結婚記念日

少し前の話になるが、結婚して3年目を迎えた。ふたりでおめかしをしてささやかな食事をし、これからまた1年どうぞよろしくと頭を下げる。

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ギャルソンへ食べきれないプレートを持ち帰りたい旨を伝えると「次の記念日にはこの箱にジュエリーを入れてプレゼントしてもらえるかもしれませんよ」とウインクされて笑ってしまった。もう既にこの箱にはきれいなものが充分すぎるほど詰まっている。
まだ子どもだったころ、恋人同士で記念日を祝う意味がわからなかった。やってくる記念日が義務のようで窮屈で退屈で、恐らく自分は人を愛するのに向いていないと思っていた。生意気で、身勝手な繊細さを持て余していた生き物だった頃の話だ。それが今ではこうして律儀に入籍した日を祝っているのだから、自分という生き物の勝手さに呆れる。恐らくこの記念日を夫にすっぽかされた日には、烈火の如く、あるいは蝮のようにじめじめと怒るのだろう。
結婚記念日には毎年手紙を交換するのだが、今年の手紙にはこの3年間の彼の想いが真摯に綴られていて、これまでの答え合わせをしているようだった。夫が綴ったストレートな言葉に心の奥まで照らされる。躊躇いなく届けられる、粒子がきれいな言葉の数々に面映ゆい気持ちになりながら、この人で良かったと思った。私の人生には、この人でなければならなかった。
一緒に生活する以上、綿菓子のような日々ばかりが続くわけではない。もしかすると一人のほうが気楽なのかもしれない。それでも私はこの人と続けていきたい。違う人間が共に暮らし続けていくことは、意志だけが礎だと思う。
私に手紙を渡しながら「こうして手紙を書くと、もっと伝えたいことがたくさんあることに気がつくね」と言う彼の照れ笑いを見つめながら、この瞬間を瓶詰めにできればいいのにと強く願った。私は傲慢で不遜だから、こうした幸せをすぐ取り出せるところに置いておけたらいい。
夫から手渡された手紙は、鏡台の上に置いていつでも取り出せるようにしてある。恥ずかしいから他のところに置いてよと言われても、当面変えるつもりはない。





美味しい暮らし #4月編

はじめに

5月も半ばになり、新緑の緑が日を追うごとに濃くなっていくように感じます。苺が安くなってきて、春ももう終わりに近づいていることを感じる今日この頃。去年はブランデーと蜂蜜でいちごのコンポートを作りましたが、今年は自家製のラベンダーブランデーで煮込んでみようかと思案中です。季節の果実の瓶詰めが台所にあるだけで、なんとなく気持ちが晴れやかになる気がします。

外で食べたもの・取り寄せたものあれこれ

銀座 トリコロール本店

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銀座で用事を済ませてから本を読もうと久しぶりにトリコロールへ。くるりと回転扉を回して中に入ると違う世界へ来たかのような、このクラシカルで歴史と装いが同居している雰囲気がとても好きです。2階席は席と席の感覚も広く、新聞を読む人や本を読む人がほとんど。街の喧騒から遠く離れて静かに過ごせる隠れ家のような喫茶店
この日はゆっくりするつもりだったのと、お腹が減っていたのでエクレアを頼みました。ギャルソンが小気味よくテーブルセッティングをしてくれる所作は健在で、一部の隙もなく惚れ惚れします。銀座の資生堂パーラーや和光でも同様の経験をしたことがあったけれど、このギャルソンスタイルは銀座の文化なのでしょうか。いずれも「銀座はちょっと気取って歩くもの」という街の文化をお店を通じて受け取るようで、その意気地が好ましい。過去にもそんな思いでここに足を運んだお嬢さんたちがきっといたのでしょう。

横須賀海軍カリーパン

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週末、ドライブに誘われたものの残業続きで疲れていたので助手席で寝かせてもらうことに。そのまましばらく寝入っていて、気がつくとフェリーの中にいました。神奈川の久里浜から千葉の金谷まで、東京湾を横断するフェリー。「どこかいくんだっけ」と夫に言うと「ただフェリーに乗りたくてさ。旅情があるじゃない」と笑って返されました。

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この日は暖かい陽気だったので、しばらくデッキにあるベンチに腰掛けながらずっと本を読んでいました。読んでいたのは確か「刑務所図書館の人々」だったかな。

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しばらくしてから船内に戻ると夫から手渡されたカリーパン。もともとカレーパンの良さがあまりよくわかっていなかった私が美味しいと思えるようになったきっかけがここのカリーパンでした。

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光を受けて輝くカレーパン…この丸いフォルムがなんともいとしい。

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外側はザクザク、中のカレーはピリ辛でほの甘い生地との相性がいい。確か夫と付き合って最初の頃のデートでもこのフェリーに乗って、同じようにカリーパンを手渡されたのでした。当時はある種の偏食で「食べてはいけないもの」と思っていたそれを食べたとき、美味しいものを味わう自由を手に入れたような気がしたのを覚えています。
夫と出会ってから今日まで、自分の人生に好きなものが増えていくばかり。デッキに出て、潮風を受けながらぴかぴかにかがやくカリーパンを食べると、心にひかりが灯る気がしました。

金谷 香豆珈琲

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フェリーで千葉へ渡ったのと同じ日に、ちょうど館山にずっといってみたいと思っていたカフェがあったことを思い出して夫に連れていってもらうことに。駐車場に車を停めてお店に向かう途中、ウリ坊が畑を掘り返そうとしているのを目撃したので、驚かさないように忍び足で駆け抜けました。

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暖かい光に迎えられてお店に入ると、ウッディ調の店内にアンティークの調度品が置かれていて、不思議と落ち着きます。まるでなんども来ているお店みたい。

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案内されてカウンターの前に座ることに。私は深煎りのコーヒーにナッツのケーキ、夫はブレンドにプリンをお願いしました。

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コーヒーを淹れてもらう間、お店を散策していると薪ストーブがあることを発見。思わず「今日は点ける予定があるんですか?」と聞くと、せっかくなのでということで火を点けてくれました。パチパチと薪が爆ぜる音と、美味しそうなコーヒーの匂いに心がくつろぎます。

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温度が上がってきて綺麗。ゆらめく炎は見ていて飽きません。

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そうこうしているうちにコーヒーとおやつが運ばれてきました。見て欲しい、この美しい鋭角のプリンを…夫が「ひとくち食べてみる?」と言うので喜んでいただきました。見た目以上にすっごく美味しくて、むちむちのプリンにカラメルのカリッとした食感がアクセントとなっていて、どことなくクリームブリュレを彷彿とさせる。ビターなカラメルもコーヒーとの相性が抜群でした。

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私が頼んだナッツのケーキはキャラメリゼされたナッツとブラウニーと言う魅惑の組み合わせ。深煎りのコーヒーによく合いました。一緒に付いているヨーグルトソースとの相性も良くて、思いがけない組み合わせに愉快な気持ち。丁寧なネルドリップで抽出されたトロッとした舌触りのコーヒーは、深みと香ばしさとナッツのような風味が美味しくて、酸味のあるコーヒーが苦手な私にはドンピシャでした。
聞けばマスターがここにこのカフェを開業されたのは令和元年に起こった房総半島台風の直前で、当時は大変だったとのこと。
「あの時まだ暑くて、でも水も電気も止まっちゃってたでしょう。だからここにある非常用の自家発電機を使って氷を作ってね、公民館に持っていったりして」
「そのうち近所の人がアイスコーヒーもらいにきたよ!って来たりして。そんなことがありましたね」
その後Instagramでお店の存在が広まり、気がつけばひっきりなしに人が訪れるようになったお店。しかしマスターのお店への姿勢は変わらないと言う。
「ここ、ゆったりできて本当にいい雰囲気ですね。東京のお店だと時間制だったり、店員さんが急いでいたりして、逆に時間を気にして気疲れてしまうこともあって」
「ありがとうございます。うちもInstagramで知られるようになってからお店に人が並ぶことが多くなりましたね。そんな時はいつお呼びできるかわからないですけど、それでもよかったらって言って待ってもらうんです。くつろいでいる人を急かしたくないし、僕もゆっくりお話ししたいですし」
「そうなんですね」
「ええ、でも地元の人は混むってわかってからはみんな朝来るようになりましたね。そんな中でも、やっぱりゆっくりしてもらえるように遠方から来た人でも待ってもらっています」
「でも待たせるって勇気のいることじゃないですか?」
「うん、でもそれは僕のやりたいお店じゃないのでね。帰ってしまう人もいるけれど、しょうがないです」

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すっかり長居をしてしまい、お店を出るととっぷりと日が暮れていました。とてもいいお店だった。マスターにお礼を言ってお店を後にして、また必ず金谷の方面に来たらここに訪れよう、その時はタルトタタンを食べようなどと思ったのでした。

御徒町 ぽん多本家

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突如として夫が「とんかつを食べに行こう」と言いだした夕方。胃弱な私は普段なら断るか、行っても別のご飯を食べるのが常なのですが、この日は運よく調子が良かったので喜んでついていきました。とんかつをがっつり食べられるコンディションなんて何年ぶりだろう?ただただ嬉しい!
そんなわけでこの好機を逃すまいと、この日はぽん多に行くこと決めました。東京にはいくつかとんかつの名店があるけれど、私は近所の定食屋さんとここが特別に好き。重いドアを開けるとすぐ調理場が見えるのも、いなせな雰囲気が漂う料理人さんたちも、磨き上げられた年季の入ったテーブルも、何もかもがいい。
この日は調子に乗って、ちゃっかりビールまで飲んで満足しました。久しぶりのトンカツ、とっても美味しかった〜!黄金色の衣も、こんもりと盛られたキャベツも大好き。この時勢でお店を畳むとんかつ屋さんも多い中、こうしてこの味を当たり前のように楽しめる仕合わせを噛みしめました。
「ごちそう様です、美味しかったです!」と元気よく伝えて「またぜひどうぞ!」との声を背にお店を後に。とんかつの機運が高まっているときはすぐ飛び込むべきだという教訓を得た一日でした。

銀座三越 たねや

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大好きなたねやの桜餅。桜餅は道明寺派、という話をしたのはもう去年のことでしょうか。季節の和菓子をいただくとき、ふっと思い出す人がいます。去年の梅雨開けから見かけなくなりましたが、元気でいてくれたらいい。いつかまたどこかで会えたら嬉しく思います。
你好嗎?祝你一路平安。

用賀 パティスリーリョウラ

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世田谷美術館の帰りにRyouraでピスタチオのケーキを買って帰った日。夫に「あなたはこれでしょう」と言われて一瞬天邪鬼な気持ちになったものの、食べたかったので結局素直にピスタチオのケーキにしました。寝ても覚めてもピスタチオのものばかり選んでしまう。
そういえばピスタチオグリーンの瞳が美しい、うさぎにも似たあの子のお誕生日もこのあたりだったような。身体いっぱいにいのちを輝かせて生きるあなたを見て何度癒されたことでしょう。これからも健やかに生きていくことを願っています。

 新緑の時期が一等美しいカフェ

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毎年この時期になると、必ずひとりで訪れるカフェに今年も足を運びました。1歩入ると目の前に現れる天国に言葉を失い、流れる水音をしばし聴きながらその場に佇む幸せ。コーヒーをちびりちびりと飲みながら本を読み、時々目が疲れたら窓の外の新緑を眺めてひたすらボーッとすることができる夢のような場所。近くの公園では子供達がはしゃいでいて、かつてここに住んでいた人の生涯を思えばこの長閑さに彼も慰められるだろうと思いました。東京にこうした場所があることに、どんなに救われる想いでいることか。来年の新緑の時期も変わらず訪れられることを願っています。

作ってもらったもの

山菜の天ぷら

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4月は私が完全にダウンしたので記録に残っているのは夫が作ってくれた山菜の天ぷらのみ。こんな状況でなければ出羽屋に泊まって山菜づくしのご飯を食べたりしたかったなぁとさめざめ泣いていたら夫が揚げてくれました。たらの芽の天ぷらに春の息吹を感じ、束の間幸せな気持ちに。
そういえば私は東北の生まれ育ちで、毎年この時期は山菜を食べないと気が済まないのですが、聞けば西の人はあまり山菜を食べないのだそう。先日四国出身の方から聞いて驚きました。「これを食べると春を感じるもの」が地域ごとに違う可能性なんて考えたこともなかったな。西の人は何を食べて春を感じるのでしょう。

写真に残っていないけれど美味しかったもの

和久傳 れんこん菓子 西湖

毎年桜が散りはじめ、新緑の足音が近づいてくるこの時期になると、冬眠から目覚めた熊のごとく笹に包まれた菓子が恋しくなります。熊は冬眠から目覚めると山菜を食べて身体を春の山に慣らしていくといいますから、人間も喰らうところの生き物として何か青いものを歯みたいという欲があるのかもしれません。
和久傳の西湖はそんな気分にぴったりの、青々とした笹に包まれたお菓子です。出会いは去年、お歳暮としていただいた時のこと。ひとつひとつ端正に包まれた、その慎ましやかな出で立ちに一瞬で心を奪われました。そっと笹の包みを解くとふわっと瑞々しい香りが弾け、その甘露な味わいにうっとり。つるりとした喉越し、沁み入るような甘さはどのお菓子にも代え難く、今日は何も食べられないと思っていてもこのお菓子なら食べられるほど。
そんなことを想い出して、今年は新宿の伊勢丹へ求めに行きました。お気に入りの麩まんじゅうと新入りのれんこん餅。このふたつが待っているなら、次の春まで生きることも苦ではありません。

ショコラティエ・エリカ マ・ボンヌミニ

今年のバレンタインにいただいた可愛らしいチョコレート。ティファニーブルーにも似た色の小さな箱につやつやのリボンがかけられた、なんとも可憐な見た目に胸がときめきます。チョコレートの中にはマシュマロとくるみが入っていて、豊かな三重奏の食感と穏やかな甘さにほっとします。特にちょっと一息つきたいという時に、カルダモンやシナモンの入ったストレートのチャイと併せていただくのが好きでした。うすくスライスしただけでもだいぶ食べ出があるので、残ったチョコレートはラップに包んで毎日のお楽しみに。こうして日々の楽しみになるようなものを贈ることができる人に、私もなりたいものです。

今月のおまけ

Walk in the park 

4月は花ざかりということもあって、お気に入りの公園へ散歩に行きました。マスクをつけて、水筒にはストレートのチャイを入れて。毎年この時期になるとJarrod LawsonのWalk in the parkが聴きたくなります。

youtu.be

↑探したらLive動画があって聴き入ってしまった。原曲よりファンク寄りで味わい深い。

千鳥ヶ淵

人がいない時間を狙い、朝5時に起きて千鳥ヶ淵へ。ちょうど桜が見頃でうれしかったです。

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千鳥ヶ淵ソメイヨシノは心なしか色が薄く、ぽんぽんと咲いている花がポップコーンのように見えました。毎年桜の季節が巡ってくると梶井基次郎の「櫻の樹の下には」を思い出します。そういえば京都の丸善はもう無くなってしまったんだったなぁ。

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水辺の近くのソメイヨシノはいつもより儚さが増して見えるから不思議。水が欲しいのか、自重に負けてか、今にも水面に着水しそうな花たちよ。
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途中桜の下をスーイと抜けていったカイツブリ。水鳥の視点で眺める桜はさぞ爛漫なことでしょう。

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千鳥ヶ淵といえば桜が有名ですが、個人的に好きなのがお堀の隅に群生している一面の菜の花畑。映画のビッグフィッシュのワンシーンを彷彿とさせる黄色の絨毯に、時折混じる白い菜の花がきらめく星のようで風情がある。

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対岸に咲いていた小さな白い花も素敵だった。一体なんの花なのだろう。

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人間の事情なぞつゆ知らず、季節のこととして当然のように花を咲かせる桜を見ると、心が落ち着くようでした。真っ盛りの桜並木の下、来年はマスクを外して見上げることができるのだろうかと思いながら。


小さな公園 

別の日には毎年訪れることを楽しみにしているちいさな公園へ。暖かい陽気だったので、レジャーマットと本を持って、途中お腹が減ってもいいように小さいおにぎりも作っていきました。

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入り口近くに咲いていた、星のような花の群生。まるで天の川みたい。蜜蜂が花の蜜を吸っている健気な姿に、ずっと足を止めて魅入ってしまう。

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藤の花もほぼ満開。立派な藤棚も見応えがあるけれど、人間の作為が施されずありのままに咲いている藤もまた風情があっていい。

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ここはすでにソメイヨシノの花が落ちて葉の間からは実が生っていました。この時期の桜が一等好きだな、花の時期は妙に気持ちが急いてしまっていけない。

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小手鞠もふくふくと花を咲かせていて可愛らしい。ひかりを受けて輝く部分も、ひっそりと影で咲く部分も、それぞれがコントラストとなっていて綺麗だ。

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八重桜はちょうど見頃でした。ソメイヨシノも良いけれど、私はやっぱりこの桜餅みたいな色合いとパニエを仕込んだスカートのような豊かなフリルの八重桜が好き。来年こそは故郷の桜を見れますように。


終わりに

制約はありながらも自由に生活している時に、ひっそりと亡くなったスリランカ人の女性のことを思い出しては自分には何ができるのか考えていた4月でした。あれ以来スリランカのレストランには行くことができておらず「もっとスリランカの料理を知りたいなぁ」などと呑気にしていた自分が生きていた時に彼女がされていた仕打ちを考えると胸が詰まります。それでも知らないよりはいい。せめて自分がそう願っていないとしても、現実は誰かを搾取して生きる、日本の社会構造では特権的な立場の人間であることは忘れずにいたいと考える今日この頃です。

 

過去の記録はこちらから

lesliens225.hatenablog.com

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今気になる都内のホテルをまとめてみたよ

しばらく遠方への旅行はできないけれど、気分転換はしたいもの。この1年で近場で安全に過ごしつつ、非日常を味わう選択肢として近郊でのホテルステイが一般的になってきました。去年はいろんなホテルがGotoや都民割でお得に泊まれる印象でしたが、今はどうなんだろう?ということで、私個人が調べた中で気になったホテルをまとめてみました。

  

 

日系ホテル 

星のや東京 

www.hoshinoresorts.com

2021年2月より星野リゾートが打ち出したマイクロツーリズムプランは、通常料金から最大45%オフになっていて正直かなり破格。なかでも星のや東京は素泊まりプランが1泊1名2万円代からになっていてびっくり。こんなに安くなっているのは初めて見たかもしれない。夕食は名物のコース料理を21,780円から、またはお部屋で楽しめる御膳形式のものが9,680円から追加できるほか、ルームサービスが充実しているので充実したおこもりが楽しめそう。朝食も部屋で食べることができる他に、時間限定でおにぎりと味噌汁は無料でいただけるサービスがあるので「朝はそんなにいらない」という人なら朝食なしでも十分だと思う。
ちなみに都内の星野系列だとOMO大塚は1万円行かないで泊まれてしまう。いつもと違う環境で手軽なホテルステイを楽しみたいならOMO大塚もアリじゃないかな。近くにはあのぼんごがあるのでおにぎりをテイクアウトして楽しんでもいいよね。星野リゾート系列は正直自分の趣味じゃなくてノーマークだったけれど、この機会に試してみても良いのかも。

ザ・キタノホテル東京

www.kitanohotel.co.jp2019年にリニューアルしてからずっと気になっていたキタノホテル。キタノホテルでは2021年1月1日から6月30日までの間に宿泊した人は駐車場代が無料、また駐車場を使用しない場合はタクシー代の一部として3000円を現金でキャッシュバックしています。(一部プラン対象外)
調べたところミニバーにはウェルカムスイーツやネスプレッソがあるし、フリードリンクも充実していて、この価格帯のホテルでは頑張っている方じゃないかという所感。ちなみにバスアメニティはミラーハリスなので、香りものが好きな人にはグッとくるポイントだと思う。
それから個人的に推したいのが、ホテル2階にあるレストランサンパウ。かつてスペイン・カタルーニャに店を構えていた伝説的なレストランのシェフ、カルメ・ルスカィエーダがプロディースしたレストランで、このレストラン自体の評判が高いのも気になるポイント。ランチは7,700円からとこの規格のレストランでは比較的良心的な値段設定なのもいいし、最近お部屋で楽しめるダイニングプランも登場したばかり。ここに泊まるときはぜひ食事も併せて使いたいな。

三井ガーデンホテル銀座プレミア

www.gardenhotels.co.jp

三井ガーデンホテル系列のホテル(一部除く)は近隣のレストランや東京・日比谷ミッドタウン内で使用できる2万円相当のチケットがついてくるプランがあったり、アンテナショップで使える3000円分のショッピングチケットがついていてとてもお得。
例えば銀座プレミアに泊まった後は、日比谷ミッドタウンのちょっといいレストランでご飯を食べることもできる。SALONE TOKYOのコースならお酒を頼んでとんとんくらいじゃないかな?アンテナショップで使える3000円分のチケットなら、近くのアンテナショップで地酒や地ビールを買って部屋で楽しんでもいいと思う。お酒を飲まない人は山形のアンテナショップでつや姫の5kgを買えばそのくらいになるんじゃないかな。5kgの米を持って帰るのはだるいかもしれないけどつや姫は美味しいので…
三井系列のホテルは都内だと神宮前に泊まったことがあるけれど、スタッフの対応はいいしお部屋も綺麗でモダンだったし、呼んでくれたタクシーの運転手さんは穏やかで、総じて好印象でした。日系ホテルでこの価格帯にしてはかなり頑張っていると思うので、銀座も期待できるんじゃないかなと思います。

NOHGA HOTEL 上野東京

nohgahotel.com

野村不動産が新たにホテル事業に参入したことでいっとき話題になっていたノーガホテル。今お部屋お任せプランだと、なんと一人一泊5,000円代で泊まれてしまうのだから驚き。湯船ありの部屋はツインルームからなので注意が必要だけど、それでも出来たてホヤホヤのホテルに朝食付きで8,000円代から泊まれるなんて凄い。
しかも朝食のコーヒーはあの蕪木とのコラボだし、バスアメニティはdear mayuokoなのもイケてる。お部屋のデザインもなかなか良さそうだし、お値段以上にアガりそう。ホテル内にジムやランドリーもあるのも好印象で、長期滞在でプチワーケーションがしたい人にもいいかも。気に入った調度品はだいたいホテルで購入することもできるので、本当にライフスタイルをデザインするホテルなんだなという印象です。秋葉原の方も客室デザインに凝っていてまた上野とは違う良さがありそうなので、この機会に泊まり比べてみてもいいかも。

外資系ホテル

ザ・ペニンシュラ東京

www.peninsula.com

いや〜すごい値段が下がっていて心配になるくらい安いペニンシュラ。デラックスルームが素泊まり1泊2名で税込3,4787円ってちょっと聞いたことがない安さ。朝食つきで39,847円って一人2万円いかないじゃないですか…大丈夫ですか。設備や部屋の良さは言わずもがなです。個人的にバスルームにモニターがあるのとドライヤーがレプロナイザーなところが好き。最近ラグジュアリーなホテルだとミニマルデザインがトレンドのようだけれど、ペニンシュラのいかにもなデザインは「良いホテルに泊まりにきたわよ!」とテンションが上がるので個人的には結構好き。なんとか生き残って欲しいな。

フォーシーズンズ 東京大手町

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2020年にオープンしたばかりのフォーシーズンズ東京大手町では「ステイローカル フォーシーズンズでおこもり時間」というプランを6月30日まで提供していて、午前10時からのアーリーチェックインが可能である他、朝食と夕食付き、ホテルカーでのお見送り、駐車場無料などといった至れり尽くせりな特典がついて、この規格のホテルではちょっと考えられないお値段になっている…。しかも公式サイトの予約に限り、2021年12月29日までに宿泊した人には次回のリピーター特典が確約されるのだからかなりお値打ち。
個人的に気になっているのはホテルのプール。ジャグジーバスやヒートエリア、ソファベッドが置かれていてゆったり過ごせるのはもちろん、プール自体広さもあるのでしっかり泳ぎたいニーズにも応えてくれそう。プールから見える眺めはもちろん、モダンなデザインのプールで泳げば身も心もリフレッシュできそうです。それからホテルのジムも写真で見る限りフリーウェイトエリアが結構充実していそうなのも良い。いいホテルでガンガン泳ぎ黙々とトレーニングをして、お部屋で心地よい倦怠感に包まれながらだらーんとしたくないですか?私はしたい。
ちなみにフォーシーズンズ大手町のホテルアメニティは香水を愛するな人なら誰でも知る、パリのラグジュアリーパルファム「フレデリック・マル」のもの。国内でマルのアメニティを扱っているのはここだけじゃないかな?これだけでもかなり気合が入ってると感じる。料金はいずれも2名からがお値打ちになっているので、私のようなトレーニング狂いでなければ大切な誰かと過ごす時に使うのが良いと思うな。

CONRAD TOKYO

conrad-tokyo.hiltonjapan.co.jp

ヒルトン系列のなかでも人気の高いコンラッド。今年のスプリングセールでは1泊2万円代のプランがあり話題になっていました。それ以降は通常価格に戻ったと思っていたけれど、調べたところプランや部屋によってはまだまだ2万円代で泊まれますね…これにはびっくり。ここのプールは25mでレーンに別れているのが良いんですよね。ジムはちょっと手狭でフリーウェイトは無かった記憶です。今はどうなのかしら。
ちなみにヒルトン系列ではマリオットやハイアットのようにランク別の会員制度があって、ランクが上がるごとにお部屋のアップグレードや朝食無料、エグゼクティブラウンジが使用できるなどの特典がついてきます。ヒルトン系列は2021年からこの上級ランクになるための条件がゆるくなっているので、ヒルトン系列のホテルが好きな人はこれを機に修行を始めても良いのかもしれません。

注意事項

現在都内は緊急事態宣言下のため、ホテルによってはレストランを休業していたり、ラウンジ利用やスパを休止しているところもあるので、行く前に事前確認することをお勧めします。
国交省の「新しい旅のエチケット」はこちら

美味しい暮らし #3月編

新緑の時期がやってきましたね。毎年桜が去った後のこの季節が好きで、ついこの間も毎年この時期に必ず訪れるお気に入りのカフェへ出かけてきました。気持ちの晴れない出来事が多いですが、それでも目の前で新芽を伸びやかに伸ばそうとしている木々を見えていると心が落ち着く気がします。あなたはどうですか?
少し間が空きましたが、今月も3月に食べたものを振り返ります。

 

 

取り寄せ・外食あれこれ

 ブラインドドンキー TEISHOKU LUNCH

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この日はテレワークの合間にランチをしようとBlind Donkeyへ。原川さんが退任される前に行けばよかったと後悔していたのですが、友人が「最近行ったけど変わらずすごくよかったよ」と言っていてそれならと足を運びました。店内は農家の家にいるような設えで、所々クラフト感があって落ち着く雰囲気です。

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カトラリーレストに使われていた小枝の演出がいい。素朴でありながらお店の意図が伝わる。

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この日の定食はビーツのスープにケールのサラダ、鳥もも肉のグリルにピクルス、わけぎご飯。普段はお米があまり好きではないこともあってご飯を残しがちなのですが、ここの定食はお米がピカピカで粒がしっかり立っていて一粒も残しませんでした。素材の味を最低限の調味が引き立たせていて、本当にどれも美味しかった〜。
歳を重ねるごとにオフィス街にある定食ランチは塩分と量がキツく感じるようになってきたのですが、ここの定食ランチは身体に負担のない味付けで嬉しかったです。反面がっつりお肉!お魚!な定食ランチが食べたいという人のニーズには合わないかも。ちょっといいランチをさっと食べたい、孤食だけど「いいご飯を食べた!」という満足感で満たされたい、野菜をたくさん食べたいという時のチョイスとしてはかなり有りだと思います。

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ちなみにドリンクは自然派のものを中心に揃えられていて、どれもこれも気になるものばかり。東西南北の「この縛りでこのお酒を選ぶならここ」がこの1枚に落とし込まれていて、読んでいるだけでもとても楽しい。ソフトドリンクのバリエーションが豊富なのもいい。
私は食べ物に関して「無農薬でも農薬を使っても美味しければいいじゃん」という適当なポリシーの人間なのですが、しかしやはりこだわり抜いた食材は美味しいものだなと改めて感じたお店でした。東京にありながらローカルガストロノミーのような親しみやすさと居心地の良さが体験できるのも魅力的。今度は是非とも夜に訪れたいお店です。

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帰りに見かけた神田駅の第一鍛冶町高架橋。煉瓦がいい…山手線の中でどの駅が一番好きかと聞かれたらやはり神田駅だろうか。しかし都内で一番好きな駅はどれかと聞かれたら、市ヶ谷の釣り堀が見えるホームも風情があり、御茶ノ水駅の聖橋が見える今の駅舎も捨てがたい、などと思いながら帰路につきました。

 

えがわ 水羊かん

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美味しいもの情報で頼りにしている叔母から「最近福井の水羊羹がマイブームなの!」と教えてもらったので、それなら試してみようと福井のアンテナショップで購入してきたえがわの水羊かん。レトロなパッケージがとってもいい。 

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箱を開けると一枚板に切れ目が入っていて、赤福のように付属のへらですくい上げる寸法です。

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並べてみるとこんな感じ。
一口食べると、まるで果物を食べているかのようなみずみずしさで、さらりとした喉越しに驚きます。黒糖の豊かな香りもよく、シルキーな舌触りに「本当に水羊羹なの…?」と思うほど。これは確かに叔母の中でマイブームが起きるはずだわ、とっても美味しい。
聞けば福井では水羊羹は冬に食べるものとされていて、毎年11月から3月の終わりまで地元の各和菓子屋が販売しているとのこと。福井県民はコタツにみかんよりも水羊羹がお馴染みなんだそうです。
これまで福井銘菓といえば羽二重餅しか知りませんでしたが、まさかこんなに美味しいものがあったなんて。他の水羊羹と比べる前にシーズンが終わってしまったので、来年の冬は他の水羊羹と食べ比べする楽しみができました。すでに今から楽しみで仕方ありません。
余談ですが、同じアンテナショップで購入した谷口屋の竹田の油揚げがこれまた美味しくて。普通の油揚げより厚みがあってふわふわで、まるで食べるお布団。ちょっとお値段は張りますが、両面をグリルでカリッと焼いたものに大根おろし、ネギと七味をかけて上からお醤油をたらりと垂らしただけでご馳走になるのでおすすめです。 

 SUMI BAKE SHOP バナナのパウンドケーキとアプリコットとナッツのタルト

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たまたま橋本駅近くで用事があった日。Instagramで見かけてからずっと気になっていたSUMI BAKE SHOPに伺いました。お店に行った時はもうすでに夕方5時を回っていたので、目当てにしていたフルーツタルトは残っていなかったものの、運よくベイクドタルトとパウンドケーキが残っていたのでこの2つをテイクアウトすることに。
バナナのパウンドケーキはほろ苦いキャラメル生地にバナナが練りこまれてあって、ビタースウィートな味。ベイクドタルトはタルト生地部分のザクザク感もよし、塩気もいい塩梅で、ホームメイドな見た目に反して甘いのしょっぱいの酸っぱいのがバランスよく構成されているお洒落な味でした。焼き菓子しか食べていないけれど、どちらも期待される味の1歩先を届けようとしている印象で、もっと他のタルトも食べてみたいと思わされる体験。橋本には年に何回か定期的に訪れる予定があるので、今度こそフルーツタルトに出会えたらいいなと思います。
しかし悔しいのはこうした誰かとシェアしたい美味しさに出会った時に、今までであれば気軽に分かち合えていた友人たちには未だにできないということ。落ち着いたら、第一線で働く友人たちに労いの言葉をかけて、ありったけの美味しいものを贈りたいものです。

 ルタオ ドゥーブルフロマージュ

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今年のホワイトデーは夫からルタオのドゥブルフロマージュを貰いました。以前私がテレビで見て「食べたこと無いけれど美味しいの?」と夫に尋ねていたことを覚えていたらしく、当日手渡されてびっくり。モノはもちろん、私が喜ぶだろうとニコニコしながら手渡してきた夫がとっても可愛くて。この想い出だけで来年のホワイトデーまで生きていけるような気がしました。
ホールのチーズケーキといえば、昔祖父が那須にある別荘と呼ぶには小さな、けれども可愛らしいログハウスを所有していて、そこに行った時は必ずお土産に買ってきてもらえる御用邸のチーズケーキが好きでした。祖父は今年の冬に旅立ったのですが、祖父にまつわる想い出は色あせることがなく、むしろ日を追うごとに鮮やかになっていく気さえしています。歳を重ねれば重ねるほど、こうして何かを食べた時に思い出すことが増えるようで、どの想い出もただただ愛おしい。時折寺山修司がうたった「さよならだけが人生ならば、また来る春はなんだろう」という詩を思い出しては、これから先に訪れるさようならと春を考える昨今です。

北海道稚内産 室谷岬の極上たこしゃぶセット

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この日は夫が鉄腕ダッシュに影響されて、北海道より取り寄せたたこしゃぶで晩御飯。自宅でのご飯が続いてくると「たまには外食したい!」という思いが募ってくるのですが、そんな時にお取り寄せ鍋は良い気分転換になりました。
タコしゃぶはもちろん、付属のゴマだれぽん酢がなかなか美味しくて、意外な相性の良さに驚く。薬味のネギや大根おろしと絡めてみぞれ風にするのも良かったです。もちろん締めのラーメンも。
おそらく鍋ものとは今年の秋口までお別れになりそうですが、また肌寒くなって思い出した頃に食べたいお取り寄せでした。

 

作った料理あれこれ

 

 飯塚宏子 たことアボカドのサラダ

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スーパーでよく熟れたアボカドが6個398円で売られていて思わず買ったものの、我が家はあまりアボカドを食べないことに気がつき、どうしようかと悩んだ末にたどり着いたアボカドとタコのマリネのレシピ。遠い昔にアヒルストアで食べたものが美味しかった記憶があり、なんとか記憶を掘り起こして再現したものです。レシピのベースはレタスクラブを参考に。

www.lettuceclub.net

このレシピ、ワインにもビールのアテにもぴったりな気の利いたおかずがさっとできるので、とても便利。火を使わないので、暑い夏にもいいかもしれません。この他には白ごはんドットコムのアボカドのおかか醤油がけも簡単でなかなか美味しかったです。

www.sirogohan.com

 

白ごはん.com しじみ

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春になったら絶対作りたいシジミの潮汁。乳白色の出汁のグラデーションの美しさがいかにも春という風情。ひとくち飲むだけで身体いっぱいに強い旨味と磯の香りを感じます。今年は白ごはん.comのレシピで作ってみました。

www.sirogohan.com

和食を作るときはいつも白ごはん.comを頼りにしていますが、このレシピも情報の受け渡しに齟齬が生まれにくい設計で、とても参考になるなと改めて。確か白ごはん.comを初めて知ったのは2015年頃で、デザイナーの知人が「Webデザインがイケててレシピの書き方が優れたサイトがある」と教えてくれたのがきっかけだったんですよね。
ところでここ最近の白ごはん.comの人気を見るにつけ、インターネットが普及し、それまで料理研究家の専門領域だったレシピがアマチュアでも書けるようになり、調味料頼りや時短料理のレシピを中心に「我が家の味」情報が飽和していく中で、今の大衆が求めたのは時短でも簡単でもなく「家庭料理の正解の味」だったということなのだろうかと思うことがあります。料理研究家の領域にアマチュアが参入したことによる揺り戻しとも思えるこの現象、次はどこにいくのでしょう。小林カツ代が生きていたら意見を聞いてみたい気もします。

 

 イナダシュンスケ「だいたい1ステップか2ステップ!なのに本格インドカレー」より 世界一簡単なチキンカレーとタミル風チキンビリヤニ

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3月の後半は夫がスパイスカレー作りに開眼し始め、ほぼ毎週のようにビリヤニを食べていました。嬉しいけれどいったい何があったのか聞いたところ、夫が好きでよく通っているエリックサウスのオーナーであるイナダシュンスケ氏が最近新しくレシピ本を出版したらしく、それを読んだらやってみたくなって…とのこと。
同じ本を借りて読んだのですが、確かに元となるスパイスを事前に合わせておけば、ほとんどのレシピが3工程以内に完成するという凄まじいレシピ本でした。それでいてちゃんと美味しいインド料理が出来上がるのだから、これは作っていて楽しいに違いありません。最近は工程が頭の中に入ったらしく、レシピ本なしでもスイスイ作れています。
このレシピで作ったビリヤニを食べていた時に、夫が「自分が作ったものが美味しいと嬉しいし、それを誰かが食べて美味しいって言ってくれるのはもっと嬉しいことなんだってことがわかった」と言っていて、そういう価値観を共有できる相手になった夫を頼もしく思った出来事でもありました。


終わりに

3月は私が体調を崩してキッチンに立てない日々があったのだけれど、そんな時に夫が引き継ぎなしでシームレスに料理をできるようになっていたことに感動した月でもありました。それまでも夫は積極的に料理に参加してくれていたけれど、やはり家事の中で料理はタスクの切り分けがしにくく、二人で回すにあたって最も難しい領域だと感じることもしばしば。冷蔵庫内の在庫管理と買い出し、献立の組み立て、洗い物のタイミング…などなど、時々「自分ひとりでやった方が早いんじゃない?」と思ったりすることもありました。
しかし今回、私が寝込んでいるときに活躍してくれた夫を見て、我が家の場合は家事分担を明確にわけないやり方で良かったんだなと改めて。自分が寝込んでいる間に、自分以外の誰かが買った食材の管理をして、栄養バランスを考えた献立が作れるようになっているということがこんなに助かるものだとは。(もちろん余裕のない時などはレトルトやお惣菜でも全然いいし、何が何でも手料理に拘るわけではないですが)この経験を通じて、家族になるってことはチームビルドでもあるんだなと思った次第です。と同時に私もチームの一員として夫を少しでも楽にできているだろうかと思うなどしたのでした。
最近自分が病気がちなことと、仕事に追われていることもあって「もし子供ができたら仕事を諦めないといけないかもしれない」と思うことがしばしばあったのですが、こうして夫ができる範囲が増えていることを目の当たりにして「今はまだ頑張れる」と思った次第です。
家族の数だけ家事の役割分担の形も様々で、正解というものはどこにもないけれど、最適解を探って自分が欲しいものをできるだけ諦めないようにしていきたい、最近はそんなことを思っています。

去年のゴールデンウィーク何してた?

3度目の緊急事態宣言が出されましたが、皆さん正気を保てていますか?このゴールデンウィークは一年半ぶりに実家に帰ろうと思っていたのですが、今回泣く泣くキャンセルをすることに決めました。もう地元の桜を何年見ていないことか。さらに一年ぶりに会う予定だった大学時代の友人との約束もキャンセル。そろそろこの人に声をかけたいな、と思っていたこともすべて夢幻と消えました…さようなら…

とはいえ目下は正気を保ちながら生きていかないといけません。ひとまずこの鬱々とした状況を脱するべく、去年同じように緊急事態宣言が出されていた東京で、ゴールデンウィークを生きていくために何してたっけ?ということを振り返ってみようと思います。

1.山手線を徒歩で一周する

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去年のゴールデンウィークにやったことで、一番記憶に残っているのがこの山手線周りを徒歩で一周するというもの。今思えばこのとき既に気が狂っていたような気もしますが…あの当時通っているジムは閉鎖、テレワークで通勤は無くなり、できる娯楽は家での運動と読書とNetflixとインターネットという状況。身体を動かす機会が減り、気が滅入っていた時期でした。
日々感染者数が増えていく恐怖と事態が好転していかない閉塞感。そうして感染症対策によって次々としてはいけないことが増えていく中で、唯一専門家が良いとしていたことが屋外での散歩。「もう無理、このゴールデンウィークは散歩がしたい」と夫にお願いし、マスクを着け、密集しない場所を避けつつ、ただただ山手線周りをひたすら歩くということをやったのでした。5日間かけてなんとか1周した時は謎の達成感があって、二人で称え合ったことを昨日のことのように覚えています。夫は体力お化けなので私が「もう無理だよ」と言っても「まだいけるでしょ」とスパルタをかけることがあり「無理なものは無理!」と言ってたまに喧嘩もしたのですが、それも込みでいい思い出です。
写真は大塚駅周辺で見かけた綺麗なバラ。大塚駅周辺は緑化活動の一環で駅の広い範囲にバラが植えられていて、この時期色とりどりのバラが咲いていて心が慰められました。

2.ガーデニングを始める

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去年のこの時期はデパ地下やコスメカウンター、衣料品売り場は軒並みお店が閉鎖していたものの、ホームセンターは営業していたのでガーデニングの材料を買い込んでベランダで家庭菜園をして気を紛らわせていました。ハーブの種を買ってきて撒いたり、苗を植えてみたり。そうして成長したハーブを料理に使ってみたり。
すくすく成長する植物の姿をみていると、不思議と心が落ち着きました。育ててよかったのはローズマリーやバジル、ミントといった汎用性の高いハーブ。それとパクチーは意外と育てるのが簡単で、盛夏の時期には森のようにこんもりと育ち、花まで見せてくれました。去年のこの時期は悔しいかな、ほぼ雨が降らない行楽日和が続いていて、そのせいか植物の成長が良かったように思います。
どんなに気持ちが沈んでいても日光浴をするとある程度はマシになるようで、土いじりをしながらお日様の光を浴びてポカポカするのは精神的にも良かった気がしています。今年はハーブだけでなく、花を育ててみてもいいかもしれません。

3.新しいレシピでご飯を作ることに挑戦してみる

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いい機会だし、作れる料理のレパートリーを増やすか…と思い、この時期はウー・ウェンさんのレシピ本を中心に色々と新しいレシピ作りに挑戦していました。何事もそうだけれど、まず何かを始める時はその道の信頼できそうな専門家の本を1冊読んで、書かれている意味を手を動かして理解する工程が何かを上達する上で必要なプロセスなのだなと思います。
なぜこの手順で調理するのか、順序を入れ替えてみてはどうなのか、これを他の材料で応用するとしたらどうなるか、他のレシピと並行して調理する時にどのように組み立てるか。そういった体験を知識として積み上げたいとき、あれこれネットのレシピを試すよりも料理研究家のレシピ本を1冊買ってまずはその通りに作ってみる方が、体系的にレシピの組み立て方と調理技術が身について手取り早い。特にウー・ウェンさんはレシピ本に食材のルーティンの回し方が書いてあったりするので、初心者に優しい本だと感じています。最近気になっているのは高山なおみとワタナベマキ。今年のゴールデンウィークはこのどちらかをやり込んでみようか思案中です。

4.家でテイクアウトを楽しむ

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近所のお店がテイクアウトを始めていたので、応援の気持ちも込めて色々と試してみたゴールデンウィーク。いつもテレワークが終わってから街に出ても、お店が終わっていて何も買えないのがネックだったのでこの時期に開拓できて良かったです。この時に知った蕎麦屋と焼き鳥屋のテイクアウトは、今でも「何も作りたくない」という時に駆け込んで助けてもらっています。
ただ、お店が営業を始めた後に直接行ってお蕎麦をいただいた時に、当たり前かもしれないけれどあまりにも美味しくて「あぁ、お店が本当に届けたい美味しさはきっとこれなんだよなぁ」と思うとなんともやるせなくなりました。テイクアウトには店舗で提供する料理とは別の設備もナレッジも必要なのに、補助金は微々たる額でそこまで手を回すことができない現状。そんな中、みんな必死でできることを探して生き残ろうとしている。一年たった今でもお店の人がテイクアウトを続けている姿を見ると切なくなりますが、富豪ではないのでこうして地域のお店を自分のできる範囲で買い支えていこうと思います。

5.政治に意見を届ける

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去年のゴールデンウィークは非正規雇用の労働者に対する手当の拡充、母子・父子家庭への経済的支援について内閣府へ意見を送っていました。この感染症対策によって働き口がなくなり、経済的に困窮する人々が確実にいる中で自分ができることは何なのか、自問自答し続けたゴールデンウィークでもありました。医療崩壊を防ぐことは第一ですが、その対策のための政策によっていまだに明日の食べ物に困る人がいるということ、そう行った人たちが今後命を落としたり、彼らの子供が学習機会を失う状況に陥る可能性があることを考えると、今できるサポートをしてやりすぎということは無いはずです。
また、それ以外にも課題は山積みになっている状況です。途方にくれることもありますが、日常の小さな喜びを愛でながら、自分の意見をしっかり届けるという暮らしは両立するものなので、コツコツ積み重ねていこうと思います。このゴールデンウィーク入管法の改悪に対する反対意見の提出をします。

www.moj.go.jp

終わりに

去年のゴールデンウィークにやったことを振り返ると、今習慣化していることもあってあの時の出来事が今の自分の暮らしを支えている側面もあるのだなと改めて実感した次第です。本当は政治のことは読みたく無いよって人もいると思うし、書かないでもいいかなと思ったんだけど、このブログは自分が将来見返すための意味合いも強いので敢えて残すことにしました。もしこれを読んでナーバスな気持ちになってしまった人がいたらごめんね。
まずは健康第一でこのゴールデンウィークを過ごせればいいなと思いつつ、みんなもあまり無理しないで過ごしてね!という気持ちです。こんな大変な時だけれど、本来楽しく生きることは人生そのものなのだから、自分の心が死なない範囲で楽しくいきていきましょう。そのための判断材料にこのブログが役立てば幸いです。

 

 

意思のある女について

最近仕事終わりにグータンヌーボをだらだらと見ることにハマっている。元々は自粛が続いて友人たちとの雑談に飢えていたのをごまかすために見ていたのに、今や回を増すごとに魅力的になっていく長谷川京子が気になるようになった。
昔は長谷川京子ってこんなに自分に忠実な感じの人じゃなかったよなぁと思いつつも、最近の彼女は結構好きだなと思う。ゴージャスに生きることに貪欲そうで、自分がどう見られたいかという欲望を理解していそうなところ。格好をつけることに恥じらいがなく、清々しささえ感じるところ。それでいてきちんとお仕事は回していて「あぁとてもいい大人だな」と、思うようになった。長谷川京子の清々しいセクシーさとゴージャスさをマイナスイオンのように浴びていると、なんとなく元気になるから不思議だ。
自分の欲望を知っていそうな女が一貫して好きだなと思う。自分が何をしたいのか、どういう人間でありたいのか、そのためにはどんなステップを踏むべきなのか。できるようにするためにはどうすればいいのか。やりたくないことはなんなのか。そうしたトライアンドエラーを繰り返しつつ、自分の人生を送ろうとしている女。
早速彼女のインスタグラムをフォローして、たまにyoutubeを見たりすること早数ヶ月。Instagramに載せている彼女のパーソナルな生活の一部は、メディアに出ているときよりずっとニュートラルで肩の力が抜けていた。何より彼女が純粋にお洒落が好きで楽しんでいる様子が伝わってくるのがいい。ビッグメゾンのバッグを持ってもきちんとスタイルになっていて、本人も服もバッグに負けていないことに気迫すら感じる。
youtubeでは積極的にジェンダーにまつわる話をしようとしていているのもいい。特にキム・ジヨンを読んで/観て、彼女が感じたことを語る回はとても良かったのでみんな見て欲しい。世代が違う周囲の女たちと仕事や恋愛のこと、産前産後や子育ての話をすること、それらをyoutubeで公開すること。まさに「私たちの話」をしていこうとしているこの姿勢!

youtu.be

あの本の良いところ*1は、どの階層の女も感じる性暴力や、妊娠・出産・仕事の話と、それにまつわる不平等を描き出しているところで、それが正しく伝わっているのだなと言うこと、そして彼女たちがそれを受けて「自分たちの物語を語ろう」とすることにジーンとした。これも事務所とのメディア戦略の一つなのかもしれないけれど、それを差し引いて見てもずっといい。ますます彼女を好きになってしまった。
今ではグータンヌーボでゴージャスな衣装をキメてくる長谷川京子に「なんですかそれ〜!」と茶々を入れる田中みな実を見ていると、心の中のリトル京子が「いいのよ!」と言うくらいには染まってきている。大胆にスリットが入った衣装や、タイトで身体のラインがわかるボディスーツを着て登場する長谷川京子を笑っていい人なんてどこにもいない。むしろそうやってボーイズクラブにおける女の子の正解をやってしまうみな実に「早くこっちにおいでよ」と思う。
ゴージャスに生きよう。自分の欲望に忠実に、自分のwantに素直に生きよう。それが自分だけでなく誰かのこともより快適に生きやすくするかもしれないから。わきまえたって何もいいことなんてない。身の程や分相応なんて知る必要がないし、こちらから合わせにいけばいい。あるいは向こうが合わせるべきのことだって往々にしてあるのだから。誰かに自分の身の程を決められることほど馬鹿馬鹿しいことはない。そうして最高な自分に対してのプライドを持った人間こそが、令和を変えていけるのかもしれない。
最近ジェンダーの議論が活発化することを嬉しく思うと同時に、一部の層がこれらを「トレンド」として考えている風潮にがっかりしていた時期だったので余計にそんなことを感じた。一見すると女に優しそうでありながら、ヘルスケアのリテラシーが無い女に買わせるための、高くて頓珍漢なフェムテックプロダクトを売りさばくようなプライドではなく、社会においてジェンダーにまつわる格差をなくすためには何から始めたらいいのかを誠実に考え抜き行動を続けていくプライドを、あなたも私も身につけられたらいい。そうした行動は往々にしてバズりもせず目立たないが、その灯火があることに希望はある。そして、すべての女たちがゴージャスに生きていくことができる、そんな日が来ることを願っている。 

*1:ただし、取り上げられている問題がwhite feminismの領域を出ていない側面は否定できない

ホステルを拠点に暮らす楽しさ。Tagore Habor Hostelに週末ステイした話

遠くに行きたい。知らない街を歩きたい。
緊急事態宣言が解除されてから数日経ったある日、思い立って以前から気になっていたホステルへ行くことに決めました。夕方過ぎ、車を走らせて向かったのはTagore Habor Hostelという場所。以前知り合いがここをお勧めしていて、それ以来行ってみたいと思っていたのです。

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日が沈んでからたどり着いたホステルはほぼ貸し切り状態。入り口に入るとオーナーさんのお子さんが笑顔で迎えてくれました。消毒と検温を済ませて部屋へと向かいます。

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今回泊まったのはプライベート・ツインという個室タイプの部屋。部屋から夜の湾が一望できます。明日の朝、ここからどんな景色が見えるのか楽しみ。

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ベッドはさらりとした無骨なタイプ。枕がひとり2つ用意されているのが嬉しい。この他に部屋にはバスタオルとスリッパがひとり1つずつ用意されています。寝間着などは無いのでご注意を。

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洗面所・お手洗い・シャワールームは同じスペースにあります。

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シャンプーとコンディショナーはPUBLIC ORGANICのもの。余談ですが、これで髪を洗ったらとてもツルツルになりました。旅先で試したものがオッと思うものだと嬉しいですよね。

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シャワールームの全貌はこんな感じ。個室のようになっていて、外扉は鍵もかけられるので一人旅でも安心して過ごせます。
ちなみにオーナーさん曰く、ホテルから少し先の方には「くるら戸田」というきれいな道の駅があり、そこには壱の湯という温泉にワンコインで入ることができるので、大きな湯船に浸かりたい時はそこに行くのもオススメとのこと。今回はなるべく密集するような場所には出歩かず、こじんまりと過ごそうと思っていたので断念しましたが、とてもいいお湯らしいので、落ち着いた頃に行ってみたいです。

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カーテンにはホステルのマークがさりげなく忍ばせてあって可愛い。コットンのような素材でできているので、朝起きた時に外からの光が柔らかく伝わって良かったです。

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一通りホステルの設備を把握したあとは、せっかくなので外を少し歩くことに。ホステルの周りは街灯が多く、明るくて穏やかです。そうして海辺を散歩していると、途中ちいさな猫に出会いました。そのまま足元にすり寄ってきては「撫でて」とおねだりする姿にやられてしまい、しばらく背中を撫でて動けなくなる始末。とても人懐っこかったので、きっと地域の人から可愛がられているのでしょう。

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猫と別れを告げてホステルに戻った後は、1階のダイニングでお酒とおつまみをお願いしました。夫は沼津のクラフトビール、私はここで採れた柑橘を使ったサワー。良い香りのお酒が身体に染み渡る。
ちなみにここで出会ったRepubrewという沼津発祥のクラフトビールが、誇張抜きでびっくりするくらいに美味しかったです。静岡のクラフトビールだと修善寺ベアードビールや御殿場の御殿場高原ビールは知っていたけれど、沼津にも醸造所があったなんて。
ちなみに後からオーナーさんに聞いたところ、沼津にはクラフトジンの蒸留所もあり「そこは地元の人間でも買えないくらい人気が出てしまって…」とのことでした。沼津、アツい…!

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おつまみはクラッカーと柑橘ジャムの乗ったクリームチーズ。のんびり過ごしていると、途中地元の方がお店に来て「コーヒーちょうだい」と言ってテイクアウトしていくこともしばしば。
またダイニングにはいくつか建築関係の本があり、聞けばオーナーさんは元々東京で建築士として働いていたとのこと。この物件は沼津市の職員が個人的に買い取ったもので、オーナーはそのリノベーションを手がけたのだそうです。元の建物やリノベーション中の資料を見せていただき、貴重な話を聞けました。

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ひと通りのんびり過ごした後は、カフェラテをテイクアウトして部屋へ。ロバート・パットナムの「孤独なボウリング」を読みながら、のんびりとカフェラテを啜ります。
窓辺の椅子に座りながら本を読み、時々夜の海を眺めるだけなのに、それがどうしてこんなに嬉しいのだろう。戸田の海を眺めつつ、心に溜まっていた澱をそっと流していくような穏やかな夜を過ごしました。

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2日目の朝は晴れ。目を覚まして起き上がると、昨日の夜とはまた違った港の景色が目に飛び込んできて胸が高鳴ります。

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太陽の光に照らされてきらめくブルートパーズ色の景色が目にまぶしい。この街に「おはよう!」と笑顔で告げたくなるような、気持ちのいい朝です。

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今日はいったいどう過ごそう。部屋にある冊子を開いて、計画を立てる楽しさ。

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部屋のライトも朝陽に透けて、昨日の夜より柔らかく見えます。

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はやる気持ちを抑えながらスリッパを脱いで揃えたら、さっそく外に向けて出発です。

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朝食まではまだ時間があったので、それまでこの朝の港を散策しようと出かけることにしました。トントンと階段を鳴らして降りると、至る所から朝陽が差し込んでとても気持ちがいい。昨日見た絵画も朝陽に照らされてまた違った雰囲気をたたえています。

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リノベーション時に残した当時のままのガラス窓も風情がある。「昔おじいちゃんの家もこんなガラスを使っていたよなぁ」という小さな、けれどもどうして今まで忘れていられたのだろうとでもいうようなことを思い出します。

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ちなみに朝食を食べた後はこの自転車を借りて街を散策する予定。とっても楽しみ。

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玄関ホールに降りると、港に面した玄関から溢れんばかりの陽射しが注ぎ込んでいて、ちょうどキッチンから朝食をつくる音が聞こえてきました。ピカピカの朝陽に誰かがご飯を作ってくれる音。それだけでいつもと違う特別な朝に思える不思議。「ちょっと外にいってきまーす」と声をかけて、ホステルを後にします。

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外に一歩出ると、この景色。言葉を失って、ひたすら無言でシャッターを切りました。ゆったりとした港町の風景に、地元の朝の風景がオーバーラップします。
昔、地元の港町は戸田の港町と同じように、いつでも生活の目線から海が見えていて、海のある風景が身近にありました。それから震災が起こり、自分たちの身長より遥かに高いコンクリートの防潮堤ができたことによって、海の見える風景は生活から切り離され、二度と日常風景として観ることは叶わなくなったのです。

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桟橋に反射する波の光。私の生まれ育った街ではもう二度と見ることが叶わない光景が、ここにはあることがたまらなく嬉しい。

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さらに歩くと、戸田港の釣り場案内の看板が見えました。お金を払えば決まった時間に漁船に乗せてもらえるそう。この日もおばあさんにお願いして船に乗っている人を何人か見かけました。 

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看板裏には休めるスペースも。

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遠くから戻ってくる漁船。仕事を終えて、これから家でゆっくり休むのでしょうか。

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ちなみに戸田の海は透明度が高く、海の底に張られたロープすら見えるほどでした。黒潮親潮と比べてプランクトンが比較的少ないので透明度が高いということ、知識としてわかってはいたものの実際に見るとこうも違うのかと驚きます。

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港に面した通りには、大きなヤマモモらしき木の陰に、地元のお年寄りの憩いの場が作られていて微笑ましい。連れ合いが「こういった場所はインドやタイでも見たよ」と言うので「アジアのお年寄りはみんな行き着く先が同じなのかもね」と答えます。

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さらに歩いてホステルの裏手側に行くと河口がありました。隣接している家はそこから船を出せるようになっていていて、地形を利用して生活している姿が伺えます。

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ホステルの裏手側の道は、民家や小さな食堂、ホテルの跡地などが続いています。まだ人も車もまばらでシンとしている。

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心置きなくぶらぶらした後はホステルに戻り、朝食を食べることに。ホステルの朝食はボイルドエッグにリーフレタス、トマトをオリーブオイルと塩で味付けしたもの、そしてトーストに淹れたてのドリップコーヒー。いかにも旅先の朝食という風情で嬉しい。 

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お腹が満たされたところでいざ自転車に乗って出発しようとしたところ、同じくホステルに宿泊していた青年から「これから出かけられるんですか?」と声をかけられたので「そうなんです、なんとなくこのあたりをサイクリングしてみたいなと思って」と返します。
「そうなんですね、そしたらあの神社の鳥居が見えているところなんかオススメですよ。ジブリの世界に出てくるような鎮守の森が静かで穏やかで」
「あ、それいいですね。行ってみます」
「あとはその社に向かう途中、地元のおばさんたちが塩を作っている場所があって」
「へぇ!塩作り!」
「声をかければ見学させてくれるので、ぜひ覗いてみて下さい。行く途中にノボリが立っているのでわかるはずです」
「ありがとうございます、そこも行ってみよう」
「あとはですね、あまみやっていうレトロな純喫茶があって。おばあちゃんが営んでいるんですけど、そこのカレードリアがめっちゃうまいです」
「うわぁ、いいなぁ」
「なんか人形とかもあるんですよね、お客さんが持ってくるのをそのままにしているみたいで」
「へぇ!人がいいですね」
「そうなんですよ。このあたり、自転車で走っているだけで気持ちがいいので楽しんできて下さい!」
と、思いがけず会話から良い情報を頂いたので、まずは教えられた通り遠くに見える鳥居のある場所を目指して走ることに決めました。ホステルのオーナーから「砂浜はタイヤが取られるのでそこだけ気をつけて下さいね」と言われ、大きく頷いてペダルを踏み込みます。

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同じ港なのに、視点が変わるだけで違う景色に見える。自転車でビュンビュン風を切っては時々止まってシャッターを切ります。

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今朝見つけたものとはまた別の河口を見つけました。ぽつりと浮かぶ小舟がゆらゆらと揺れている。

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さらに自転車を走らせると民家の軒先にタカアシガニが入った水槽がありました。戸田はタカアシガニを始めとしてメヒカリやノドグロといった深海漁業が盛んなんだそう。水族館以外でタカアシガニをこんなに間近で見るのは初めて。

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さらに自転車を漕いだ先で見かけた若い芝犬。石のくぼみがちょうどいいのか、上体を預けてウトウトとまどろんでいました。耳がピンとしていて可愛い。「写真を撮ってもいいかな」と声をかけたところ、目線を上げていい表情を見せてくれました。

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そうして平坦な道を進んでいると、途中から道が急勾配になってきました。額に汗を浮かべながら押し込むように自転車のペダルを踏むと、さっきまで同じ目線の高さにあった湾が眼下に見えます。

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そうして坂を登りきると、今後は下り坂。目の前に地平線が見えてとっても眺めがいい。頑張ってペダルを漕いでよかった!

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そうして勢いよく坂を下ると御浜海水浴場の駐車場に出ました。視界を遮るものはなく、ただただ広い海が目の前に悠々と広がります。

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さらに御浜ビーチに向かって進むと戸田塩と書かれたノボリを発見。「あの人の言っていた通りだ!」とノボリに向かってペダルを漕ぐと、そのすぐ近くに塩を作っている工房が見えました。時々真ん中の炉の部分に、おばさんがひょいひょいと手際よく薪をくべています。
(見学したいけれど、感染症のこともあるし歓迎されないかもしれないな。このまま外から様子だけ眺めていよう)と思い外から見ていたところ、中のおばさんと目があい「よかったら入っていって下さいよ」と声をかけられました。
「いいんですか?」
「どうぞ、どうぞ」
「今ちょうどね、作っているところなんですよ」と誘われるがままに、建物の中へ足を踏み入れます。

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「今ね、こうやって塩の花を作っているんですよ」
「塩の花って言うんですか」
「私たちはね、そう呼んでるんです。正しいのかわからないけれど。まず海から海水を取ってきて、それをこうやって煮詰めて浮かんだ塩の結晶をすくって水切りさせるんですよ」
「海からわざわざ海水を」
「そうなの、水深15メートルから組み上げて」
「そんなにですか」
「そうしないと生活のお水とか混ざっているでしょ」
「確かにそうですね…でもすごく手間暇がかかりますね」
「ふふふ。もう私たちはこれに慣れちゃっているけど、初めて見る方は驚かれますよね」

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ちなみにここで使用している薪は海から流れ着いた流木や、地元の間伐材を使用しているのだそう。乳白色の青い水の上に結晶となってきらめく塩の花がとてもきれい。

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作業場は清潔に保たれていて、丁寧に清掃されています。使い込まれた蛇口や金盥に身勝手なノスタルジーを感じてしまう。
店頭にはここで作られた塩の商品がいくつか並んでいたので、私も1つ購入しました。後日ここの塩でおむすびを握ってみましたが、これがすごく美味しかった。全く尖りのない丸みのある甘い塩。
親切に案内をして下さったおばさんたちにお礼を言って、作業場を後にしようとすると「これよかったら、今日暑いから」と塩飴を手渡されました。親切にしていただいたことにお礼を言って別れを告げ、自転車に乗ってビーチを目指します。

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途中見かけた富士見館と書かれた建物。ビーチの周りには民宿や海の家の他に、廃業されて廃墟となったホテルなどがいくつかありました。バブル期にはリゾート地としての需要が高かったのだろうか、などと思いを馳せます。

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対岸には出発地点のホステルが遠くに見えました。

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戸田湾からは晴れていれば富士山が見えるらしく、マンホールにもその景色が刻まれています。

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時々道路から海を覗くと、小魚の群れがのんびりと泳いでいました。

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さぁ、鳥居までは後少し。気合いを入れてペダルを漕いでいると、すれ違ったおばさんに「気を付けていってらっしゃいね」と声をかけられました。思わずはにかみながら「行ってきます!」と返します。

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ここからはこの舗装された道を進むことに。松の木々の向こうにポツンと桜が咲いていて、そこだけスポットライトで照らされているかのようです。

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松の葉に桜の花びらが紛れ込んでいて可愛らしい。モミの木に飾るイルミネーションのようにその部分だけ光に透けて輝いている。

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今どの辺りか気になって振り返ると、先ほど登ってきた坂道が遠くに見えました。

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ちょうど湾の真ん中まで来たところで舗装されている道は途切れていたので、自転車を置いてここからは歩いて鳥居へと向かいます。

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コンクリートの桟橋には釣り人たちが並んでいました。ホステルでは釣具の貸し出しもしているので、今度来た時は挑戦してみてもいいかもしれません。

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そうしてサクサクと砂を踏みしめ歩くこと数分、やっと鳥居の下に到着しました!予想よりもかなり大きい。森が鳥たちの棲家となっているのか、メジロやモズ、カラスやトンビなどの声が聞こえて賑やかです。

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せっかくなのでお参りをすることに。神社の周りに植えられたソテツらしき植物が、いかにも温暖な地域の社という風情。

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参道を振り返ると木陰の向こうに港町が見えました。地元の漁師からの信仰が厚いとのことですが、確かにこの参道からの景色を見ると、神様に自分たちの暮らしが守られているように感じるのかもしれません。

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この日は参道は引き返さず、そのまま神社の奥の道へ抜けてみることに。神社の裏手は猫の棲家になっているのか、3頭も猫を見かけました。

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港町の猫のため、人に懐いていて警戒心が薄い。「ごめん、何もあげられるものは持っていないよ」というとこの表情。普段は釣り人から何かもらったりしているのでしょうか。

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さらに奥に進むと小さな灯台がありました。天気のいい日はこの後ろに富士山が見えるのだそう。

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そこからさらに進むと、大きな建物が見えてきました。沼津市が所有する戸田造船郷土資料博物館という建物と、その隣に駿河湾深海生物館が併設されています。館内の撮影はしなかったのですが、意外と展示物が多く、戸田の郷土史や沼津湾付近に生息する深海魚の生態系を知ることができて面白かったですよ
ちなみに深海魚の水揚げが盛んな戸田では、新しい試みとして深海魚直送便なるものも最近始められたのだそう。いつか機会があれば取り寄せてみてもいいかもしれません。

cocolococo.jp

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一通り散策が終わったので、またビーチの方へと戻ります。しかしここの湾は見れば見るほど不思議な形をしているな。まるで天然の防波堤のよう。

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ちょうどお昼時になってきて釣り人はまばらになり、入れ替わるように家族連れが増えてきました。私たちも一度ホステルに引き返します。

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きた道をホステルへと戻って自転車を返却し、出かける前にお願いしていたピクニックセットを受け取りました。Tagoreでは追加料金を払えば淹れたてのコーヒーとクッキーをバスケットに入れて貸し出しもしてくれるのです(2021年時点)。
早速バスケットを持ち、オーナーさんオススメのスポットをバスケットを持って巡ることにしました。まずは戸田の梅林公園へ。

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車を走らせて15分程度、さらにそこから公園の小高い丘へ登ると戸田の街が一望できるビュースポットに到着しました。ジオラマのようにこぢんまりと並ぶ戸田の景色。早速バスケットからポットとマグを取り出して、しばらくそこから街並みを眺めます。
「いやーいい景色だね」と呟くと「ここから離れたくないね」と返事が返ってきて思わず笑ってしまいました。この短時間で、二人ともこの街がすっかり好きになっていることに気がつきます。
「次はビーチに行ってみよう」と声をかけ、元来た道を戻ることに。

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今朝自転車で通った道を車でなぞり、御浜ビーチの駐車場に車を駐めて歩きます。さっきよりずっと家族連れが増えて、あちこちから賑やかな声が聞こえてくる。
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犬と戯れる人、スキューバダイビングをする人、ただのんびりする人に釣りをする人。思い思いにこの場を楽しむ人たちに紛れて、私たちもこのあたりで残りのコーヒーを飲むことに決めました。

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ちょうどベンチとテーブルがあったので、そこにバスケットの中身を並べます。美味しいコーヒーと穏やかな日差し、波の音を聞きながらのんびりできる幸せ。私は持ってきた本を読み、連れ合いはベンチに仰向けになって昼寝をしていました。
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またどこからか船が帰ってくる。湾から出て行く船、戻ってくる船。
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連れがそのまま気持ちよさそうに寝入ってしまったので、起こすのも忍びなくそのままビーチ周辺を歩いて散策することに。

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落ちていたコンビーフの缶。誰かの落し物でしょうか。

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さらに浜辺を歩いていると、目が慣れてきたのかあちこちに小魚の群れがいることに気がつきます。

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 絵本のスイミーみたい。鱗が光を反射してキラキラときらめく。

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朝見かけた釣り人たちも、この日は不漁なのかお昼寝をしていました。こういう晴れた日にコンクリートに寝そべるとぽかぽかして気持ちがいいんだよな。

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レースカーテンのような波模様を辿りながら連れが寝ているところへと引き返すと、ちょうど起きてコーヒーを飲みながら海を眺めていたところでした。
「海の方を散歩してきたよ」
「うん、いないと思った」
「桟橋の方に小魚がたくさんいてね、可愛かった」
そう言って残りのコーヒーを啜ります。
「また来ようね、戸田」
「うん、絶対来ようね」
と言いながらバスケットを片付けて車に戻り、ホステルへと戻る道すがら、なんども名残惜しさにビーチの方を眺めました。そうしてお世話になったホステルの方達にも別れを告げて、かえりがてら伊豆の方面へと向かいます。

向かった先は西伊豆の土肥。帰り際、あのホステルの青年から「伊豆の古民家を改築した建築にGELATO&BAKE  SANTiというジェラートとパンの専門店があるので寄ってみてください」と教えられたのです。

※こちらの写真は公式HPから
お店はLOQUATという複合施設の一角にあります。
今年の1月にオープンしたばかりにも関わらず、特にパンは午前中に売り切れてしまうほどの人気っぷり。立派な古民家は趣を残しつつモダンにリノベーションされていました。

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このSANTiというジェラート屋さんは元々鎌倉にあり、今回初めて伊豆に出店したとのこと。ジェラートに使われている素材はほぼ地元のもので、地産地消をモットーにしているとのことでした。その土地の旬の素材がジェラートで味わえる楽しさ。
この日はお天気がよくてぽかぽかした陽気だったので、テラス席でいただきました。テーブルには大きなガラスのフラワーベースに桜の枝が活けられていて、落ちた影すら美しい。非日常的なゆったりとした空気に包まれます。

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私が選んだのは伊豆産のレモンのソルベと、静岡の桜を使用したジェラート。どちらも香り高く、なめらかで美味しい。連れ合いは同じく伊豆で採れた柚子とカスタードのジェラートが気に入ったらしく「家に持って帰れたら良いのにね」と言っていました。
そうしてしばらくのんびりしていると、ご近所と思われる小さな姉妹とおばあさんがやってきました。小さいさんたちが「いっぱいあるね!」「どれにしよう!」とはしゃいでいる姿に和みます。お邪魔しては悪いので、店員さんにそっとお礼を言ってその場を後にしました。
ターゲットは観光客なのかもしれませんが、どうか地元の人の憩いの場としても使える間口の広い施設であり続けてほしい。そんなことを願いつつその場を後にしました。


戸田の穏やかな空気に包まれて、心からリフレッシュできた1泊2日の小さな旅。帰り道はずっと「帰りたくないね」「次に行けるのはいつだろう」とふたりで繰り返していました。都心から車を走らせて約2時間半という決して近くはない旅路。ですが、それだけの良さがあることは間違いありません。
日々を分刻みで時間を過ごすことに疲れてしまった、静かな場所でただただのんびり過ごしたい、スマホすら見ずにぼーっとしていたい、密集を避けてセーフティな旅をしたい…そんなレスキューミーな気持ちの駆け込み寺として、週末は戸田に出かけてみてはいかがでしょうか。穏やかな海が、あなたの心をそっと慰めてくれるかもしれません。

 

www.tagorehostel.jp

 

※今回の旅は緊急事態宣言明けに行ったものであり、状況が変わる可能性についてご留意ください。

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