合うものかの2つを主な指標にしています。

特に香水を選ぶ時は「快適さ・安心感・安らぎ」に重きを置いていて、直接肌に触れるという親密さのある趣向品だからこそ、纏うなら自分の心を穏やかにしてくれる香りが良いと思っています。生きているとどうしても心が乱れる時もあるし、それは仕方のないこと。変えられないものは受け入れつつも、香水くらいは心から安心できる香りにしたい。例えていうならそれを纏っていると守られているような、大袈裟に言い換えれば聖域の中にいるような。そんな香りが私の理想とする香りです。

また、日本には四季があるので、その兼ね合いも考えたいところ。昔むっとするような湿度の高い日に、考えなしに濃厚なバニラの香りをつけていたところ、祖母から嗜められたことがありました。香水は装いの仕上げと考えていた祖母は、当時高校生だった私に「何事も引いたくらいがちょうどいいのよ」と言い、日本は湿度が高いから香り選びが難しいこと、日本で香水を纏うことはそれを計算する面白みがあることを聞かせてくれました。あの日の祖母のように、うまく香水を選べているのか自信はありませんが、今でも時折思い出しては大切にしている言葉です。

今回もその2つの指標に従って選び、そうして手元にやってきたのはDiptyqueのGeranium Odorataでした。或いは選ぶうちに回帰していたのかもしれません。出会いというものは、いつも理由なんて後付けみたいなものですし。

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https://sillyage.wordpress.com/ より

トップはベルガモットとピンクペッパーの爽やかかつスパイシーな甘い香り。そして摘みたてと錯覚するような瑞々しい2種類のゼラニウムのグリーンな香りが気配を強めます。さらに時間が経つとシダーとベチバーが現れ、深い森へ誘われるような印象を持ちました。微かに感じるまろみはトンカビーンでしょうか。

ゼラニウム自体個性のある香りのため、これを香水でどのように構成していくのか興味深かったのですが、Geranium Odorataはゼラニウムを上手く昇華させ、それでいてコアな魅力を失くす事なく作り上げているように感じました。何よりオンオフ問わず、どんなシーンにも合いそうなのが有難い。忙しい朝に何も考えずに手に取り、シュッとひと吹きできるような頼もしい存在です。

香り自体は比較的ライトなのも、今の気分に合っていて良かったです。5月に入ってから、4月からの新生活の揺り戻しなのか気持ちが滅入ることが多く、香りによっては気持ちが負けてしまうこともしばしばありました。ある種の願掛けでは無いですが、これを纏っていれば揺らぎの多い現代を軽やかに生きることができるような、そんなお守りとしての魅力もこの香水から感じました。

また余談ですが、この香水を店頭で試した時、幼少期に母が手塩にかけて育てていたイングリッシュガーデンを思い出し、とても懐かしい気持ちになりました。ミモザクレマチスやバラ、ラベンダーやローズマリー、ロップイヤーなどが丁寧に育てられていた、在りし日の庭。

幼心に草花をちぎってこすると両手から良い香りがするのが楽しくて、幼少期は多くの時間をその庭で過ごした事。どうして今まで忘れていたんだろうと思うような事が鮮やかに記憶から呼び起こされ、自分の好きのルーツを垣間見たような気持ちになりました。全く、香りというのは実に不思議なものです。

これは香水を選んでいる時にいつも思うことなのですが、良い香りは世界中に星の数ほど、或いは人の数だけありますが、自分が好きだと感じる香りは唯一無二だということに並並ならぬロマンを感じます。自分が心から強く好きだと思える香りを手探りで探り当てた時の目が醒めるような感動は、何度経験しても香水好き冥利に尽きるものです。

自分ですら知らない自分の趣向を「香り」という、目で実体を捉えることのできない媒介を通して解き明かす、ある種の静かな興奮。そうして自分しか知らない悦びを手首に忍ばせ、何食わぬ顔で生活している時、大人に隠れて何か許されないことをしているような悪戯っ子のような愉快な気持ちになるのです。

 

都会の隙間で呼吸する

先日友人から尾形光琳の燕子花図が根津美術館で展示されていることを聞き、まだ実物をこの目で見た事が無かったので見に行く算段をしていたのですが、仕事が忙しくなかなか行けず、昨日やっと見る事ができました。

本来なら通常入館は16時半までなのが、有り難いことに5月8日から12日までは18時半まで入館受付をやっているとのことで、今日を逃したら次はいつあるかわからないと思い、定時でダッシュ。奇跡的に閉館1時間前に滑り込む事ができました。

閉館1時間前ということもあって、館内にいる人は20人より少ないくらい。人気な作品は基本的に観覧者が多く、人が多いとその分気を使ってしまい、見終わった後にドッと疲れて「結局何をしに行ったんだっけ」と思うことも少なくありません。

なのでまさかこんなに人が少ないとは思っておらず、願っても無い状況に思わず嬉々とし諸手を上げてバンザイしたい気持ちに。時間の許す限りじっくりと鑑賞することができ、よい時間を過ごす事ができました。

会場は3章で構成されており、平安時代の公家や王朝の風俗史を経て、江戸時代の草花愛好文化に至り、最後は京の都や伊勢参拝など人々の営みへ。

清原雪信の描く和泉式部の憂いを含んだような表情、洛中洛外図屏風の気が遠くなるような緻密な絵と施された金箔、力強い野の花が印象的な伊年印の四季草花図屏風に尾形光琳の夏草図屏風。そして何より一層の迫力を持って迫り来るような燕子花図。

このところずっと仕事の事しか考えていなかった脳みそに美しい屏風絵がスコンと刺さり、しばらくその場で茫然と佇んでしまいました。

どれも本当にかわいらしいやら愛おしいやらで素晴らしく、また鑑賞する人々も人が少ないせいか穏やかな雰囲気で良かったです。

仲睦まじく手を取り合ってじっくりと鑑賞する高齢のご夫婦や、茶道を嗜んでいるという女学生たち、真剣な面持ちで見つめる会社帰りと思しきサラリーマン、海外からいらした方々など、様々な人たちが一堂に会し思い思いに感想を口にしながら楽しんでおり、まさにこの場自体が展示のサブテーマである「寿ぎ」であると感じました。

思い返せば4月に入社してから慣れない通勤電車に乗り、業務と格闘し、這々の体で帰宅する日々が続いており、文字通り生きるのに精一杯でした。学ぶことや仕事自体は楽しいけれど、疲れるものは疲れる。いつしか仕事終わりに夜の水族館や美術館、博物館へ行けたら良いのに、と強く渇望するようになっていました。

思えば昔から仕事に疲れた時や一人になりたい時、水族館や美術館のナイトプログラムへ足を運ぶのが好きでした。ゆらゆらと泳ぐ魚たちや、美しい絵画や博物館の展示物を静謐な空間の中で眺めていると、いつしか心が凪いでいくのを感じる事ができ、また非日常的な空間にワクワクするような気持ちになれるのです。

東京に出てきてからそうしたこととは疎遠になりつつありましたが、改めてこの日そうした体験をでき、懐かしく感じる事ができました。忘れていた自分の好きなものを思い出せる事など、滅多にあるものではないでしょうから尚更嬉しかったです。

東京の暮らしにはまだまだ慣れる気配がなく、時折心の中に高村智恵子がするりと入り込んでは郷愁を掻き立たせる日も少なくはないのですが、住めば都という言葉もあるので、焦らず少しづつ東京での「好き」を見つけ、いつか愛着を持てればよいと思います。

都会の隙間で呼吸しつつ、なんとか生きていきたいものです。

 庭園から見えたお月様。燕子花も見頃でした。