東京で暮らす女のとりとめのない日記

暮らしとカルチャー、ミクスチャー

美味しい暮らし #2月編

はじめに

もう3月も終わりですがいかがお過ごしですか?みんな健やかに生活できていると良いなと思いつつ、2月に食べたあれこれを振り返ります。

 

取り寄せ・外食あれこれ

 POMOLOGY クッキーボックス フィグ

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インターネットの友人から頂いたポモロジーのクッキー。無花果が好きなのでとても嬉しかったです。中にはヴィクトリアケーキのようなタイプのクッキーと、無花果を練りこんだタイプのクッキー、そしてプレーンタイプのクッキーの3種類で構成されていました。どれも素朴ながら美味しく、クラシックな焼き菓子を彷彿とさせます。日々の在宅勤務のお供として「今日はどの種類のクッキーを食べようか」と悩む楽しさがあり、そのひとときに現実を忘れられました。缶の絵柄が可愛くて、手に取るたびニコッとしてしまう。クッキー缶は単調な暮らしに文化の風を吹き込むような、日常に彩りを添えてくれるものなのだなと改めて。いつか機会があれば、私も誰かにこんなお菓子を贈りたいです。

 Cafe Les Jeux Au Grenier

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平日、久しぶりに前を通りかかったのでここへ。読書をする気満々で入ったものの、店内は意外と人がいて肩を落としました。聞けばテレビ番組でここが取り上げられたらしく、なんてことをしてくれるのだという気持ちと、お店にとってはその方がいいのかもしれないという気持ちとで綯い交ぜに。断ることもできなかったので、シナモンカプチーノを頼んで5分足らずでお店を出ました。
東京にいる以上、どんな形であれお気に入りのお店がそのままの姿でいてくれることは稀だと感じます。気を使わなくていいくらいの客入りで、ブレンド珈琲が美味しい喫茶店で、心ゆくまで本を読みたい。そんなお店を東京で見つけられたら、きっとこの街がもっと好きになるのに、などと思ったのでした。

Ancient World イラクバクラヴァ

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最近ピスタチオの知名度が高まったせいか、コンビニ菓子からパティスリーまで今やどこでもピスタチオを使った製菓を見かけるようになりました。先日久しぶりに東京駅を歩いたら、新しくピスタチオ菓子の専門店ができていて「立派になって…」という気持ちに。苦労せずともピスタチオ菓子に出会えるいい時代になりました。
そんな中、都内にある中近東の商品を中心に輸入を行なっているお店がイラク産のバクラヴァを販売していると聞いてオンラインで注文しました。以前神楽坂にある Arabic cafe & Abu Essamで食べたバクラヴァが忘れられず、ずっと他のバクラヴァも食べてみたいと思っていたのです。(ところでAbu Essamは3/31 で一度閉店し、神楽坂駅近くに移転するそうですね。新店舗もとても楽しみ!)
ワクワクしながら初めて食べたバクラヴァは、想像以上に美味しくてスパークするような驚きがありました。予想より油っぽさは控えめで甘さもくどくなく、贅沢に使われたピスタチオの風味にうっとりします。色々な種類のバクラヴァを試せるのも楽しく、特に右手前のロールキャベツのような緑のバクラヴァと、ツバメの巣のようなバクラヴァが好みでした。海外のお菓子だと歯が痛くなるくらい甘いイメージが強くてドキドキしていましたが、イラン産のバクラヴァは食感・味共に繊細。中東のお菓子をもっと知りたくなりました。
Ancient Worldではレバノンアルメニア産のワインも取り扱っていて、こちらもとても気になります。次はどんなものを購入しようか、お店のHPを見るだけでも良い気分転換になるのでオススメです。

ancient-w.com

新宿高島屋 お試しショコラ

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バレンタインでしたね。皆さん何か買ったり贈ったりしましたか?私はチョコレートに対して「食べるけれど自分で調べて買うほど好きではないなぁ」くらいのスタンスですが、クリスマス同様なんとなく街が浮かれているこの雰囲気は毎年ワクワクします。
そして例年頭を悩ませるチョコレート選びですが、今年は新宿高島屋が自分が気になっているお店のチョコレートを1粒単位で試せるというオンライン限定の企画をしており、これが結構良さそうだったので参考に取り寄せました。

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今回頼んだのは6粒。試食だと落ち着いて味わうことができないし、人が多くて近づけないこともあって不完全燃焼気味だったので、これはかなりいいシステム。今年はこの中から夫が好きそうなナッティでプラリネ感のあるチョコレートを贈りました。喜んでもらえてよかった。
今年は義姉たちから私宛にもチョコレートをいただいて、あぁ家族だと認識されているんだなとしみじみしたり。こうしたイベントがあると親族間での交流のきっかけにもなるので、年を重ねてイベントがあるのも悪くはないなぁと思うようになりました。
余談ですがちょうど最近、指原莉乃さんと田中みな実さんがチョコレートについて語るyoutubeを見て、チョコレートが愛が強い人のその解像度の高さに舌を巻きました。いや〜、本当にすごい!

youtu.be
観終わって「田中さんオススメのフィリップ・ベルナシオンが美味しそうだな〜、来年買ってみようかな」と思うと同時に「私はやっぱりここまでチョコレートに思い入れは無いんだわ、チョコレートを愛する才能がないってことね!」と返って清々しい気持ちになったのでした。来年も夫にはなにがしかのチョコレートを送りつつ、気まぐれで自分のために買ったり買わなかったりしてみようというところで落ち着いたバレンタインでした。

白金高輪 マルイチベーグル

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久しぶりに白金高輪に行く用事ができたので、ついでにと買ってきたマルイチベーグルのベーグルサンド。東京に出てきて1年目の頃ベーグルの専門店があることを知り、いそいそと出かけて緊張しながら注文し、電車の中で大切に抱えて持ち帰って一人暮らしの部屋の中で一口齧り「なんだこれは…!私が知っているベーグルと違う…!」と美味しさに目を見開いたいい思い出です。当時ちょうどプラダを着た悪魔をみて、オニオンベーグルをニューヨークのサブウェイ前で調達する主人公に憧れていたものでした。
お店のラフなつくりは当時のまま、ケース越しにたくさん並べられたベーグルに変わらず心が躍ります。お店にはあの時の私と同じくらいの年齢と思しき方が働いていて、懐かしい気持ちになりました。作ってもらったベーグルサンドは家に持ち帰り、夫と半分こに。ベーグルには色々な流派があってどれも良いものですが、ぎっしりして食べ出のあるベーグルではここの右に出るものは無いと思います。よしながふみの言うところの「穴の空いていない気前のいいベーグル」です。そびえ立つベーグルを両手で潰して口を大きく開きながら、はじめての一人暮らしをした部屋でこのベーグルを頬張った記憶が蘇り、少し感傷的な気持ちになりました。プラダを着ることもシャネルのお洋服に袖を通すことも無かったけれど、私はあの頃の私の願いを叶えて生きているよ。これからも自分の欲と向き合って、願ったものを叶えていこうと思いつつ。

作った料理あれこれ

バインミーサンドイッチ

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2月の前半はベトナム紅白なますにハマっていました。料理の付け合わせにもなるし、サラダ的立ち位置でも使えて便利。この日は美味しいフランスパンをいただいたのと、期限が切れそうなパテドカンパーニュが冷蔵庫に眠っていたのでバインミーサンドイッチを作りました。
レシピは ELLE グルメのもの。アジアから南米まで多国籍なレシピが揃っているのでありがたい。

www.elle.com

最近の食卓には多国籍な料理が並ぶことがほとんどで、特に1度目の緊急事態宣言ではそういった料理に気持ちを慰められることが多かったように記憶しています。いつか自分が行きたいと願った土地に足を運べる日が来ますように。それまでは手元の世界で慎ましく楽しんでいこうと思う次第です。

ドンウォン社製 即席ラッポッキ

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週末夫がキャンプに行きたいと言うので付き合った日。まだまだ底冷えするので薪ストーブを持参し、その上で身体が温まりそうなラッポッキを作りました。去年くらいからスーパーで取り扱っているのを見るようになり、いい機会だから試してみようと購入した即席ラッポッキ。作り方はサッポロ一番を作るのと同じくらい簡単。付属のトッポギを軽く洗ってから同じく付いてきた辛いソースと一緒に煮て、そのあとに乾麺と玉ねぎとキャベツを入れてさらに煮込んで完成!
初めは甘ピリ辛に感じますが、次第にかなりパンチの効いた辛さが追いかけてきます。そこに玉ねぎとキャベツの甘さが救済になって旨い!辛い!の無限ループ。トッポギのちょっと溶けた部分が麺に絡んでいるのもアクセントになっていい。500mlのお茶があっという間になくなり、一気に身体がポカポカになりました。かなりジャンキーでクセになる味なので、お酒のつまみのような位置付けでも楽しめます。インスタント麺なので荷物にならないし、冬キャンプやソロキャンプのキャンプ飯にはうって受け。これはかなり良い買い物でした。

ウー・ウェン 春野菜のピリ辛サラダ

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1年で一番好きな季節がやってきました。緑のものがおいしい季節。命に刺さるような、苦くて甘くて香ばしい、旬の野菜を食べる楽しみに満ち満ちた季節。去年の今頃は緊急事態宣言が発令されて以来ほとんど家の中にいて、春を感じることなく季節が去ってしまったような寂しさがありました。今年は密集しないように気をつけつつ、シャツ一枚で出歩ける喜びを存分に噛み締めたいです。
ところで最近スーパーのアスパラが安くなったこともあり、茹で以外に美味しく食べる方法を知りたいと思って見つけたこのレシピが私的に大ヒットでした。

www.kyounoryouri.jp

ウーウェンさんのレシピは調理工程が簡潔なのに、どれも素材の味が存分に引き出されていて、いつも作るたびに「うわーっ!美味しい!」という新鮮な驚きにあふれています。このレシピもその中の一つ。特におたまで辣油を作る工程が楽しくて、それをやりたいがためにこの料理を作っていると言ってもいいかもしれません(笑)
味付けもいたってシンプルなので、毎日食べても飽きないくらい。今回のレシピは油を使用しますが、彼女の料理はノンオイルのバリエーションも豊富で、かつ油を使用する時の使用量が比較的控えめなので、減量中の人や脂質を制限したい人にも優しいと感じます。食事の制限をしているけれど、美味しいものは食べたいと言う人にもオススメです。

 

せせチャンネル セロリの葉のチヂミ

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去年の緊急事態宣言くらいから「せせチャンネル」でお馴染みの、料理研究家である渡辺康啓さんのYoutubeチャンネルをチェックするようになりました。優しい語り口と調理過程の適当さや、調理工程が比較的楽なものが多く紹介されているところ、何より作ったものはみんな美味しくできるのが素晴らしく、時々献立に迷った時に頼りにしています。
その中でも最近ハマったのがセロリの葉っぱのチヂミ。あまりがちな具材をメインにできる優れたレシピです。

youtu.be

このレシピで作ったチヂミが本当に美味しくて、何回か具材を変えたりして楽しみました。写真のものは春菊で作ったチヂミ。ごま油の香ばしさと端っこのカリカリ、中のモチっとした食感が美味しい〜!
余談ですが、昔母親から「粉物は絶対に押しつぶしてはいけない」と口すっぱく教えられたからか、チヂミをヘラでぎゅうぎゅう押しつぶすのは妙な快感があり、やんちゃをしている自分!とでもいうような開放感があります。ビールのアテにもなるし、おかずとしても優秀。野菜がうまい春の時期にたくさん作りたいレシピです。

終わりに

去年の緊急事態宣言よりは暮らし方がわかってきたものの、それでも疲れるものは疲れるし、小さなストレスは溜まると実感した2月でした。とはいえ消費行動は確実に変容しているし、これが急に元に戻るとも思えず、ここから先中長期的な経済への影響はどうなるのだろうと思うと気が重くなります。こう言うと人の命より経済のことを考えるのか?と思われるのかもしれないけれど、そうではなくて。中長期的にみて命を落とすかもしれない人を、これからは社会全体でケアしていく時代になっていくのだろうと思う反面、個人の想像力が及ばない範囲の保障をどのように行うのか、その方法について合意形成することが可能なのか、と言うことを考える段階に来ているのだろうというのが今の所感です。その時代を生きる人間として、考え続けなくてはなりません。
一方で、最近はオンラインで受講できる講座がちらほらあり、こんな状況だからこそ開かれている知の扉をありがたく思います。特に京都大学の以下の講座は、改めて学びなおす上でとても参考になりました。

www.cwr.kyoto-u.ac.jp

オリンピックのこと、名古屋入管で死亡したスリランカ人の女性、アジア系アメリカ人へのヘイトクライム。今年は「もっと学ばなくては」から一歩踏み出して、自分はこの社会に何をできるのかを冷静に考え、行動できる1年にしたい。目の前のことをとっさに判断できるのは、考え続けることでしかなし得ない。そして誰かに手を差し伸ばせる人であり続けたい。同時にキャリアの面で、やりたかったことの扉が開きつつあるので、その機会を逃さないよう慎重に行きたいと思います。

 

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lesliens225.hatenablog.com

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