東京で暮らす女のとりとめのない日記

暮らしとカルチャー、ミクスチャー

買ってよかった&使い続けてよかった2025

今年も残りわずか。以前、インターネット・フレンズに会ったときに「商品紹介が上手」と言われたことがうれしかったので、久しぶりにお題に乗ってベストバイ記事を書こうと思います。

とはいえ買ってよかったって刹那的な側面もあり、そのときは「めちゃくちゃいい!」と思っても、数年たつと「あれ?そうでもなかったな…」と思うこともしばしば。もしそれを見て買った人たちがいたら申し訳ないな、無責任なことはしたくないなと思ったので、今年は年内に買って、新鮮な気持ちでよいと思っているものを”買ってよかった”枠、数年前に買ってから今まで気に入って使い続けているものを”使い続けてよかった”枠に分けて紹介していきます。

それではどうぞ!

買ってよかったもの

日用品部門

Honey Blanket ジロンメリノウールのひざ掛け

上京してから今までずっと実家から持ってきたブランケットを愛用していたけれど、さすがにくたびれてきたので新調しました。いろいろと考えて、あたらしいブランケットはメリノウール素材のものに。

安くない買い物なので、失敗したらどうしようか不安だったけれど、全くの杞憂でした。ここのブランケットはチクチクせず、ふわふわであたたか。しかも重くない!

あまりにも良くて気に入ったので、寝室の毛布用にもう一枚買い足そうか悩んでいるところ。今のところ洗ってもへたらず、いい買い物をしたなぁと満足しています。

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キッチン部門

ツヴィリング Fresh&Save 真空保存スターターセット

コロナ禍を経て中国茶台湾茶にハマり、イベントや旅先で茶葉を買っては楽しんでいるのですが、一方で茶葉の酸化が気になるので、試しに買ってみたらとてもよかったです。お茶の風味が損なわれにくく、緑茶や紅茶の保管にもかなりいい。気に入ったのでコンテナや保存バッグを少しずつ買い足し、コーヒー豆やチーズ、生姜やにんにく、果物や野菜など、様々なものをこれで保管しています。

この他にも食べきれなかったお惣菜やおかず、お刺身なんかも長期間保存できてとても便利。真空のプロセスがやや手間なのと、場所を取るのがネックではありますが、食材をダメにしてしまうストレスや、期限や傷み具合などの管理をする大変さがかなり軽減されました。

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ヘルスケア部門

Panasonic コリコランワイド

慢性的な肩こりに悩まされるわたしを見かねて、夫がプレゼントとして贈ってくれたもの。「高周波…?本当に効果あるの?」と半信半疑でしたが、確かにこれをつけていると調子がいい。なんか今日肩が張っているな、これを放置すると頭痛になりそうだな…という朝に装着してしばらくしていると、嫌な感覚がいつの間にか引いているので驚きます。

こういったアイテムにありがちな重さや付け心地の悪さがないのもいいです。あまりにも軽くて違和感がないので、外すのを忘れて出社してしまい、後輩に「それなんすか」と言われて気づいたこともありました…

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メイク・スキンケア部門

松山油脂 リップクリーム

冬になると唇が荒れる民ことわたし。荒れないと言われているリップはひと通り試したものの、わたしの鋼鉄の唇がすべてをなぎ倒してしまい効果なし。敢えてキャンメイクのシュガースクラブリップを塗って、皮むけをなかったことにするくらいしかソリューションがなかったのですが、これを塗ってからだいぶ落ち着くようになりました。

それまでは毎年冬になると夫に「唇荒れてるよ」と言われ「なんでそんなところまで見てるんだよ、怖いな…」と思うのが風物詩になっていましたが、今のところ言われていないので効果はあるはず。化粧水やクリームの評判もいいみたいなので、手持ちのスキンケアが切れたら試してみたいな。

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アスタリフト D-UVシールド

今年リニューアルされたアスタリフトの日焼け止め。もともとリニューアル前の商品が好きで愛用していたので、今年の夏に美容系のYouTuberたちがこぞって紹介しているのを見て、後方腕組み顔で「そうでしょう、そうでしょう!」と思っていました。(古参オタク仕草)

テクスチャーは以前より固め。でもきちんと伸びるし、しっかり守られている感がある。この夏はこれを塗っているだけで、かなり安心感がありました。

アスタリフトは価格帯的に手が出しにくいアイテムもあるけれど、日々使うものは比較的リーズナブルな値段で出してくれるのも好きなところ。来年の夏もお世話になります。

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UNMIX アイミックス トパーズ

ひさしぶりに買ったアイシャドウ。人差し指でぱぱっと塗って、顔が立体的に見える単色アイシャドウという「トラを屏風から出せ!」という無理難題な欲望を抱え、探しに探してたどり着きました。

温かみがあるオレンジだけど野暮ったくなく、はっきり主張しないけれどきちんと変化が感じられる。細かいパールがのっぺりした印象にさせず、欲しい陰影がきちんと出る。なにより塗り心地がとってもいい。オイルインパウダーなので、ずっと目元がしっとりしている感じがあって、時間が経っても二重幅にたまらない。

マスカラやアイシャドーペンを買った時も感じたけれど、吉川さんがプロデュースするプロダクトって、かゆいところに手が届くものばかりで本当に惚れ惚れします。中年になって「なんか最近メイクがしっくりこないな」という人にこそ試してみてほしいです。

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セザンヌ 描くアイゾーンコンシーラー

これさえあれば、目元のメイクはなんとかなる!ってくらい日常メイクに必須なアイテム。中年の涙袋メイクってかなり難易度が高めじゃないですか?アイシャドウの上からコンシーラーを乗せるとのっぺりするし、涙袋の影を描くとクマっぽくなるし。でも無いとものたりない印象になる。そんな中でセザンヌ涙袋コンシーラーは、線が細くてマイルドな色味なので、なじみがよくて使いやすかったです。

元々は敬愛する岡田知子さんがYouTubeで紹介されていたことがきっかけで購入したのですが、買って大正解でした。これを下まぶたに仕込んでから、UNMIXのアイシャドウをささっと乗せると、わざとらしくないけど存在感がある涙袋ができて、目元に立体感が出る。さすが俺たちの岡田さん!一生ついていきたい!

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ファッション部門

シンゾーン クルーネックTシャツ

今年の夏から秋、なんなら今も着ているシンゾーンのTシャツ。脇に縫い目がなくて、着心地がとにかくいい。生地がうすくて肌離れがさらりとしているので、じっとり暑い夏でも気持ちよく過ごすことができました。こなれたカジュアルさがあって、なかなか他にはない質感もお気に入りです。

気に入りすぎて、夏はこれ一枚、秋口はカーディガンを羽織り、とことん着倒しまくりました。中年になって服は身軽であればあるほど良いと感じているので、来年用にもう1着買い足そうか迷い中です。

CREW NECK T-SHIRTshinzone.com

使い続けてよかったもの

日用品部門

エステー 消臭力 自動でシュパッと

我が家のトイレの芳香剤どうする問題、ファイナルアンサーはこちら。これまでファブリーズの置型芳香剤からサンタマリアノヴェッラのポプリまで、巷でよいと言われるものは一通りためしたものの、香りの拡散性が弱かったり形状が扱いにくかったりと、なかなかこれだというものに出会えず。

エステーのシュパッとは、毎回自動で芳香剤を空間に拡散してくれるので、いつもいい香りが続く!見た目もすっきりしていて、インテリアのノイズにもならない。香りがやさしく、ツンとこないところもお気に入り。我が家ではフィンランドリーフの香りを愛用中です。

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キッチン部門

SHARP 水なし自動調理なべ ヘルシオホットクック

これが家に来てから料理が本当に楽!自炊が苦なタイプでもないし、ホットクックありきのオペレーションを考えるのって面倒だから、買わなくてもやっていけると思っていたけれど、本気で運用を考えた結果、とても頼もしい相棒になりました。

特にわたしのような料理にこだわりがある人間は、これ1つですべて調理をするよりも下ごしらえメインで使うと幸福度が高いです。調理中にホールスパイスをテンパリングしてくれていたり、香味野菜をいためてくれていたり、出汁を取っておいてくれたりと、日々の料理にアシスタントがついていてくれるようでとっても楽。放っておいても焦げないので、安心して目が離せるのもいい。

それから副次的なメリットとして、夫が料理に参加しやすくなりました。我が家は家事分担をお互いの得意不得意で分けていて、得意な方がやったらいいがベースではあるものの、片方が風邪などで倒れた時などに動けるくらいの可用性は担保しておきたいと、コロナを経て思うように。

ですが夫はマルチタスクがとても苦手。にも関わらず、料理という家事はマルチタスクの最たるもの。「鶏肉がきつね色になったら調味料をいれる(合間にまな板を洗う)」「煮立たないくらいの温度であたためる(その間に食器を用意する)」というのは、得意な人とそうでない人には労力の感じ方、そしてストレスや疲労の溜まり方に大きな差があるんですよね。

でもホットクックなら食材を洗って切って入れるだけ。家事を任せる側も、行う側もリスクと疲れを減らしながら、ハッピーに生活することができる。そんな家事のユニバーサル化と言う観点でも、買ってよかったです。

cocorostore.jp.sharp

ストウブ ココットラウンド20cm

我が家のパン作りにはかかせないストウブ。カンパーニュを作るのにちょうどいい大きさで、これで作ると本当においしくできます。

他にも煮物、汁物はもちろんのこと、これで天ぷらを揚げるととっても美味しく揚がるのがお気に入り。鉄の熱伝導率が…という専門的な話は長くなるので置いておくとして、とにかく汎用性が高くてありがたい。手入れが簡単なのもいい。

あと、わたしは主食が玄米(単純に白米が好きじゃない、食感と香りが感じられる穀物が好き)なのですが、ストウブで炊くともちっとした食感になるのもうれしい。日々食べるものが美味しくできて助かっています。

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ヘルスケア部門

味の素 プロテインスープ コーンクリーム

ずっと愛用している味の素のプロテイン。一時、値段の安さに惹かれて他の商品を試したけれど、断然こちらの方が美味しかったです。味の素の企業努力たるや。

高たんぱくを謳う商品開発って本当に難しくて、美味しくしようとすると、口当たりをよくするために脂質を多くするか、脂質をゼロにする代わりに甘味料や炭水化物で味をマイルドにするのが常ですが、味の素のプロテインはそのバランスが取れているなという印象でした。

ダイエットも食事改善も美味しくないと続かないので、来年から身体作りや生活習慣の改善を考えている人には特におすすめです。ただし脂質は他のプロテインに比べて高い方なので、組み合わせる食事は気を付けるべし。

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メイク・スキンケア部門

トゥベール 薬用ホワイトニングローションαE

他の化粧水を使ってもなんだかんだこちらに戻ってきてしまう。もう何本買ったかも覚えていないです。わたしは脂性肌よりの混合肌だけど、これを使うと吹き出物が本当にできなくなる。ただし乾燥しやすい人や敏感肌は刺激が強いかもしれないので、そこだけご注意を。詳細は過去の記事に書き綴っているので、気になる方はそちらをご参照ください。item.rakuten.co.jp

ファッション部門

オーラリー カシミアカーディガン

もう何年着てる?ってくらい着倒している大好きなお洋服。ほつれた部分を直したり、毛玉を取ったりと、自分でメンテナンスをしながら、ずっと大切に着ています。ゆるっとしていてあたたかい空気を含むような着心地、なめらかでふわふわの触り心地、どれをとってもストレスフリーで、袖を通すだけで毎回しあわせな気持ちになる。

マロンクリームのようなまろやかな色味も大好きです。これにヤヌークのデニム、ビルケンのボストン、シンゾーンのTシャツを合わせるのがわたしの秋冬の制服でした。もはや寒いシーズンはこれしか着ていないんじゃないかと思うくらいお世話になっているし、物理的に着れなくなるまで使い続けるつもり。

www.junonline.jp

モンベル サンブロックアンブレラ55

年々ひどくなる暑さ、コンクリートジャングルの東京。今年は出社回帰の波がとうとう弊社にもやってきて、ひぃひぃ言いながら暑さを耐えて出社していたのですが、そんな厳しい環境でも熱中症にならなかったのは、モンベルのおかげと言っても過言ではないです。数年使うと紫外線でベルト部分の塗装が剥げてくるけど、店頭でお願いすればメンテナンスに応じてくれるのも助かります。もう大阪には足を向けて寝られない。

数年前までは需要に対して供給が追い付かず、いざ酷暑になってから買おうとしても買えない…という状況が続いていましたが、昨年からは通年で店頭に置いてくれるようになりました。こうした企業姿勢も信頼できるし格好いいなと感じます。

敢えて上場せず、地道に中間コストを削減しながらも商品の品質は落とさず、かつ消費者が買いやすい値段で提供しようと、とにかく今日日珍しいくらい真面目でカスタマーファーストでいてくれている企業なので、気になった人はECサイトで転売されている商品ではなく、公式サイトから買って支えてほしいな。頼むぜ!

モンベル | オンラインストア | サンブロックアンブレラ 55

今週のお題「買ってよかった2025」

 

編集後記

ここからは編集後記という名で、今年のベストバイを振り返って感じたことをば。

 

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振り返って2025

例年よりも穏やかに師走が始まり、ホリデームードに心が浮き立つ昨今、いかがお過ごしですか。久しぶりにブログを書く時間が取れそうなので、少し早いですが2025年を振り返ろうと思います。

大好きなお店に通い詰めた1年

今年1番の出来事と言えば、大好きなパン屋さんができたこと。元々コロナ禍を経て自分でパンを作るのが生活の一部となっているのだが、採算度外視で材料に凝り始めた結果「どこで食べてもビビッと来るパン屋さんに出会えない…」という業を背負うことに。

心から好きだと思えるパン屋に出会えず半ばあきらめていた時、出先で偶然見つけたお店で「うっわーーーーーー!!!!!めちゃくちゃ美味しい!!!!」と叫んでしまうようなパンとの出会いを果たし、それ以来定期的に通い詰めることになった。

お店はトルコオリジンのご夫婦が営まれていて、センスが光るディレクションもさることながら、決してバズらせず、人と人のつながりを育みながら、軽やかに続けている姿勢も好きだ。なによりふたりの人柄があたたかくて、行くたびに英気を養える。大げさでなく、心からわたしのパワースポットになった。

気になった人は、このキーワードできっと見つけられると思うけれど、特に秘密にしているとかではないので、コメントでもDMでも聞いてください。そして見つけたら同じように、奇跡のようなお店が存在するささやかな喜びを、ひっそりと共有してくれたらうれしいです。

読書愛、再燃

引っ越し先になかなか良い図書館があって、最近は足しげく通っている。ついでにブクログに記録もつけるようになって、大学生ぶりに読書が楽しくなってきた。今年の目標100冊には届かなかったけれど、80冊と忙しいなりにまぁまぁ読めたかなと思う。

特に印象に残っているのは以下の5冊。おすすめです。

そろそろ積読も解消の兆しが見えているので、おすすめの本があればぜひ教えてください。来年は読書会にも参加してみたいな。

漫画も引き続きおもしろい

書籍を読むほどまとまった時間がとれない、けれど脳を考え事から解放したいときは漫画の存在に助けられていた。特によかったのは以下の10冊(Web漫画含む)。

青野くん~のラストは、ありがちな終わり方でなかったのがすごく良くて、しばらく余韻が残っていた。なんというか、傷ついているという言葉では到底表せない痛みが魂の深部にまで刻まれた人間が、物語の最後に読者と主人公を納得させるための存在にならなくて、本当によかった。

完結した漫画との別れはさみしくもめでたく、引き続き連載を続けてくれている作家さんにはとにかく感謝の気持ちでいっぱい。一方で『セクシー田中さん』の作者の訃報には未だに心を痛めている。ほんと、どんな業界であれ、人を人として大切にするのがそんなに難しいか?

NewJeansとMin Hee-jinのしあわせを祈っている

2024年から2025年の関心事といえばもっぱらこのことだった。実はめちゃくちゃNewJeansが好きで、でも中年がヤングカルチャーに口をはさむのってダサいよな…という自意識からずっとひそかに応援していたんだけど、まさか活動休止になるなんて思ってもみなかった。

もともとミン女史は、わたしが学生のころに大好きだった少女時代をプロデュースしていた人。そんな彼女が新しいガールズグループを手がけたというのは、そのプロデュース力はもちろんのこと、大好きな先輩が華々しくキャリアを成功させていて、後輩としてそれをうれしく思うような、そんな気持ちで眺めていた。

泥沼化する訴訟をニュースで眺めつつ、けれどめげずに新会社を立ち上げるミン女史はやっぱり応援したいし、「オンニ!ファイティン!」と言いたくなる。そして何より、メンバーが適切にケアされ、自分らしい日々を生きていることを、心から祈っている。

ディアンジェロ生き返らないかな

この記事でも書いたように、今年の10月にディアンジェロが亡くなった。まだまだ引きずっていて、インスタで彼に対するポストが上がってくるたびに「あー、生き返ってくれないかなぁ」と思う。

救いなのは、彼の冥福を祈って演奏するアーティストたちやフォロワーたちが、AIを使ってプレイしていなかったこと。彼が手掛けた曲は、いかにも特徴的で、AIでそれっぽくトレースしやすいのだが、アーティストたちがそれを使わないことにはプライドを感じたし、彼が生み出したグルーヴや抜け感に対するリスペクト、何より音楽への愛が感じられて、一種のヒーリングのような効果まで感じた。

あー、でもやっぱりしんどいよ。本当、未練たらしくずっと想ってしまうのだろうな。

Podcastを聞くのが楽しい

今年はとにかくPodcastをよく聞いた1年だった。特にお気に入りなのは以下のPodcastたち。

なんとなくガールズトークが聞きたいなと思って見つけたのがこのふたつ。特にぺこじぇしは、コテコテの関西弁と明るくて豪快な笑い声がいい。恋愛相談から人間関係の悩みまで、ガハハと笑い飛ばすふたりの喋りを聞いていると、景気よく明るい気持ちになれる。

関西と言えば、上沼恵美子YouTubeも面白かった。えみちゃん直伝のお好み焼きレシピは本当に美味しくてびっくりしたし、お好み焼きを焼くだけの15分をエンタメショーとして一切飽きさせずに魅せるって本当にすごい。傑物って彼女のためにある言葉だと思う。以前、芸能人のハラスメントが事件として報道されたときに、他のコメンテーターが歯切れの悪いコメントをする中で、彼女だけは烈火のごとく怒り、被害者に寄り添ってコメントしていたこともあった。あの姿には本当にしびれた。

小林カツ代といい、上沼恵美子といい、大阪の女のあの人情っぷりのよさって、どこからやってくるのだろう。シスターフッドと呼ぶには骨太で深い、大阪の女たちが持つ独特の勢いにハマった2025年だった。

Duolingoは引き続き継続

日常が緑のフクロウに縛られている。憎き円安ドル高によって、インボイスが届いたときは目玉が飛び出るかと思った。しかし、継続しているとそれなりに恩恵はあるので、辞め時がわからない…というのも正直なところ。最近はモチベーションを失いつつあるので、もしフレンズになれるひとがいたらなってください。一緒にクエストしましょう。

インターネット・フレンズとの出会い

夏と秋にかけて、ブログやインスタを通じて知り合ったひとと、お茶をしたりピクニックをしたりする機会があった。インターネットの人が目の前にいる不思議さを感じつつも、ゆるやかな居心地の良さを感じてありがたかった。しろたえのお菓子、美味しかったです。

実生活でもあたらしい出会いの機会が増えてきた。友人たちが婚約したり、結婚したり。少しずつ人との輪が広がっていくことがうれしく、くすぐったい気持ちになる。わたしの大切な人たちよ、末永くしあわせでいてね。

続・夫との暮らしは楽しい

結婚生活も年季が入ってきたふたりだが、相も変わらずたのしく暮らせている。人生に正解や不正解はなく、意味もなく、ただ出来事があるだけ、というのが私のモットーだったが、それが揺らぐくらいには日々がちいさな幸福で満たされている。もちろんささいなすれ違いもあれば、物理的に会えない日もあるが、常にお互いが関係をフィックスし続ける意志さえあれば、たいていのことは笑い話になっていくものなのだ。お互いの変化をたのしみつつ、これからも一緒に暮らすことをやっていきたい。

それからこれは最近気がついたことなのだが、夫を見ていると、他人の悪意には鈍感であればあるほどよいと感じる。相手からの悪意を受けとらず、善い人と信じてコミュニケーションをとること。これを私の2026年におけるテーマとしたい。

 

おわりに

あっという間の1年だったけれど、とても楽しかった。ミドルエイジに差し掛かって、周囲のひとたちに還元できることが増えてきたのもうれしい。

以前はひとのやっかみを恐れて、不幸なそぶりを織り交ぜていることもあったけれど、これからは堂々と幸福を享受する人生を、ささやかながらに送っていきたい。人生、ほっといても不幸はやってくる。それなら今のしあわせを存分に味わい尽くしたい。

自分の境遇をつらい、苦しいと思っていると、本当にそうなってしまいそうだから、そうしたことばかり見つめずに、日常の中にあるちいさなよろこびを数えながら、朗らかに生きていけるよう努力を積み重ねていこう。その延長線上に、だれかによいものをおすそわけできるような人生があるのかもしれない。

ここを見てくれている友人各位、ブログでは話せない振り返りもあるので、ぜひ会って話をしようね。それではみなさんHappy Holidays!

 

過去のふりかえり記事はこちらから

lesliens225.hatenablog.com

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さようならには早すぎる

ディアンジェロが亡くなった。享年51歳だと言う。

彼の音楽と出会ったのは上京して間もない頃、酒場でたまたま隣の席になった、やんちゃの盛りを過ぎて目尻にしわが寄り始めた、気のいい兄ちゃんが教えてくれたのがきっかけだった。
レイジーなビート、スムースなヴォイス、ディープなグルーヴ、チルなフロー。エピキュリアン的な音楽にじわじわと生活と脳が侵食されていき、気がつけばずっとiPhoneでリピート再生するほど中毒になっていった。

それ以来、彼の音楽はわたしの生活とともにあった。バイトでくたくたにくたびれて電車に揺られているとき、卒業論文を何度も推敲しているとき、彼氏と別れて夕方の山手線沿いをひたすら歩いていたとき、職場から帰宅して自宅で料理をするとき、朝風呂に入って本を読んでいるとき、夫とドライブに出かけるとき。
何度も何度も繰り返し聞き、その度に新鮮な発見と歓びを感じていた。

2014年に14年ぶりにアルバム”BLACK MESSIAH”がリリースされたときは飛び上がるほどうれしかったし、その内容も旧作に慣れ親しんだファンの期待を裏切らないクオリティで、ますます彼のことが好きになった。ちょうど「はい次、はい次」と曲がリリースされていく音楽業界に、リスナーとして息切れし始めていた時期でもあったので、納得がいくアルバムを年月をかけて作成しさらりとリリースして見せるという、ありとあらゆる枠組みから自由な彼のスタイルに対しても、心底かっこいいと感じたのだった。

次にアルバムをリリースするのはまた14年後だろうか。そう思っていたのにな。

朝起きてスマホを開き、Instagramのタイムラインを遡るとロバート・グラスパーが追悼のポストを上げていた。”One of one. Thank you. Rest Well.”の文字に、頭が真っ白になる。
彼を愛するアーティストたちが次々と哀悼の意を示していて、何かの間違いなんじゃないかという期待があっという間に冷えていくのを感じた。

もちろん私は彼とプライベートな付き合いもなければ、仕事で関わったこともない。けれど、リスナーとして一緒に過ごしてきた年月の厚みから感じる喪失感は、親友を亡くしたときのそれと同じだった。

とにかく寂しく悲しい、もう二度と彼の新しい曲を聴けないことも、ステージで歌う姿を見られないことも、感謝を直接伝えられないことも、いつかという目標や夢、そのマイルストーンのひとつが消えてしまったことも、何もかもがただただ哀しくて仕方がない。

これまでアカウントだけ作って一切Instagramを更新しなかったのも、病名を公表しなかったのも、その去り際にいたるまですべてが彼だった。そのうちまたさらりと新譜がリリースされるような気がしないでもない。さようならには早すぎるので、今はまだ彼が遺した音楽を聴いていようと、今朝はレコードの棚から”Voodoo”を引っ張り出して、針を落とした。

ありがとう、いつかまたどこかで。

2024年 冬の金沢旅行1日目 予定も立てず気の向くままに町散歩

1月下旬、金沢へ旅をすることにした。年始に能登半島沖で起こった地震の影響で観光客が激減しているらしく、SNSでは連日「金沢へ観光に来てほしい」という声を目にしていた。

実は以前に私たち夫婦はそれぞれ金沢を旅行したことがあったのだが、当時はいずれもよい想い出がなかったので「いつか上書きしに行こう」と言っていた。そうしていろいろと悩んで話し合った末に、今行こうということになった。

当日は分厚い羽毛布団で覆ったような薄ねずみ色の空。1月だと言うのに雪はなく、駅前の雪吊りがぽつねんとたたずんでいた。

特に観光先を決めてきたわけでもないので、まずはゆっくり駅前を歩いてみる。駅は確かに人が少なかった。ときどき日本赤十字や各県から派遣された職員などがぞろぞろと通り過ぎていく。

西口の方に出てみると、変わった形のモニュメントが目に留まった。少しバランスを崩せば倒れてしまいそうなそれは、これひとつでカナザワと読めるらしい。

さらに西口の柱もよく見てみると波打つように形がとられていて美しかった。側面に貼られたタイルをよく見ると、所々金箔が施されている。誰も目に留めず、通り過ぎていくようなところまで造形が細かい。

西口のあたりを見た後は駅舎に戻って中を眺める。西口と東口をつなぐコンコースをよく見ると、石川に関する工芸やモチーフがあちこちにあることに気が付いた。

改札を出た正面には前田藩の家紋である加賀梅鉢に似た格子があった。上部に置かれたデジタルサイネージには「能登へ祈りを」という言葉に続いて、「全国から復旧支援にかけつけていただいた皆さま心からありがとうございます」というメッセージが照らされていた。

東口に向かって進むと、柱のあちこちに九谷焼や輪島塗などの金沢の伝統工芸品のパネルが埋め込まれていることに気がつく。それぞれ名工が手掛けた作品で、かなり見ごたえがある。

三谷吾一氏の輪島塗作品(沈金技法・蒔絵技法)
前文雄氏の輪島塗作品(沈金技法・彫り技法)
小森邦衛氏の輪島塗作品(髹漆技法)

いや、これをさらりと展示しているけれど、かなり贅沢なことではないだろうか。輪島塗と言うとつややかな漆のイメージしか持たなかったが、様々な技法を駆使して表現する塗り物だということがよくわかった。そしてその表現もモダンであったり、伝統的な美しさであったりと、裾野が広く自由だ。

まだ旅は序盤だというのにも関わらず、さっそく石川県が育んだ上質な文化に圧倒される。クラクラしながら東口に向かうと、おなじみの鼓門が見えた。

やはりこれを見ると金沢に来たなぁという実感が湧く。改めて眺めていると、奥のもてなしドームと呼ばれる立体的な建物の造形のカッコよさに気づく。陶器でできたベンチが鼓門に向かって等間隔に並べられているのもいい。

さらに鼓門の先には点滅する時計があった。気になるので、近くまで行ってみてみることにする。

一見するとデジタル式のように見えた時計は、なんと噴水式でできていた。それぞれの段で噴水の水量を調整して、時刻やメッセージを表示しているという贅沢な仕様だ。

調べてみるとこの噴水式時計に使用されている水は、兼六園の水源としても利用されている辰巳用水から流れてきたものらしい。金沢に対して水源が豊かな都市というイメージはなかったので驚いた。この辰巳用水も前田藩の頃に整備されたものらしく、過去の治水事業のなごりが現在まで利用されていることにロマンを感じる。

駅前をのんびり散策したあとに、駅構内にある金沢百番街を覗いてみると、ひらみぱんというお店が出店していた。ずらりと並んだつやつやのパンに思わず引き寄せられる。

どれもこれもおいしそうで悩ましい。短い列の中には観光客のひともちらほらといて、関西から来た若いカップルもいた。彼女たちが真剣にどのパンを選ぶべきか議論している姿にほほえましくなる。

あれこれと悩んだ末に、わたしたちはカヌレと惣菜パンを買った。持ち帰り用の袋のイラストがかわいらしくて胸があたたかくなる。いつか本店にも行ってみたい。

店名:ひらみぱん
住所:〒920-0865 石川県金沢市市長町1丁目6-11
URL:https://hiramipan.co.jp/

そうこうしていたら、もう時刻はお昼になっていた。パンは移動中に低血糖が起きそうなときに食べるとして、お昼ご飯はその土地の日常食らしいものを食べておきたい。

いくつか候補をあげて優に決めてもらうと「おうどんに惹かれるね」とのことだったので石川県民ならだれでも知っているという加登長というお店に向かうことにした。

食品サンプルには見慣れない具材が多くどんな味かワクワクする

お店の中に入るとちゃきちゃきとした女性が席まで案内してくれた。店にはわたしたちだけで、少し緊張する。メニューは懐かしい字体で、うどんやそばの他にラーメンや丼ものなどもあった。うどんのラインナップは京都で見たものに近く、関西の文化圏に近しいのかなと考える。

魅力的なラインナップにどれにするか悩んでいると、お姉さんが「ご注文はお決まりですか」と聞きに来てしまった。慌てて「ごめんなさい、まだ決まらなくて。おすすめはありますか」と尋ねると、普段そうした質問はされないのか、一瞬間があいたあと「…うーん、なんでしょうね、おすすめ…今の時期なら天鍋ですかね!」と真剣に考えつつもほがらかに答えてくださった。ではそれで、とお願いして楽しみに待つ。優はもち鍋うどん。

しばらくして届いたうどんは湯気がもうもうと立っていて、ふたを開ける前からすでに美味しそうな予感がする。鍋はめずらしくホーロー製で、受け皿として置かれた桃色のお皿がかわいらしい。

ふたを開けると、予想以上にメルヘンでかわいらしい姿に胸がときめいた。ネギではなく、ささやかに添えられたインゲン豆。半熟のちいさめな卵。梅をかたどった麩に、初めて見る赤いうずまきの蒲鉾。この蒲鉾は地元では赤巻と呼ばれているらしく、食卓でもなじみがある食べ物なんだそうだ。

さっそくレンゲで出汁をすすると、予想以上に甘めの出汁でびっくりした。見た目が関西の鍋焼きうどんに近いこと、海が近い街なのでてっきり鰹や昆布の出汁が力強く感じられると思っていたのだが、とにかく甘い。うどん麺は京都をほうふつとさせるやわらかな食感。

もともとこの加登長は明治に立ち上げた際に京都から料理人をつれてきたそうで、そこから現地のひとたちの舌に合わせていって今の味になったそうだ。最初に「京都っぽいな」と感じたのはそれだったのかと思いつつ、ではこの甘好みは石川独自の文化ということなのか…しかしいったい何故…と謎は深まるばかり。石川の食文化を知るには一筋縄ではいかないのかもしれない。

店名:加登長 総本店
住所:〒920-0904石川県金沢市下近江町42
URL:https://g.co/kgs/Me94RVT

うどんで身体があたたまったあとは、長町武家屋敷へ。近くの香林坊はとても栄えていてショッピングモールが立ち並んでいるのに、こちらに来たとたん景色が土塀と瓦屋根の街並みに転換して脳がうまく処理できない。タイムスリップってこんな感じかなと思う。

土塀には筵のようなものが吊り下げられていて不思議な光景だ。いったいこれはなんだろうねと話をしながら通り過ぎる。

いい気持ちでぶらぶら歩いていると、長町研修塾と看板が掲げられた施設が目に留まった。中に入ってもいいようなので、お邪魔しますと誰にともなく言って門をくぐる。

中に入ると、こぢんまりとしていながらよく整えられた庭と、奥には茶室があった。いったい何の施設かわからずうろうろしていると中にいた施設の方に出会い、ここは金沢の職人学校を卒業した人たちが手掛けた作品群であることを教えていただいた。

というのも金沢では、市内における文化財の保存・修復と後継者不足による課題解決のため、独自に若年層の職人を対象として教育を行っているのだそうだ。

庭を回ると、先ほど外で見たような筵が灯篭にも巻かれているので「これはいったいなんですか」と職員の方に尋ねると「これは薦(こも)と言って、金沢では雪が降り始める前にこうして土塀や灯篭のように、熱や重さで壊れやすいものを守るんです」とのこと。

「装飾じゃないんですね」というと「そうも見えますけどね、物を大切にするという気持ちの表れですね」と言われ、金沢のひとたちの暮らしに対する姿勢を垣間見たようだった。

施設名:金沢職人大学校長町研修塾
住所:〒920-0865 石川県金沢市長町1丁目3-7
URL:https://maps.app.goo.gl/K7Zte6Kgg3opAyXw8

その後は、この旅で唯一目当てにしていた食器屋さんへ。2019年頃に色絵のお皿を探していたときに見つけたのだが、その直後にコロナが流行るなどしてなかなか来ることができなかった。やっと念願かなっての訪問に胸が高鳴る。

店内は撮影できないので写真は載せられないのだが、想像していた以上にすてきなお店だった。ディスプレイやレイアウトの趣味がよく、お皿一つ一つが魅力的。店番をしている店主の方は一見怖そうに見えるけれど、こちらが興味を持っていると知るとあれこれ紹介してくださってやさしかった。最後にちょうど出先から戻ってきた作家の方ともお話しできて感無量。1時間はゆうにいて、一生分くらいのお皿を買い込んだように思う。オンラインショップはやっていないという潔さもあり、旅の思い出と合わせていい買い物ができた。

店名:本田屋食器店
住所:〒920-0865 石川県金沢市長町1丁目3-8
URL: https://www.instagram.com/hondaya_syokkiten/

本田屋食器店で食器を買った後は、気になっていた和菓子のお店へ。板屋というお店で、名物の「こもかぶり」というお菓子がここでだけ出来立ての状態で食べられるのだという。

店内に入ると目の前に実演スペースがあり、ものすごい手際の良さで職人さんがお菓子を作っていた。うすく敷いたクレープのような生地に、餡子と栗の甘露煮を乗せ、端から目にもとまらぬ速さでくるくると巻き上げていく。

中には一組だけ関西から来たというお姉さんたちがいて、実演を見ながら「いーやッ!すごいわぁ」「これ阪急にも来ます?」と矢継ぎ早に話しかけていた。できあがった出来立てのこもかぶりを渡されたときには歓声があがっていて、これは作り甲斐があるだろうなぁと頬がゆるむ。ひらみぱんのときも関西からきたという人たちがいたし、金沢は関西から遊びに来やすいのだろうか。

せっかくなのでわたしたち夫婦も作りたてのこもかぶりをいただいた。海苔を薦に見立てているのか、なんだか頭巾をかぶった童のようでかわいらしい。

出来立ては生地が軽くサクサクとしていて、クレープ菓子を食べているよう。「出来立ても美味しいですが、時間がたつと水分を含んでもちもちになったものもいいですよ」とお店の人に勧められ、真空パックされたものを1粒だけ買って帰ることにした。

店名:板屋
住所:〒920-0918 石川県金沢市尾山町10-18
URL:https://itaya-net.com/

こもかぶりを食べたあとは国立工芸館へ。都内から移設された陸軍第九師団司令部庁舎と旧陸軍金沢偕行社を目当てにいったのだが、展示も見ごたえがあって充実した時間を過ごすことができた。

特に2階に展示されていた、金沢出身の人間国宝である松田権六の漆作品は、精緻な線と余白を活かしたデザインが美しかった。彼自身、第一次世界大戦では徴兵されていた経験があり、激動の時代を活きる中で自分の技術を糧としていった姿と建物との歴史が重なる。

工芸館を出てはす向かいにあるレンガ造りの建物を眺めていると、建物と建物の間に薦に巻かれた筒のようなものを見つけた。

近くにある説明書きには「辰巳用水石管の再生」とあり、ここいしかわ赤レンガミュージアムを造るにあたって記念のモニュメントとして造形されたものとある。もとは木だったものが、江戸後期には石造りに代わったのだそうだ。

しかしこれにも薦をかぶせるのかと、金沢の人々のまめまめしさがなんともいとおしい。思わず優と顔を見合わせて笑ってしまった。

この後に向かった21世紀美術館は、あいにく地震の影響で休館中とのことだったので、そのまま近くにあったしいのき迎賓館へとふらり足を伸ばす。

ここは大正期に建てされた県庁舎を一部用いて創られた建物らしい。通りから見ると贅沢なつくりのハイカラなデザインが、金沢城の方からみるとモダンな近代建築のようで不思議だった。

館内にはポール・ポキューズのカフェとレストランもあった。ちょうどイベントがあったのか、係りと思しき人たちが足早に通り過ぎていく。1階を見ていると、明日の午前からボランティアの方がガイドをしてくださるようなので、それならまた明日来ようとさらりと見て後にした。

夕食の時間まではまだまだある。もう一か所だけ観光していこうと、優を誘って尾山神社へと向かうことに。

夜の尾山神社は人も少なく、一組の外国人観光客が家族で石段に座り込んでいたくらいだった。以前金沢にきた時に、まだ目覚めない友人たちを置いて、ひとりホテルから散歩に出かけ、偶然見つけたのがなつかしい。

その時は大勢での旅に気疲れしてしまって旅行どころの気分ではなくなっていたのだが、朝陽をあびてきらきらときらめくギヤマンを見て「これはいつか優に見せてあげたいなぁ」と思ったのだった。それが数年たってかなうのだから、人生はいいものだと思える。

さて、夜も更けたので一度ホテルにもどったあとは優が探してくれた居酒屋へ。

びっしりと埋められたメニューがいい

あまり食べたいものが思い浮かばなかったので「なんでもいいよ」と言ったのもつかの間、探してもらったお店のメニューがどれも美味しそうなものばかりでお腹が鳴る。

お通しの南蛮漬け、日本酒は天狗舞。茹でただけのアスパラの美味しさになごみつつ、のどぐろの旨味にふたりで唸った。

続いて白海老かき揚げ、能登のもずく。水ダコポン酢。このもずくが誇張抜きに今まで食べたもずくの中で一番美味しくて、思わずお代わりしようとしてしまうくらいだった。

そしてやっぱり金沢に来たらお魚だよね、ということでお造りも。しみじみと味わいながら、日本酒を飲んでふわりと酔いを感じる。誰にも邪魔されないこの時間が好きだなと思う。

店名:食楽 かぶ菜
住所:〒920-0981 石川県金沢市片町2丁目23-5パルシェ片町1F
URL:https://www.instagram.com/kabuna.daidai/

すっかりお腹もいっぱいになってお店を出ると、繁華街の明かりがきらきらときらめいていた。ホテルで過ごすための飲み物を買うためにコンビニへと寄る。

よく見ると街にはコンカフェやキャバクラ、クラブに風俗の案内所などもあって、なんだか東京の繁華街を一緒くたにしたようだった。隣ではヤンキーの男の子たちが叫んでいて、連れ合いの女の子たちが楽しそうに笑っている。その奥ではくたびれた顔の男性が、風俗案内所のパネルの下で煙草を吸っては足でもみ消す動作を繰り返していた。金沢ってやっぱり捉えどころがない街だ。

緩慢な動作でクラブに誘おうとする黒服たちの間を優とふたりですり抜けながらホテルへたどりつくと、もう夜の11時を過ぎようとしているところだった。そのまま布団に転がると疲れていたのか安心したのか、そのまま眠ってしまった。

自分のパーソナリティを大切にしつつ家族づきあいをすることについて

子供の頃から家族というものにはなかなか馴染めず、実の母親には無頼な娘だと呆れられている女こと私なのだが、結婚して義理の家との付き合いというものが発生してからはいよいよ観念して家と向き合わなくてはならない…と思うことが増えた。

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来年も作りたい!ふきのとう料理を満喫した 2024年春の記録

春は自炊が楽しい季節

1年の中で最も自炊が楽しい季節は春だと思う。スーパーの棚にやわらかな色合いの野菜が並ぶと自然とこころが弾む。

中でもときめくのは山菜だ。早いと2月下旬ごろから並び始めるそれは、タラの芽、ふきのとうと続き、桜の頃にはうるい、ウド、こごみと賑やかになってくる。そうして筍が出回り始めるころには、春との別れを感じるようになるのだ。

そんなわけで昨年から今年にかけて作ったふきのとう料理のうち、定番化したものや来年も作りたいくらい気に入ったものをまとめようと思う。まさに今は山菜のオンシーズン。手のひらからするりと逃げていく旬を懸命にたぐり、今だけの味を愉しみたい。

ふきのとうの楽しみ方

山菜の代表格と言えばふきのとうだ。ほろりとした苦み、清涼感と野性味のある力強い香り。ふきのとうをめぐる光景もいい。田舎の道を走っていると、ときどきスーパーのビニール袋いっぱいにふきのとうを採取しているひとたちを見つける。雪解けのころ、うすくなった雪の中からちいさく顔をのぞかせるふきのとうは、春を告げる風物詩でもある。

そんなふきのとうの食べ方と言えば天ぷらやみそが一般的だが、調理方法を変えるだけで様々な楽しみ方ができる。いくつかこれはというものを、ここでご紹介したい。

ふきのとうと海老の春餅

「ふきのとうを生地でつつんだら、かじったときに香りがあふれておいしいのではないか」と思いついたのがきっかけでできた、ふきのとうと海老の春餅。ひき肉と香味野菜と一緒に刻んだ海老とふきのとうをいれ、醬油と酒で味付けをしたタネを生地で包んでフライパンで焼く。生地をこねる手間と時間はかかるが、それに見合うだけのおいしい料理ができる。

一口かじればふきのとうの香り、肉のうまみ、そして海老と生地の食感がたのしい。これひとつで十分なごちそうだ。あまったタネで翌日シュウマイも作ってみたけれど、やはり手間がかかっても春餅にすることで香りはよりひきたつように感じる。恐らく包まれた中で具材が蒸されることに意味があるのだろう。

ところで中国では山菜を食べる文化はあるのだろうかと気になって調べたところ、こんな面白いブログを見つけた。もしかしたら、私が思いついたこの料理も向こうの人はとっくにやっているのかもしれない。

ふきのとうの水餃子

春餅を作るのが面倒な時は、皮を買ってきて餃子にしてもいい。水餃子のときは少し餡を変えて、ひきにく・きゅうり・海老・ふきのとうにする。きゅうりは事前に塩をしておいて、水気をぎゅうぎゅうにしぼっていれる。きゅうりの青々しい香りとふきのとうの香りがつながって複雑な味になるだけでなく、食感にしゃきっとしたアクセントが生まれる。

春なのできゅうりを筍に変えてみてもいいかもしれないが、私はそれとして食べたいので試したことがない。なんとなくふきのとうの香りに筍が負けるのではないかと予想している。

ふきのとうのチキンビリヤニ

料理について考えていると、ふと「この組み合わせはどうだろう」と思いつくことがあって、それがハマった時ほど楽しいことはないと思う。このふきのとうのビリヤニも「もっとふきのとうを楽しく食べる方法はないだろうか」と考えていた時に思いついた料理だった。ともすれば山菜はその希少性もあって、素のまま食べるのが一番だと思ってしまうのだけれど、作ってみれば意外とマサラとの相性もよい。来年はもっと山菜とスパイスの可能性を探ってみたい。

写真ではふきのとうも一緒に炊き込んだビリヤニを載せているけれど、作り続けるうちにあとから混ぜ込む方法がいいことに気が付いた。ふきのとうはどんなに絞っても下処理で水気を含んでしまうので、一緒に炊き込むと水っぽくなってしまうからだ。それにあとから混ぜたほうが味のレイヤーがくっきりしてきれいな味になる。

スパイスはカルダモンやコリアンダーパウダーが相性がよいように感じた。もしラム肉が安ければ、それで作ってもいいだろう。これはカンだが、ラムの匂いをふきのとうが薬味としてうまくバランスさせてくれるのではないかと思っている。

ふきのとうのタプナードソース

昔、渋谷にあったコンコンブルかどこかのビストロで食べたタプナードソース。「それにふきのとうを加えたらおいしいのではないか」とひらめいて作ってみたところ、これが大当たり。ふきのとうのえぐみや苦みがオリーブの酸味とアンチョビのコクと調和して、春を感じるきれいなソースになった。

作り方はいたって簡単で、通常のタプナードソースのレシピにふきのとうを適量加えるだけ。あとは食感をなめらかにするために、ハンドブレンダーで材料を攪拌してペースト状になれば完成だ。

作ったソースはトーストしたバゲットに乗せてもいいし、写真のようにコロッケなどのソースとして使ってもいい。特に春キャベツのコロッケにこのソースをつけると、甘さとほろ苦さのバランスが絶妙だった。

ふきのとうとアンチョビのピザ

もうひとつおすすめのふきのとうのタプナードソースの使い方が、ピザソースとして使うこと。このタプナードソースにアンチョビ、ふきのとう、モッツアレラチーズを乗せて焼いたピザがとてもおいしかった。とくにチーズとふきのとうの相性がいい。作ったことはないけれど、グラタンとして展開しても満足できるのではないかと思う。

ソースだけでじゅうぶん美味しいので、ピザの生地はもはやなんでもいいと思う。ナポリのもちもちとした触感もいいし、おつまみとして食べるならクリスピー生地でもいい。料理の位置づけや、自分の気分で趣向を変えて楽しめるのもピザのいいところだと思う。

ふきのとうのオイル

下処理を済ませたふきのとうをソースなどにする場合、事前にオイルと和えておくと使い切りの香味オイルが出来上がる。サラダのドレッシングとして使ってもいいし、ふきのとうの料理に合わせてもいい。使い切りなので冷蔵庫で化石にしてしまうこともない。

その中で一番おすすめの使い方が、ポタージュ系のスープと合わせること。特に甘みが強いスープとの相性がよく、この時期に安く出回る新玉ねぎや新ジャガイモで作ったポタージュスープと合わせると、ふきのとうのオイルがポタージュのうまみを引き立てて良い相乗効果がうまれる。オイルとスープの境をスプーンですくう行為もたのしい。

ふきのとうのシフォンケーキ

字面だけ見るとギョッとするかもしれない。けれど、数あるふきのとう料理のなかで一押しなのがこのシフォンケーキだ。以前、銀座にあるレストランで知人とランチを食べたときに、このシフォンケーキを出されておっかなびっくり食べたところ、そのあまりの美味しさに驚いたことがあった。(そのレストランの名前は忘れてしまったのだが…)

作り方はペースト状にしたふきのとうを、シフォンケーキの生地に混ぜて焼くだけ。牛乳と卵を使っているせいか、ふきのとうのクセがきれいに消えて香りが豊かな菓子になる。これに別添えの生クリームをあわせてもいい。なによりシフォンケーキの儚いくちどけとふきのとうの香りがいかにも春の風情で、情緒がある食べ物としても気に入っている。

番外編:コシアブラの楽しみ方

ここまで散々ふきのとうについて書き連ねてきたが、山菜のなかで最も好きなものはどれかと聞かれたら、うんうん悩んだ末にコシアブラだと言うだろう。青々しく香ばしい香りは、食べるだけで視界がぱぁっと明るくなり、頭の中に新緑の木々を通り抜けてきた風が吹き込むよう。

難点としては、とにかく都心のスーパーではなかなか出会えないということ。特に新芽の部分は傷みやすいため、見つけられたらラッキーだ。もし幸運にもコシアブラと出会うことができたなら、ぜひ手に取って味わってみてほしい。

コシアブラの天ぷら

まず始めにおすすめしたい食べ方はコシアブラの天ぷらだ。コシアブラはタラの芽と同様のウコギ科で、天ぷらにすると独特の香ばしさと甘みが引き立つ。葉のほうは羽衣のような軽やかさで、茎は苦みと清涼感が感じられる。部分ごとに異なる食感と味わいを感じられて、クセになる美味しさだ。ちなみに我が家の揚げ物担当である夫曰く、衣をサクサクに仕上げるコツは揚げる衣に炭酸水を使うことらしい。天ぷらには調味用の塩はもちろん、藻塩や山塩のように軽やかな塩を合わせてもいい。

コシアブラの混ぜご飯

次におすすめなのがコシアブラの混ぜご飯だ。作り方は簡単で、塩をして炊いたご飯に胡麻と、事前に茹でておいたコシアブラをギュッと絞って刻んで混ぜるだけ。白米のもちもちとした弾力に甘み、コシアブラの香ばしい香り、そしてごまのプチプチとした食感がたのしい。簡単なのにとてもおいしくて、山の恵みを感じる料理だ。この料理は夫のお気に入りで、これを作ってからは毎年「そろそろコシアブラの時期だよね」とリマインドされるようになった。

終わりに

季節のものが美味しく自炊が楽しい一瞬のとき。足早に過ぎていく旬を逃さないよう、日々せっせと手を動かしては、過ぎていく春に焦るような気持ちにもなる。

しかしこんなに恋しく想う山菜でも、春が過ぎると一瞬で食欲が失せるから不思議だ。以前、春の美味しさを閉じ込めるがごとく、ふきのとうのオイル漬けを作ったことがあるのだが、結局翌年になるまで瓶を開けずに食材を痛ませてしまったことがあった。

昔誰かが「冬眠を終えた熊はまず山菜を食べて腸を動かす」と言っていたことがあるが、人間も冬に鈍った神経を起こすために、たった一瞬のこの時期だけ、あの峻烈な苦みを欲するのかもしれない。

まるで野生の動物のような身体を面白がりつつ、過ぎていく季節と追いかけっこをする。この気ぜわしさすら贅沢なこと。そんな春のよろこびを全身で感じられるからこそ私は山菜を愛してやまないのだろう。

補足 ふきのとうの下処理について

ふきのとうを始めとした山菜類には水溶性の天然毒が含まれるため、いずれも下処理をしてから調理をしている。天然毒と聞くと驚くかもしれないが、これは植物が外敵から捕食されないためのものだ。農水省での調査結果では人への健康被害は報告されていないとされているものの、たのしく美味しく食事をするためにも事前の下処理は推奨する。

また、下処理の方法についてはニチレイが詳しいので参考にした。(冷凍保存の方法は、さすがニチレイというところ)こうして調べてみると、アク抜きや水さらしを行っていた伝統的な山菜の調理方法は、理にかなっていたのだなと感心する。

【参考】

農林水産省"食品中のピロリジジンアルカロイド類に関する情報".農林水産省.2022-11-02 https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/naturaltoxin/pyrrolizidine_alkaloids.html,(参照:2024-05-05)

ニチレイ"ほほえみごはん【ふきのとうの食べ方】下処理からレシピ、保存方法まで徹底解説".ニチレイ.2023-03-01 https://www.nichireifoods.co.jp/media/18622/,(参照:2024-05-05)

過去の料理に関する記事はこちらから

lesliens225.hatenablog.com

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春は揺らぐ

有料記事に関するステートメントこちらの記事をご参照ください。

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毎年このくらいの季節になると、友人が「春は気持ちが揺らぐから苦手」と言っていたことを思い出す。その言葉を裏付けるがごとく、彼女は春になるとステディとうまくいかなくなり、その代わりに様々な男たちと遊んでいた。

私と言えば生理前に血の気が多くなるくらいで、自分のメンタルヘルスが季節に左右されると実感したことがない。いや、なかった。それが今年になって「そうかもしれない」と思うことがあり、「勘弁してくれよなー」と思いながら過ごしている。ただでさえホルモンにドライブされる身体を何とかコントロールしようとしているのに、さらにアンコントローラブルな要因が増えるのはさすがに参ってしまう。

そんな自分の異変に気が付いたのは生理開けのことだった。

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